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放課後の教室。
僕は超能力だ
(今日は平和だな)
そう思ったのも束の間だった。
「斉木!」
声を上げたのは海藤瞬だ。
「今日は俺と帰ってくれるよな!」
『断る』
だが海藤は机に手をついて身を乗り出してくる。
「き、昨日は窪谷と帰ってただろ!?」
「だから今日は俺の番だ!」
(番とは何だ番とは)
すると後ろの席から椅子が引かれる音。
「おい海藤」
窪谷須亜蓮だ。
「斉木が困ってんだろ」
(佐伯は俺と帰りたいんだ)
(困ってるのはそうだが違う)
「なあ斉木」
「今日は俺と帰ろうぜ」
(だからなぜだ)
そのとき――
「いやいや皆さん」
鳥束零太だ。
「斉木さん困ってるじゃないですか」
(てなわけで僕と帰りましょ!斉木さん)
(心から話しかけるな)
「だから」
鳥束は僕の肩に腕を回した。
「僕の家来ません?」
(それからピーーな事する!)
(やはり最低だった)
「ちょっと待て鳥束!!」
「斉木を変な目的で誘うな!」
「変な目的じゃないすよ〜」
「普通に仲良くしたいだけすよ」
(全くもって信用できない)
「…お前らさ」
「斉木が困ってるだろ」
(珍しく正論だ)
だが次の瞬間。
「だから今日は俺が帰る」
(ぜんぜん正論ではなかった)
「はあ!?」
「ちょっと待て!」
教室の空気が一気に険しくなる。
「斉木は俺の任務仲間だ!」
「斉木くんは霊能力コンビなんですよ」
「昨日約束しただろ」
(全くもってしていない)
三人の視線が一斉に僕へ向く。
「斉木は誰と帰るんだ?」
(……)
答えは一つだ。
(誰とも帰らない)
逃げようと席を立った瞬間。
三人同時に腕を掴んだ。
「どこに行くんだ!?」「どこ行くんすか?」「どこ行くんだ?」
(……最悪だ)
超能力者である俺が、
この三人から逃げない理由。
それは――
面倒だからだ。