コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
side ???
覚えていたのは、ぼやけた誰かの顔だった。
嬉しそうな、そんな顔。
2人で、僕の顔を覗き込むように。けど、モヤのように顔は隠れていたし、僕だってよく覚えていない。そんな中で、初めて見たのは、白い壁と、白い天井と、白い白衣を着た人と、白い服とズボンを履いた僕と同じくらいのたくさんの子供達と、同じような白くて少し赤黒い服とズボンを履いている僕より少し上っぽい黄緑と白のお姉さんだった。
side 脅威
ズキリ、と痛んだ頭を抑えながら起き上がる。
随分と昔の夢を見たようだ。
そのお姉さんにもらった黄緑のパーカーのフードを被って部屋の外へ出る。自分が気がついて初めて見た場所、_____実験施設から実験体一同が逃げてから総一年。
自分は逃げ込んだ“我々だ国”の幹部の1人になっていたし、他の実験体仲間も我々だ国で兵士として、国民として、のんびりと過ごしているらしい。ただ、実験体達の中で最年長の黄緑と白のお姉さんだけが見つかっていない。
実験施設だって、グルッペン達が潰してくれて、これ以上探しようがなかった。だから、最近は忘れてはいたが、どうやらそうもいけないらしい。
なにせ、今日は自分にとって結構大事な日だからだ。
「あ!ロッソ、トントン!おはよ!」そう声を掛ければ振り返るのは、赤いマフラーを靡かせる彼と、彼の隣をゆったりと歩く、少し不思議な豚。
この世界には、不思議な生き物がいる。正式名称、『インキャラメシオン』、通称『心の化身』
人が生まれると同時にこの世界のどこかに生まれ、5歳の召喚式で召喚することができる。
心の化身は文字の如く、人の心から生まれており、容姿は全身真っ白のさまざまな動物。
ただし、首につけているバンダナと瞳はその心の化身の主人の瞳と同じ。
バンダナには主人の名前とその化身の名前が刺繍されており、召喚式の前に鉢合わせすることも稀にあるだとか。
しかし、その逆もあり、何かの事情で召喚ができない場合があって、結局会うことはできなかったなど。
自分もその1人だ。けど、どうやら5歳じゃなくても召喚式はできるらしい。というわけで、今日が俺の召喚式。
…誰に話してるかって?知らないわ、んなもん。閑話休息。朝のミーティングために食堂の扉を開くとみんな揃っていた。
グルッペンやトントンはともかく、いつも寝坊する大先生やコネシマ、シャオロンは珍しい、と首を傾げながらも席に着く。「…では、感謝を込めて、いただきます」「「「「「いただきます」」」」」朝6時半、総統グルッペンの一言で我々だ国軍の幹部の1日は始まる。「んじゃ、今日の予定な」すると、先ほど挨拶した赤い彼が立ち上がる。「まず、俺とグルさん、オスマンはゾムと一緒にゾムの召喚式に行くわ」「了解だゾ」「わかっためぅ〜」おお、三強と行くんか…「次、コネシマとシャオロンは一般兵の合同訓練、ショッピくんは任務や。射撃に大先生、ナビゲーターにロボロ。大先生、ガバんなよ」「オッケーD!」「了解や」「分かりました」「ヒャ、ヒャイ」「了解〜」「後は…、みんないつも通りやな。連絡事項はなしや」それを聞いて慌てて残りのご飯を食べて自分の部屋へと戻り荷物をまとめる。
周りから見たら、ゾムが食害しないなんて…と変な心配をするだろうが、楽しみなので仕方ない。…あいつらそんなに食害されたいんかな。
今度いっぱい食べさせてあげよう、と思いながら正門へと向かう。
そこには既にグルッペン、トントン、オスマンの3人が揃っていた。3人に声を掛けて車に乗り込めば、召喚場へと向かった
「ぐ〜!肩凝ったぁ!」「トントン運転おつかれめぅ〜」片道約5時間。なぜこんなにも遠いのだろうか。解せぬ。と思うも、目の前の建物を見てそんな考えは消えていった「ぐ、ぐぐ、グルッペン!こ、これ!な、な、なんなん!」「ん?ああ、それは魔石だな。インキャラメシオンを呼び出す際に必要なものだゾ」「え!そんなんいるんか!お、おもろいな!」「あー、はいは〜い、そこのキチガイのお二人さ〜ん、行きますよー」魔石を見ていれば、トントンに声をかけられ、はっと思い出す。そうだった、召喚式…!だっ、と走り出したのを見て、慰めつつ追いかける3人にも、少しだけ、楽しみ、と言う感情が染み込んでいた
side 総統
チカチカ、ビリッ、ドーン!
