テラーノベル
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ツアー先のホテルの夜。二人きりの部屋で、向井康二は限界を迎えていた。
寂しさなのか、疲れなのか、それとも目の前にいる男──目黒蓮の色気が強すぎるせいなのか。
理性のタガが外れた康二は、ベッドに腰掛ける目黒の足元に座り込み、その膝にすがりついていた。
「めめぇ……」
「ん?」
「……構ってやぁ……。ギューってして……」
目黒はスマホを見ていた視線を外し、足元で潤んだ瞳を向けてくる康二を見下ろした。
その瞳は、完全に捨てられた子犬のそれだ。
目黒の口角が、ゆっくりと、意地悪く吊り上がる。
「……康二、なんか今日、甘えん坊すぎない?」
「だってぇ……めめが冷たいからぁ……っ!」
康二が目黒の太ももに顔を擦り付ける。
さらに、痺れを切らしたように、目黒のTシャツの裾を引っ張り、小さな唸り声を上げた。
「わぁん……!わんわん!」
「……ははっ」
「……くぅん……構ってぇや……」
なりふり構わず犬になって甘える年上の恋人。
その姿があまりにも愛おしく、そして虐めがいがありすぎて、目黒のS心に完全に火がついた。
目黒はスマホを放り投げると、康二の顎を指先でくいっと持ち上げた。
「……なに。可愛い子犬が迷い込んだなぁ……」
「……っ、」
「ここ、俺の部屋だよ?入ってきたら、どうなるか分かってる?」
低く、甘く、低い声で脅すような響き。
康二はゾクゾクと背筋が震えるのを感じながらも、本能に従って目黒の唇に自分の唇を寄せようと、身を乗り出した。
「……めめ……っ」
あと数センチ。
唇が触れるか触れないかという距離で、目黒の手が康二の口元をバシッと塞いだ。
「……んぐっ!?」
「だーめ。……『待て』だよ」
目黒の瞳が妖しく光る。
康二が「なんで!?」という顔で涙目になると、目黒は楽しそうに笑って、今度は康二の頭をゆっくりと撫で始めた。
「よしよし……いい子だ」
「……んぅ……」
頭を撫でられる快感に、康二がとろんと目を細める。
その隙に、康二の手が目黒の腰に伸びようとした──その瞬間。
パシッ。
目黒が康二の手首を掴み、動きを封じた。
「……あ」
「まーだ!触っちゃだめ」
「……うぅ……なんでぇ……」
「『待て』って言ったでしょ?悪い子にはご褒美あげないよ」
目黒は捕まえた康二の手首に、チュッと音を立ててキスを落とす。
唇は触れてくれないのに、手首や髪だけを愛でられる生殺し状態。
康二の我慢は限界だった。
「……めめぇ……」
「ん?」
「……きゅーん……」
上目遣いで、喉の奥から絞り出した、切ない鳴き声。
「もう無理、限界、好きにして」という降伏のサイン。
そのあまりの可愛さに、ついに目黒の理性が弾け飛んだ。
「……っ、はぁ。もう、無理」
目黒は康二の腕を強く引くと、そのままベッドの上に引きずり上げ、康二の上に覆いかぶさった。
「……ご褒美。たっくさんあげる」
「……めめっ!!」
「よしよし、よく我慢できました」
ようやく許されたキスは、焦らされた分だけ甘く、深く、康二の脳みそを溶かしていく。
一度「よし」と言われれば、そこからは目黒の独壇場だ。
迷い込んだ子犬は、意地悪で優しいご主人様に、朝までたっぷりと愛され続けるのだった。
next…いわこじ 1/2
コメント
5件
きゃー!!!めめこじぃ! ご主人様×子犬かな?最高ですか!?
最高すぎる! 犬みたいに甘えてる向井さん可愛すぎる! めめこじ好きだから読めて嬉しい!