「意地悪するのは」
助手席に座ると、私は無意識に息をついていた。
知り合いと 遭遇(そうぐう)しない場所を選んだつもりだったのに、 佐伯(さえき)の教え子に会うし、無駄に目立つしで、考えがことごとく外れてしまった。
カーナビの時刻表示は17時35分。
陽も傾き出したし、今日はきっとこれでお開きだろう。
そう思って景色を眺めていると、車は一般道を逸れ、高速道路を走り出した。
家と逆方向に向かっていると気付いた私は、慌てて佐伯を見る。
「えっ! どこに行くの?」
「着けばわかるよ。 あと20分ほどのところ 」
「着けばわかるって、そりゃそうだけど……! 」
20分ならそんなに遠くはなさそうだけど、どこにいくのかくらい教えてほしい。
仕方なく窓の外を眺めていると、彼が尋ねた。
「なぁ。 門限って何時?」
「……9時だけど」
「9時って……。 や***********************
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