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📷 シーン1:静寂の山谷
月の光が星峰特区の山影に落ちる。霧が立ち込め、息を吸うたびに冷たい空気が喉を刺す。
ナヴィスは、灰色のローブにフードをかぶり、カメラを手に静かに佇む。瞳は冷静に周囲を観察していた。背後にはゼイン。黒い戦闘服の上から碧族用ジャケットを羽織り、銀のラインが月明かりに反射する。
「……気配がする。お前、感じるか?」
ゼインが低く言う。ナヴィスがすぐ応じた。
「ああ。完全に狙われてる」
すずかAIが即座に応答する。
「左前方、木立の影。熱源反応1。心拍数一定。高度な訓練を受けた個体です」
その時——霧が、裂けた。
📷 シーン2:赫のエース、赫嶺(フーリン)
黒と紅の装束をまとった人物が現れる。赫察総局の徽章が左胸に刻まれ、口元は無機質な仮面で覆われていた。
「おまえたち、日本から来た者だな」
その声は、異様なまでに抑制されていた。赫嶺(フーリン)——赫察総局の対碧族エース。
ゼインはゆっくりと前に出る。髪は風に揺れ、銀の瞳が赫嶺を射抜く。
「いいか、ナヴィス。コイツは……俺がやる」
「……了解。後方支援に回る」
📷 シーン3:激突
赫嶺の手が僅かに動く。
瞬間、《バインド・シャフト》——碧素で形成された杭が地面から次々と噴き出す。
ゼインはそれを見切り、跳躍。
「《シャドウ・スラッシュ》!」
黒い軌跡が赫嶺をかすめるが、その体は蜃気楼のように揺れた。
「残像か……!」
赫嶺の反撃。
「《エコー・カーテン》」
空間が震え、ゼインの背後に反響するように赫嶺が出現。ゼインは即座に反応。
「《オーバーライド》!」
赫嶺のフラクタルを一時的に無効化し、反撃の間合いを作る。
二人の戦いは、音すら消えるほどの速度で展開される。山を照らす月光が、二人の軌跡を断続的に浮かび上がらせる。
📷 シーン4:ナヴィスの決断
一方で、ナヴィスは別ルートから赫嶺のデータセンターへの侵入を試みていた。
ギアの遠隔支援がイヤーピースから届く。
「すずか、行けるか?」
「暗号キー取得完了。今から侵入。ファイル“赤星-23号計画”を検出」
「内容は?」
「碧族兵士の碧素吸引システムのプロトコル、テスト映像、そして……赫軍幹部への報告書」
ナヴィスの瞳が鋭く光る。
「それだ。送信——ギア、暗号化急いでくれ!」
「了解、転送開始……あと10秒!」
📷 シーン5:終結の一閃
戦場へ戻る。
ゼインは息を切らせながら、赫嶺の殺意を真正面から受け止めていた。
「……終わらせる!」
ゼインの瞳が碧く輝く。
「《シンギュラリティ》、解放——!」
全身の碧素が解放され、一瞬、時が止まったように空間が歪む。
赫嶺が動いた瞬間、ゼインはすでに背後にいた。
「——沈め!」
《インフィニット・ブレイク》
碧素の閃光が赫嶺を包み、戦闘の幕を下ろす。
📷 シーン6:すずかAIの静かな声
戦闘後、ナヴィスが駆け寄る。
「……送信、成功した」
すずかAIの声が柔らかく響く。
「解析完了。これが証拠となるでしょう。“赫軍兵団の真実”を暴く鍵です」
ゼインが肩をすくめながら、苦笑する。
「ようやく、少しだけ切り崩せたな……この腐った世界をよ」