「夜景と隙と」
車は高速道路をひた走り、大きな橋を渡り始めた。
一体どこに行くんだろう。
知りたいけど、彼の手が重なったままだから、気になって喉が開かない。
やがてフロントガラスの向こうに、島のような建造物が見えた。
「あれは……?」
呟いたと同時に、「目的地」と短い返事があった。
そこは海に浮かぶサービスエリアだった。
車を止め、外に出ると、湿気を含んだ風が体を包む。
「わぁ……! 」
思わず上を仰ぎ見た。
すみれ色とオレンジ色のグラデーションがかかる夕空は、普段見る空の何倍も広かった。
その場で動かない私を促し、 佐伯(さえき)は建物へ歩き出す。
慌てて後を追い、中に入ると、佐伯はシアトル系のコーヒーショップの前で足を止めた。
「なにか飲む?」
すぐに頷いたのは、緊張で喉がカラカラだったからだ。
だけどコーヒーの飲めない私は、こういったお店のメ*****
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