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夜のコンビニ前。
俺は自販機の前で立ち止まっていた。
【あっきぃ】「……お金、足りるかな」
財布の中を漁っていた。そのとき。
【ころん】「あっきぃ?」
聞き慣れた声に、びくっと肩が跳ねる。
【あっきぃ】「……ころんくん?」
【莉犬】「え、あれ、あっきぃじゃん!なにしてんの? こんな時間に」
二人とも私服で、コンビニ袋を持っている。
【ころん】「僕達、散歩ついでに買い出ししてるんよ。あっきぃは?」
【あっきぃ】「…ちょっと、外出たくて」
【莉犬】「……」
一瞬、沈黙。
でも、追及は来なかった。
【ころん】「てか、寒くね?」
【あっきぃ】「……ちょっと」
【莉犬】「手、冷たそうだよ」
【あっきぃ】「…うん」
それだけで、胸の奥が少しだけ緩む。
少し歩きながら。
【ころん】「今日さ、数学のプリント出てたよな」
【あっきぃ】「……あ、うん」
【莉犬】「あっきぃ今日、放課後すぐ帰ってたから」
【あっきぃ】「……」
【ころん】「……あー」
ころんくんはそれ以上言わず、話題を変えた。
【ころん】「僕んち、すぐそこなんだけどさ」
【莉犬】「あ、ほんとだ」
【ころん】「ちょっと寄ってく?」
【あっきぃ】「……いいの?」
【莉犬】「いいに決まってるでしょ!」
【ころん】「むしろ来てほしいわ」
その言い方が、軽くて、優しかった。
【あっきぃ】「……じゃあ、少しだけ」
ころんくんの家。
玄関に入った瞬間、暖かい空気に包まれる。
【あっきぃ】「……あったかい」
【ころん】「はいはい、上がって」
【莉犬】「スリッパそこね〜」
リビングの明かりが柔らかい。
【あっきぃ】「……家、静か」
【ころん】「基本親いないし、今兄ちゃん達いないからねー」
【莉犬】「騒いでも怒られないからw」
【あっきぃ】「……いいな」
テーブルにマグカップが置かれる。
【ころん】「ココアでいい?」
【あっきぃ】「…ありがとう」
湯気を見て、目が熱くなる。
【あっきぃ】「……あ」
【莉犬】「無理に喋らなくていいよ」
【ころん】「今日はここにいればいい」
【あっきぃ】「……」
しばらく、三人で黙ってココアを飲む。
【あっきぃ】「……俺さ、っ」
【ころん】「うん」
【莉犬】「ゆっくりでいい」
【あっきぃ】「……今日は、帰らなくていいかな」
【莉犬】「全然(即答」
【ころん】「いいよ(即答」
【あっきぃ】「……ありがとう」
ソファに沈み込みながら、俺は小さく息を吐く。
【あっきぃ】「……怒られない場所、久しぶりだな」
【ころん】「そっか」
【莉犬】「今日はここ、居場所ね」
【あっきぃ】「……うん」
俺は、目を閉じてそのまま眠った。