どうしてこうなった。
召喚式じゃないのか、これは。
と、見れば、跪く召喚師達。
何事かとオスマンの方を見れば、
「神様が召喚された…めぅ…」
どうやらオスマンでも絶句するほどだったらしい。
しかし、召喚式で神様がインキャラメシオンだったことは稀ではない。
なぜそんなに驚いているのか。
「雷神か…?」
「ちゃうな」
一瞬で否定された。一瞬で。
「じゃあ、なんの神なんだ…?」
さっき落ちたのは雷なのに、雷神ではないとは
「それはよう分からん…」
待て待て待て、オスマンの脳が溶け出してるゾ。オスマン!!正気に戻るんだ!!
「ぞ、ゾム!とりあえず、姿を見てみるめぅ!」
そ、そうだゾ、ゾムが主役、うん
と、見てみれば、黄緑のリボンを巻いた白い狼がいた。
「え、?イフ?」
いや、ゾム、それは決してないゾ。インキャラメシオンはリボンを外せないからな……ん?リボン?
「ゾム!お前まだ15歳以下なのか?!」
「え、知らん」
「天狼神様っ?!」
「はぁ?!天狼神?!」
だめだ、もう話しについてけん。
ゾムは15歳になってないしインキャラメシオンが天狼神だし……
閑話休息。
分かったのは、
ゾムがまだ15歳じゃないということ、
ゾムのインキャラメシオンは世にも珍しい天狼神だということ、
その天狼神は名前が不明ということ、
そして、天狼神は限りなくイフリートに似ているということ
4つ中3つはいいとして、なぜ名前がわからないのか。
どうやら、リボンの端が焼けていたらしい。
召喚師達によると、何かの事故に巻き込まれたのではないか、という
結局カオスになっていた召喚場を後にして、帰路支度を始めて、そのまま帰った____
side 先生
はい、おしまい、というわけにもいかず、
ゾムが勝手に天狼神に名前をつけ、
今、その天狼神__ユナ__と対話を試みている。まあ、側から見たら変だとは思うが、リボンを巻いた狼の前にあいうえお表を敷き、当のご主人さんはその隣で寝てるし、狼の前には真剣な顔した総統と書記長と外交官。その他10人がそれを囲うように座っている。地獄絵図か、これ。「__お前は、本当に天狼神なのか?」『うん、そうだとおもうよ』あ、やっぱり確定してないんだ。
すぐに次の質問がくる。「お前は確かにゾムのインキャラメシオンなのだな?」『うん、りぼんにかいてあるじゃん』そうだね!リボンにゾムの名前があるしね!(放棄)「うむ、ではお前の名前は?」ふいっそんな効果音がつきそうに顔を背けたユナを見て幹部一同ははぁ、と深くため息をついた。
部屋の角に集まっているインキャラメシオン達も苦笑いである。
実はこのやりとり、27回目なのである。そう、27回目。ユナは色々答えてくれるも、名前だけは教えてくれなかった。「もうユナでええやろ」そんなやりとりの中、ついにコネシマが手を挙げた。
そうすると、みんな疲れてしまったのか、賛成の声をあげて各々の部屋へと戻っていった。
……あ、ゾムさんの誕生日いつか聞くの忘れた。
まぁ、明日でいっか。消えかけてるユナに気づかず、そう思えば自室へと戻った。
side 総統
「ぐぐぐぐ、グルッペーン!!!!」
せっかく気持ちよく寝ていたと言うのに、なんなんだ。そう思って、寝返りを一つ。
「うぅ…ぐるっぺぇん…」
あー!もうちょい待て!そんな悲しそうな声を出すな!今起きるから!
