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暫くして、光が消えていった。光が完全に消えたのと同時に、加奈は丘の上に転がり落ちた。
「痛…。ここ、どこ…?」
ぶつけた衝撃で、ズキズキする頭を押さえながら、立ち上がる。
そこには、とんでもない絶景が広がっていた。まず加奈の目に入ったのは、童話に出てきそうな大きな城。その手前には辺り一面に広がる花畑。
「ここ…、素敵だけど、これって…どう考えても現実じゃないよね…。」
確認すべく、加奈は自分の頬を自分でビンタしてみる。
うん、しっかり痛かった。
「夢じゃないんだ…!」
そう思って、はしゃぎながら花畑に向かって走り出した時。
「ちょっとあんた!」
背後から声がした。加奈は慌てて止まる。しかし、振り向くと、そこには誰もいなかった。
「…気のせい?」
「気のせいちゃうわ!ここや、ここ!」
すると加奈の目の前に、一人の小さな女の子が立っていた。
「ぇ…?」
「あんた、どっから来たんや!?この世界の侵入者か!?」
「いいえ、私は…」
「答えられへんって事は、そうなんやろ!?」
「私は…、侵入者ではありません!むしろ、迷い込んだんです!」
すると女の子は、いきなり加奈を連れて走り出した。
「ちょっと!どこに連れて行くんですか!?」
「向こうのお城や。この世界に来たからには、まずはお城にいる王様たちに挨拶せなあかん」
そこには、さっき加奈が丘の上から眺めていたお城があった。
「ちょっと、私こんな格好だよ!?こんなのでお城になんて行ったら…」
「大丈夫や。ちゃんとこっちにも計画がある」