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きゃいきゃい騒ぐ小狐ちゃんたちだったが、布団はちゃんと敷いてくれたしお風呂にも案内してくれて、俺達は狐のお宿での生活を始めることになった。
並べて敷いてもらった布団に千歳がダイブし、ごろんと転がって仰向けになってから言った。
『しばらく世話になるかあ』
「そうだねえ」
火鉢に当たりながら、俺は答えた。この火鉢、炭を足したり火を起こしたりしなくてもずっと温かいそうだ。狐のお宿、不思議すぎる。
千歳は言葉を続けた。
『お前が風呂に入ってる間さ、小間使いの小狐と話したんだけど。飯は基本ここで作ってくれるらしいから、うちの冷蔵庫にある食材引き取ってもらって使ってくれないかって頼んでさ』
「ああ、なるほど。いいね」
食材、ほっといても悪くしちゃうだけだし、ここで使ってもらったほうがいいよな。俺達の食費分が多少浮くし。
『お前の飯で気をつけなきゃいけないことも言っといたぞ、油物と刺激物は控えてくれって』
「あー、ありがとう」
気を回してくれて、本当にありがたい。
『あとさ、九さんがさ、ワシは多少うちとここ行き来してもいいけど、お前はここから出ないでほしいって。だから、必要なものはワシに言ってくれ、取りに行くから』
「そっか、悪いけどお願い」
千歳は大きくあくびをして、布団に潜り込んだ。
『ワシ、もう寝る。明日から組紐作り頑張んなきゃ』
「じゃあ俺も、歯磨いたら寝ちゃおうかな」
そういう訳で俺は洗面台に歯を磨きに行き、戻ってきたのだが、俺は千歳が寝てる布団を見て、はたと気づいた。
布団……俺のと千歳と……並べてあるってことは夫婦ないしは恋人みたいなものと思われている!?
い、いや、布団並べてあるの自体は家でもそうなんだけど。千歳、お化けの姿になって俺に巻き付いて寝てるし。
布団に入ると、千歳がボンと音を立ててお化けの姿になって巻きついてきた。当然のように。いやいつものことだから、当然ではあるんだけどね。
まあこれも同衾か……添い寝しかしてないけど。それ以上のことは、できそうにないけど。
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コメント
1件
うわあ、この距離感がたまらないですね。布団が並べてあるのを見て「夫婦or恋人扱い!?」と慌てる主人公の心情、すごくわかります。でも千歳はお化けになって巻きついてくるし…普段通りなのに「同衾」という言葉でドキドキしちゃう感じ、甘酸っぱくて好きです。小狐ちゃんたちの世話焼きな様子や千歳の食材の段取りまで、細やかな気配りが滲んでいてほっこりしました。