「……おはよう、ゾム。どうしt「ユナが!ユナが!」…え?」
真冬なのによく起きられるよな。と、起き上がってゾムの方を見ると昨日ここに来たばかりのユナが消えかけているではないか。
ばっ、と壁にかけてあるカレンダーを見ると、今日は12月11日。
ユナはふいっ、と顔を逸らすわゾムは涙目でこっち見るわ
「ぁー…ゾム、今日がお前の15歳の誕生日みたいだ……ゾ」
そう言うと、ゾムが放心状態になりユナがゾムを引きずる。
そして会議室に行くと、インカムで聞いて放心状態になり自分達のインキャラメシオンに引っ張られてきた幹部達がはっと起き上がり誕生日会が開かれていた。
まあ、そのままみんなで寝潰れたよね
No side
白い動物達が消えて代わりにといくつかの人影が現れる。
「__どうも〜」
「ちっす」
「ふふっ、君面白いなぁ。天狼神なんやって?」
「ええ、まあ。一応」
「その一応がめっちゃ引っかかるんやけど」
「すいませんねぇ」
黄緑の人影、赤の人影、青の人影
「狼なんやってな」
「通りで大きい訳や」
水色の人影、黄色の人影
「“一応”なんでしょ」
「黙るのもほどほどにするめぅ」
白の人影、深緑の人影
「明らか同族じゃないわ」
「まぁまぁ、事情ってもんがあるんだよ」
紫の人影、薄水色の人影
「ここ犬類多すぎですけど」
「しゃーないんや…」
「そうですよ…」
「せやせや」
薄紫の人影、橙の人影、茶色の人影、桃色の人影
「なんであれ、もう仲間だ。歓迎しよう」
黒の人影
「あ、僕もうすぐ消えますけど」
「1日で消えるんは驚いたわぁ」
「ほんまにな、まあおめでたいっちゃおめでたいねんけど…」
「でもまた戻ってくるんやろ?」
「そうですね」
「んじゃ、自己紹介っつうことで、俺はロッソや。トントンの心な」
「僕はブルでーす。あ、大先生の心な?」
「俺はジャロ。シャオロンの心やで」
「俺はアズロ!コネシマの心…?や」
「疑心暗鬼wwwww」
「俺はビアンコ。ひとらんらんの心。」
「俺はビルディ、オスマンの心めぅ〜」
「俺はビオラ。兄さんの心。」
「よく来れたよなぁ〜」
「兄さんがゾムの召喚式って聞いたら俺に乗って走れって…」
「お疲れさん、あ、僕はディオ。しんぺい神の心。」
「しんぺい神は危険だけどディオは安全だからね」
「確かにそうっすね…俺はキャロっす、ショッピの心です」
「俺はアラン!チーノの心や!よろしくな!」
「お前心なんだから素で接しろや」
「私はマロナです、エーミールの心です」
「エミさんよりかは体力あるで」
「ドヤ顔すんなwwwww」
「俺はローザ。ロボロの心やで。」
「お前は疑わないんやな」
「心なかったら俺存在しないわ」
「確かに」
「…俺はネロだ。グルッペンの心だ」
「__んふふ、ゾムさんええ仲間持っとるやん」
「お前、本名と本当の種族教えろよ」
「えー…」
0時を告げる鐘が鳴る。月に照らされて一つの人影は薄れゆく。
「あー…俺な、天狼神やないで、神の子フィリオやわw」
「「「「は?」」」」
その場に残ったのは、白い動物達と、光の粒だった。
side ???
