テラーノベル
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遊園地ロケから数日。
企画は予想以上の反響を呼んでいた。
SNSには。
「この二人、本当に付き合ってないの?」
「空気感が自然すぎる」
そんなコメントが溢れていた。
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💜side
「すごい反響ですね」
スタッフがタブレットを見せてくる。
💜「そんなに?」
「はい」
「それと、急遽追加で撮影が決まりました」
資料を受け取る。
そこには。
『一日オフ企画』
💜「オフ?」
「今回は台本がありません」
💜「え?」
「行き先も自由」
「食べるものも自由」
「僕たちは最低限しか話しかけません」
「本当に一日デートしてきてください」
ふっかは思わず笑う。
💜「もうデートじゃん」
スタッフも笑った。
「そうですね」
「だからこそ見たいんです」
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💛side
ロケ当日。
朝九時。
集合場所だけ決まっていて、その先は自由。
💜「どうする?」
💛「海行く?」
💜「海?」
💛「天気いいし」
💜「いいじゃん」
車で一時間半。
海沿いの街へ到着する。
スタッフはかなり離れた位置。
望遠カメラだけがこちらを追っていた。
💜「本当に自由なんだ」
💛「逆に落ち着かない」
二人で笑う。
yuka🌃🪽💎
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昼過ぎ。
海を眺めながら、防波堤へ腰掛ける。
コンビニで買ったアイスを食べるだけ。
撮影らしいことは何もない。
💜「……なぁ照」
💛「ん?」
💜「最近さ」
💜「仕事って感じしない」
照はアイスの袋を畳みながら笑う。
💛「分かる」
💜「普通に遊び来てる気分」
💛「うん」
沈黙。
波の音だけが響く。
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少しして。
ふっかが急に立ち上がる。
💜「勝負しよ」
💛「何?」
💜「あそこまで」
砂浜の先を指差す。
💜「負けた方ジュース」
💛「急だね」
💜「いいから!」
💛「分かった」
「よーい」
💜「どん!」
二人同時に走り出す。
子どもみたいに笑いながら。
途中でふっかが足を取られる。
💜「うわっ!」
バランスを崩した瞬間。
💛「危ない!」
照が咄嗟に腕を掴む。
勢いのまま。
ふっかが照へぶつかる。
💜「っ、ごめ」
💛「大丈夫?」
距離が近い。
近すぎる。
お互いの呼吸まで聞こえる。
目が合う。
笑うはずなのに。
どちらも笑えなかった。
数秒。
時間が止まる。
先に目を逸らしたのは照だった。
💛「……怪我してない?」
💜「してない」
声が少しだけ上擦る。
照はゆっくり腕を離した。
💛「よかった」
それだけ言って歩き出す。
でも。
耳まで赤くなっている。
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💜side
(今の何)
胸がうるさい。
ただ支えられただけ。
それだけなのに。
心臓が落ち着かない。
照の後ろ姿を見る。
耳が赤い。
(照も……?)
その考えを振り払うように頭を振る。
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夕方。
撮影終了。
スタッフが片付けを始める。
監督が二人のもとへ来た。
「今日は最高でした」
💜「何かありました?」
監督は笑いながら首を振る。
「転びそうになったところです」
照が少し固まる。
💛「あれですか」
「あれは完全に素でしたね」
「編集で使わせてもらいます」
ふっかが照を見る。
💜「咄嗟だったね」
💛「……考える前に体が動いた」
その言葉に。
ふっかの胸がまた熱くなる。
────────
帰り道。
駅のホーム。
電車を待つ時間。
二人並んで立っている。
珍しく会話がない。
しばらくして。
照がぽつりと口を開いた。
💛「ふっか」
💜「ん?」
💛「今日」
💛「転びそうになった時さ」
💜「うん」
💛「……あの時」
💛「本気で焦った」
ふっかは照を見る。
照は前を向いたまま続ける。
💛「仕事とか」
💛「撮影とか」
💛「そういうの全部忘れてた」
💛「怪我したらどうしようって、それしか考えてなかった」
ふっかは何も言えなかった。
その言葉は。
恋人役だから出たものには聞こえなかったから。
ホームに電車が入ってくる。
大きな音が二人の間を通り過ぎる。
乗り込む直前。
ふっかは小さく笑って言った。
💜「……ありがと」
照も笑う。
💛「うん」
その短いやり取りだけで。
二人の心は、また少しだけ近付いていた。
コメント
1件
うわああああ…😭💕 今回の「台本なしデート企画」めっちゃ良かった!!何この距離感…「仕事なのに仕事に感じない」って言っちゃうふっかの気持ち、めっちゃ分かるし、転びそうになった場面で照が咄嗟に腕掴むところ、完全に素でしょ!!目が合って笑えなくて耳真っ赤になってるとかエモすぎる…😇 最後のホームの「ありがと」と「うん」の短いやり取りに全部詰まってたなあ。次の話が待ち遠しいよ!!✨