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実った果実。
青い果実。熟れてからが美味しい。熟した頃食べると本当に美味しい。それをもぎ取って最後まで余すことなく汁まで種まで全て食べたい。食べたかった。我慢は毒だ。いつ我慢ができなくなるかいつもヒヤヒヤしていた。我慢は、好きなのに我慢が理性が飛ぶほど美味しそうだった。
なのに、もう壊れちゃった。壊しちゃった。心がうまく呼吸できていないようにドクドクと訴えてくるかのようにズキズキと痛む。
誰かが言う。物にできたら、すぐ飽きてしまう。おもちゃは多いほうがいい。好きなものは最後に食べるタイプなんだと。
それに誰かがこういう。それ以上のめり込むと本気になるからそう偽ってるだけじゃない?と。
それは、意味がどういうことなのか不明だ。
おもちゃは、壊す。
それ以上に気持ちはない。
好きなものは最後に食べるタイプ。
壊れたのなら飽きた。
なのに、なぜ離れない。捨てない。ずっと大事に抱えている。
それは、このおもちゃが最後に放った一言が忘れないだけだ。
「次は、負けない。」
お前に次はない。
僕が壊したんだ。
僕だけが壊していいんだ。
僕だけしか壊しちゃいけないもの。
それは、普通の人からすると大事なもの。
我慢してし続けて、やっと我慢をしないで思う存分壊せると思った。
でも、いざ壊してしまうと虚しい。
壊したかったのにいつのまにか自分の中で壊したくないもの。大事な物に変わっていたらしい。
「あぁ♥ゾクゾクしたよ。僕がここまで怪我したのは、クロロとやったとき以来だ。いや、それよりもひどい怪我だ。すごく強くなってた。いや、驚いたよ。やっぱり、僕の見込んだ通り。君は、いい。いいよ♥」
唇に口づける。
僕は、壊されたかったんじゃないからここまで心が乱れることはないと思ってた。気づいてたよ。君のことが好きだって。
好きだから、壊さない理由にはならなかったよ。
後で後悔するとは思ったが、実によかった♥
君と出会えて良かった。
君といるときが僕は一番幸せだった。
好きだ。ゴン。
唇にまた口づける。さっきよりも愛情をもって。
ピクッとゴンの唇が動く。
「ヒソカ…。俺、生きてるんだけど…。」
、
、
、
「ぶっ!あっはははは!!」
ゴンの大笑いする声が聞こえる。
「ヒソカ、涙流してる笑」
ヒソカはゴンを抱きしめる。抱きしめる力をもっと強める。
「痛いよ!ヒソカー!二人とも怪我してるんだから…。もう。」
「ゴン…。生きてて良かった。もう一度会いたかった。好きだって伝えたかった。」
ヒソカは、震えながら泣いていた。
そんなヒソカの頭を撫で「俺、言ったでしょ?」
次は、負けない!!!
って。
ゴンは、芯の通った力強く泣いている子供を安心させるように言った。
ヒソカは安心したのかいつもより柔らかい表情でゴンに口づける。
「ゴンは、僕のこと好き?」
「…。俺、いまヒソカのこと好きってわかった。ヒソカ、俺も好き!!」
ゴンから軽く口づける。ヒソカがそれでは足りないと言うふうにもっと深く口づける。それはもう恋人同士のように。