お姉さんは、ユナと名乗った。
本当は、y_07って言うらしいんだけど、それは認識番号なんだって。
だから自分で名前をつけた。
って、きっぱり言って、ちょっと憧れた。
お姉さん_ユナ_はいろんなことを教えてくれた。
ここは実験施設で、自分たちは実験体。
でも衣食住はしっかりしているから心配はないと。
実験も1日に一粒の薬を飲むだけ。
相当怪しくて、みんな信じられなかった。
この実験施設にいるのはこの部屋にいる自分たちと、白衣をきた博士たち。警備員もいるらしいが、なかなか会うことはないと、そう言った後、ユナは自己紹介を始めた。
「じゃあ、改めて、私はユナ。認識番号はy_07。この中では最年長だね」
みんな順番に自己紹介をしていく。自分の番が回ってきて、左胸のところを見る。
z_03。自分の認識番号。
「ぼ、ぼくのにんしきばんごうは、z_03です…名前は、おぼえて、ない…」
みんな覚えているのに、自分だけ覚えていない。
なんだか悲しくて、俯く。
「じゃあ、ゾム。」
え、と顔を上げる。ユナは微笑んでいた。
「名前がないならつければいいんだよ。今日から君は、ゾム」
ねっ、と笑う顔に安心して、泣き出す。
「_____?__、_____。」
気がつけば、自分も他の子も寝ていた。
side ??
「ちーっす、お久しぶりでーす」思いっきり自分に武器を向けてきてるいくつかの白い人影に話しかける。
すると、矢が飛んできた。「うっわ、最近の天使は荒れてますね〜」「お前だけだよ、こんなことするのは」口調とは真反対のふわふわとした声が応える。「えぇ〜、ひどいですねー。で、今回はどんな御用で?」このやりとりをするのも某n回目。
よく飽きないよね。「お前が脱走してから他の神の子フィリオも脱走を図り出した。さっさと戻ってこい」「やだよ。感情消されて強制労働とか。なんで神の子フィリオだけこんな仕打ちなわけ」「そもそも欠陥品として生まれたお前らが悪い」「あ?またその話やん。とっとと帰ったらええねん」「今回の命はお前を捕らえることだ」「んじゃ、強制で」後ろに振り向けば何人かの天使が矢を放ってくる。
このやりとりも某n回目。…少し早いけど、戻ってもええよな?「ばーいばーい」そのまま、雲の上から飛び降りる。
光に呑まれる前に見たのは、悔しげな天使たちの顔と、悲しげな仲間たちの面影だった。
side 脅威
白い毛に黄緑のリボンと面影があってユナと名付けた自分のインキャラメシオンの天狼神と一緒にいられたのは1日間だけだった。というのも3年前の話。
どうやらインキャラメシオンは15歳の誕生日に一回消えて、20歳以降の誕生日の時に戻ってくるらしい。あと2年くらいの辛抱、と思って過ごしている時に任務先で見つけた子供…?が絶賛逃走中である。「おーい、どこ行ったんー?」グルッペンとトントンの許可も得て、さあ幹部の前で自己紹介…の時にみんなのインキャラメシオンを見て会議室から脱走。
なんか怖いのかな。「「あ」」ばったり会うと逃げられる。「ちょっと待ってー!」「やや!」足が速く追いつけない。
ちなみに他の幹部は脱走の原因が大人数だからかもしれないということで、手を握っても平気だった俺が捕まえることになった。それにしても…「何が嫌やったん?」「……インキャラメシオンがめちゃくちゃ怖いです」急に滑舌良くなったな。「じゃ、じゃあインキャラメシオン達一回他んとこに」「それならええよ」と、いうわけで捕獲成功。
インキャラメシオンが原因ということで中庭へ行ってもらった。で、幹部の前。
結構タフだったらしく、怯えることもない。……おいシッマ、何殺気振り撒いてんねん「はい!ルイです!18歳です!」「「「ん?」」」「待って?18歳…なんか?」「せやで?」「ゾムと同い年やん…」「はいはいはい!好きなものは何ですか!」「ん」「え、俺?!」「え、ゾム?!」「パンくれたから」「あ、えぇ…?」そう、裏路地で痩せ痩けて倒れていたため、手当てをして非常食用に持っていた乾パンをあげたら懐いてしまったのだ。「では、ゾムが教育係だな」「おん、」「やったぁ!」これは懐き過ぎだと思う。と、みんなが退出していく中、俺は確かに同い年だな、と自分より少しだけ低いところにある頭を見た
