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仲間たちとの時間に穏やかな笑顔を取り戻していたみことに、また黒い影が忍び寄っていた。


ある日、すちのスマホに非通知の着信。

無言のまま、しばらく雑音が続いた後――


「みことを渡せ。金はいくらでも払う。抵抗するなら、壊すしかない」


すちはすぐに録音を開始し、その声を分析する。

その声は、明らかに叔父ではなかったが、どこか不気味なほどに冷静で、金に物を言わせるような口調だった。


らんが調べた結果、その声の主は――

関東に勢力を持つ「一ノ瀬組」と呼ばれる裏社会の若頭、“天城 蓮(あまぎ・れん)”。

表では資産家の御曹司を名乗っているが、裏では非合法な取引、拉致や買収、人身売買に関与していると噂されている男だった。


そして、彼の背後にいたのが――みことの叔父。


「“商品”として価値があるって……言ってた」


すちが低く呟く。

その一言に、全員の空気が変わった。


らんの拳が机を叩き割らんばかりに叩きつける。

「……あいつ、本気でみことを“所有物”だと勘違いしてやがるのか」


ひまなつは震えた声で、「みこと、……大丈夫?」と尋ねる。

だが、みことは少し俯いたまま、静かに呟いた。


「俺、逃げるの、疲れたかも……」


その瞳の奥にあったのは、絶望ではなく――燃えるような決意。


「今度は……俺が、壊す番かもね」


すちが即座にみことの肩を抱き寄せ、強く言った。


「みことは、壊すためじゃなく、守られる側でいていい。俺がいる、みんながいる。……お前を、“買わせる”なんて、絶対にさせない」





ある晩、すちの元に密かに送られてきた写真には、みことが中学時代に事件を起こした際の警察記録の一部が写っていた。

そこには、被害者の名前として「一ノ瀬 蓮」の文字が記されていた。


すちが即座に記憶をたどる――天城蓮。現在の敵。

そして今、みことを“所有”しようと執拗に狙う男。


「……まさか、同一人物……?」


すちがみことに静かにその名前を告げた瞬間――


みことの手が震えた。

表情は無だったが、目が明らかに揺れていた。


「……そう、なんだ」


重たい沈黙の後、みことは語り始めた。

中学時代の、誰にも言えなかった記憶。





回想:中学時代


当時から大人しく、笑顔を絶やさなかったみこと。

だが、同じクラスにいた“蓮”は、そんなみことに強烈な執着を持っていた。


最初は些細な好意のように思っていた。

だが次第に蓮は「俺のこと好きなんだろ」「素直になれよ」と、独善的な思い込みをエスカレートさせていった。


そしてある日、放課後の誰もいない教室で――


「もう我慢できない。いいだろ、ちょっとくらい……」


抵抗するみこと。

聞き入れず力づくで押し倒そうとする蓮。


――次の瞬間、意識が飛んだのは蓮のほうだった。


真っ白になった頭の中。

無感情のまま、無意識に殴り続けていたみことの拳。

目が覚めたとき、床に倒れ動かない蓮と、自分の血に濡れた手。


学校で騒動になり、事件は蓮の親の金とみことの黙認によって“揉み消された”。

蓮は転校し、みことはその土地を離れて新しい生活を始めることになった――。







「俺、ずっと思ってた。……誰かが、また俺を“あの日”に戻すんじゃないかって。

でも…すちがいてくれるなら……俺、大丈夫な気がする」


すちは静かにみことの手を握った。


「お前は、守られるべきなんだよ」


そして、みことは気づく。

蓮がただの敵ではなく、自分が“完全に終わらせなきゃいけない過去”だということに。



___




蓮は暗い部屋でモニターを見つめていた。

映っていたのは、みことがすちの部屋で穏やかな時間を過ごす様子。

設置された隠しカメラは、みことが外出した時にすり替えられた“ある小物”に仕掛けられていた。


「……あの時と同じ顔だな。何も変わってない。いや、もっと綺麗になってる……」


背後から男が現れる。

叔父だった。


「金は振り込んだ。あとは手筈通りだな?」


「ええ。あなたが手を出さなくても、俺が“奪い返す”から。みことは……俺のものですから」


二人の歪んだ欲望が手を組み、みことを再び“檻”に戻そうとする計画が進行していた。







翌日、こさめが登校途中に誰かにつけられていることに気づく。

尾行を撒き、らんに即座に報告。

いるまもひまなつも、妙な視線を感じていたと気づく。


そしてすちの家には、無言電話が何度もかかってくる。


「誰かが……俺たちを監視してる」


すちは確信をもって言った。


「蓮だ。……俺たちはもう、“始められてる”」







みことは、かつてのように怯えることをやめた。


「俺、逃げたくない。……みんなが、俺のせいで傷つくのはいやだから」


すちはみことの目をしっかりと見た。


「だったら、一緒に終わらせよう。あいつとの過去を」


6人は集結し、それぞれの特性を活かして反撃を開始する。


らん:情報操作と周囲への警戒網の展開。


いるま:実行部隊として防衛線を張る。


ひまなつ:尾行と監視の回避、潜入調査。


こさめ:街中の知人ネットワークで裏情報を集める。


すち:交渉と、蓮側の動きを法と暴力両面から潰す戦略を構築。


みこと:囮として自ら動く決断をするが、それは決して“ひとり”ではなく、すちと共に。








蓮から一通のメッセージが届く。

「ひとりで来て。じゃなきゃ、すちを殺すよ?」


すちはその内容を見て、怒りに拳を握り締めた。


だが、みことは言った。


「……行く。でも、みんなには伝えてある。もう“守られるだけの俺”じゃない」


すちはみことの肩を掴んだ。


「行くなら、絶対俺も一緒に行く。……勝手にひとりで決めんな」



タイトル未定 🎼

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