No side
深夜を告げる鐘が鳴り1人の少年が抜け出して、
白い動物達はまたもや人影になる。「戻ってくるのはやない?」「ちょっと上が総攻撃仕掛けてくるもんだから」「それはお疲れさんやなぁ」「僕、感情を消されるんは嫌やで?」「分かっとうわ」「……」「にしても何でここに居るんや?心を持った神の子パーデイ・フィリオさん?」「アズロさんは変なの聞くんやなぁ」「神の子フィリオはインキャラメシオン心の化身にはなれんはずや」「なれるで?現になっとるし」「そういうことやないねん」「…こういう運命やわ。お前らだって、分かってるくせに、もうすぐ、「もうええやろ」………」「なんやブル、何邪魔してくれてんねん」「アズロ、分かっとるやろ。もうすぐ時間なんや」「……こいつが、“あれ”なんか」「「「「「……っ」」」」」「っ…なんで!なんで…」「まだ一緒に居たいのはわかるんや!わかるけど!僕だって、っ…」「2人とも、もうお終い。僕らはこういうもんなんねん」青い人影が暁の空を指すと、ぞろぞろと人影は部屋から出ていく。最後に残ったのは、暗い黒い___
side 脅威
ルイを拾ってから4年。
幹部直々の指導を受けていたこともありルイも遂に幹部入り、してから3年。「ゾムさーん!」「おっ、ルイやん。んふふ、どしたん?」「あんな、__『幹部は至急第一会議室へ。繰り返します。幹部は至急第一会議室へ。…』「呼ばれとんなぁ」「…おん…ゾムさん、俺もついていく。」いつもなら会議に引っ張られていくルイが自ら行くなんて、珍しいこともあるんやなそうしみじみ思っていると、顔に出ていたのかルイがむすっと頬を膨らませる。「……ゾムさん、__」会議室の扉を開けた瞬間、物凄い殺気が溢れ出す。殺気を出している人達は、仲間達。睨み続ける者、真っ直ぐ見つめる者、外方を向く者、相変わらず個性豊かだな、と感心してしまう。
分かっている。彼らが自分へ向けている視線は、完全に裏切り者への視線だと。ぎゅっ、と手を握られる感触。
横に見えるのは、お揃いのクリーパーカーを着てくれている、懐かしさを覚える姿。「_ルイ、裏切り者から離れたらどうや」「っ…!ゾムさんは、裏切り者やない!」「大先生が取ってきた情報にでとるんやで?」「でもっ!「ルイ」……ゾムさんは、裏切り者なんかやないもん!」変に庇われると、最悪の場合、彼も裏切り者扱いになる「ルイ。お前がこいつを庇うのは、理由があるのだろう?」「あるに決まってる!」「では、それを言ってみろ。」「っ…ゾムさんの、心の中は嘘をついていない」みんなが一斉にルイの方に振り返る。
インキャラメシオン達は目を見開く。すると、ルイはフードを外す。
黒かった髪は白色に、シッマに似ていた空色の瞳は、自分と同じの翡翠色に「もう、時間なんや。いざこざしてる暇はないで」何が何か分からず、じっと見ていると、各々のインキャラメシオン達は立ち上がり、
そのまま主人とそっくりな姿へ。唯一違うとすれば、髪が白いのと、手首にバンダナを巻いているところだろうか。「ルイさーん?はやない?」「しゃーないやろ、もう来とる。」「えっ、えぇ?!」「はえー、トントンがびびってらぁ」「ロッソ、お前トントンの心なんやから落ち着かせろよ」「はえーこじつけすごい」「ブル、今大先生何思っとる?」「こっわい、あ、でも美少女いたら大丈夫そう、って」「マジかよ」「嘘。」「おい」「ルイさんは絶対で、ジャロさん、アズロさん、あと…うーん…ローザさん行っときます?」「えぇ〜、ロッソも行かせたーい」「マロナ!爆弾は?」「あいつら相手に爆弾は効きませんよ」「えっ、物理攻撃効かないとか、え、幽霊…?怖いって」「ビアンコ落ち着けぇぇぇええ!」「ビルディ…マジで何しとんの?」「え〜、ルイが許せないなって」「えっ?!えぇっ?!すんませんって!」「でも〜、原因のあいつらはもっと許せないめぅ〜」「あでっ」「ディオ、自分の主人にデコピンはダメだよ」「いいじゃん、ビオラ。最後なんだし」「もう1人の俺…?」「そうですよ!あなたが分身術を身につけt「おい、アラン。何詐欺っとんねん」すんませんでした。」「ふむ、この姿でグルッペンを見てもあまり怖くない…」「あんたら2人が揃ったら相当怖いんやけど」「カオスやんな…」自分の隣に立っていたルイが俯くと、みんな黙り込んで、重々しい空気が流れる。「発射用意!!!!」どこからともなく、不意にふわふわとした声が辺りに響く。「来たで…」「ルイさん、大丈夫や」「おん」次の瞬間、彼らは、_____窓から飛び出した。
No side
「へいへいへいへい!天使なんやろ?もっとこいよぉ!」「ふーーーん!プロ結果!」無数の矢と剣が交じる「ブルないす〜、ようガバらんかったな」「ガバるんは大先生やからっ!」光を持つ天使達は赤に染まる「いっけー!ばこーん」「なんや、爆弾効くやん」光の球は消えて花火が舞う「ふふっ、戦車に乗るなんて、久しぶりだなぁ」「いや、ディオが乗るのは初めてでしょ」矢を掻き分けて影は進む「なぜだ!たかが人間が、何故!」「だって、俺ら人間ちゃうし」ばーん、なんてな、ふふふ光は無惨にも散っていく自分達の得となるはずのものが、損を生み出す「はぁ__プログラムを、間違えたのは、お前らなんやで?」光と、赤と、影と、白に、射抜くような黄緑___
side ???
実験施設と言いながら、薬の副作用は少ないし、普通に孤児院みたいな場所だった。絵本には、外の世界のことがたくさん描かれていた。外に出てみたい、と言えるわけがなかった。体に無数の包帯を巻いて、痩せ気味のユナに。ユナよりは年下だけど、ユナの昔からの付き合いのお兄さんお姉さん達が心配そうに見ていた。
そんな状況で、言えなかった。
言っては、ダメだった。「ねえ、ユナ。僕もお外、見てみたい」意を決して、言った。言ってしまった。
ユナは、しばらく考えると、口を開いた。「そうね、明日、お外に行ってみましょうか。ちゃんとした服を着るのよ」お兄さんお姉さん達は俯いていた。それに気付かず、僕らは喜んだ。ユナにもらった、実験服ではない、みんな色違いのパーカー。ちゃんと着て、こっそりと外へ出る。なんでこっそりするのかと聞くと、「博士へのイタズラよ」と言った。これを僕達は信じて進んだ。
扉を開けて外へ出た時、ユナが叫んだ。「あの丘の奥まで競走ね!」と。みんな走った。見えたのは、建物。そう、軍基地だった。
感心して、ユナを探すも、どこにも居なかった。
side 脅威
「ゆ、な…」戦場の真ん中で微笑む姿は、自分が会いたいと思っていた、彼女。いつのまにか天使達は全員倒れていて、心の化身達はこちらを向いていた。「ゾム、ごめん…」その謝罪が何か分からないが、そのまま抱きしめようとする。
けれど、手は抱きしめることなく、空を切る。「なんで…」彼女は近くにいて、でも遠くて。
今、やっと会えたのに、なんで、「また消えちゃうの…!」目から溢れ出す水は止まることがなくて、しょっぱい。
彼女は、ふっ、と笑えば、「ゾム、_____________、_____________。」心の化身達と共に消えていった
インキャラメシオン消失騒動から、約2年4ヶ月。
今年も暖かな春を迎えて、我々軍も創立記念日に花見、わらわらと忙しい。そんな中で、また任務へと出向く。
行く場所は、人体実験疑惑のある国。正直言って、昔を思い出すから好きではない。けど、無意識に彼女がいないか探そうとしてしまう。「ここが、実験体のいるところか」ダクトの蓋を開けて、部屋の中へ。
そこにいたのは、『ゾム、心の化身はいつまでも、見えなくても貴方の側にいるから』だから、__。「なあ、お前ら、名前は?」笑顔を、見せて。
(END)
簡単に設定書かせていただきます!
ゾム
↪︎4歳のときに実験施設に。誘拐されただけ。10年くらい実験施設にいたんじゃない?y_07-z_45脱走事件で脱走。(本人は脱走のつもりはない)その後我々軍幹部へ。特殊特攻暗殺部隊長。現在24歳。もう10年も経っているのにまだユナを探してますね。インキャラメシオンは天狼神。
ユナ・ルイ
↪︎実は同一人物。ゾムのインキャラメシオン。最初は天狼神として召喚されているが、本当は天界で感情を持たずに神様の言いなりになっているはずの神の子フィリオ。しかし感情を持って脱走。感情を持った神の子パーデイ・フィリオという二つ名を持って全力で逃走中。そのまま天地戦開げた。人生で合計7回は脱走してる。
イフリート
↪︎本当はゾムのインキャラメシオンになるはずの天狼族。しかしユナに全力で頼まれて譲った。自分がゾムの隣にいられるならと。
トントン
↪︎皆さんご存知書記長さん。インキャラメシオンは豚さん。
ロッソ
↪︎トントンのインキャラメシオン。宝石から生まれる動物の一種。
鬱大先生
↪︎無能先生。インキャラメシオンは雀。ブル
↪︎鬱大先生のインキャラメシオン。空を守る一族。
シャオロン
↪︎愛用の武器はシャベル。インキャラメシオンはポメラニアン。
ジャロ
↪︎シャオロンのインキャラメシオン。シャベル見てるとなんか落ち着く。地を司る。
コネシマ
↪︎声が非常にでかい。お陰でカオスはもっとカオスになった。インキャラメシオンはチワワ。
アズロ
↪︎コネシマのインキャラメシオン。海を司る。ひとらんらん
↪︎畑愛してる。インキャラメシオンは馬。
ビアンコ
↪︎ひとらんらんのインキャラメシオン。草木を護る加護を持つ。オスマン
↪︎口がお達者の外交官。インキャラメシオンはインコ。
ビルディ
↪︎オスマンのインキャラメシオン。伝達の役割を持つ。
兄さん
↪︎武器商人。インキャラメシオンは狼。
ビオラ
↪︎兄さんのインキャラメシオン。人2人は乗せれる。渡来の加護を持つ。
しんぺい神
↪︎ホモ医者。インキャラメシオンは謎の鳥。
ディオ
↪︎しんぺい神のインキャラメシオン。実は不死鳥。天候を司る。
ショッピ
↪︎ゾムに憧れている。コネシマが連れてきた後輩。インキャラメシオンは猫又。
キャロ
↪︎ショッピのインキャラメシオン。バランス感覚がめっちゃいい。海と陸の境目を守る一族。
チーノ
↪︎ショッピと同じくゾムに憧れている。詐欺師。インキャラメシオンはフクロウ。アラン
↪︎チーノのインキャラメシオン。空と宇宙の境界線を守る一族。
エーミール
↪︎蝶々と紅茶が似合う。インキャラメシオンはペンギン。
マロナ
↪︎エーミールのインキャラメシオン。氷の一族。
ロボロ
↪︎天の声さん。ゾムの次にルイに好かれた。インキャラメシオンは猿。
ローザ
↪︎ロボロのインキャラメシオン。木を司る。グルッペン
↪︎我らが総統。インキャラメシオンは鷹。
ネロ
↪︎グルッペンのインキャラメシオン。祖先は天界を作った。
インキャラメシオン
↪︎心の可視生物。そのため主人の心情を読み取れ、それに応じて行動する。しかし、彼らにも心はある。時々身勝手なことする。
神の子フィリオ
↪︎神様のお手伝いのためのロボットみたいなもの。本来は人として生まれるのだが、神様より大きな力を持つため感情を消される。現在天界にいるのは3人。一時期はユナと共に実験施設にいた。今はちゃんと神様に変わって世界の均衡を保っている。