【筆者から】
なんかバグで92話がないです☆すまんね☆
あとこれが2つめの98話になってるはず。でも、99話だから!きれいに100話で終わらせたかったのに…
バグ消えろー
第一部
琥珀の術式「黄泉の門」によって、戦場は変貌を遂げた。暗黒の霧が立ち込め、周囲がねじれているように感じられる。その場に立っている者たちには、まるで自分たちが地獄の深淵に引き込まれるかのような錯覚を覚えた。
「ここは……黄泉の世界か?」透が辺りを見回し、声を絞り出した。
黒い霧の向こうから、無数の影が揺れ動き、低く唸り声を上げている。影たちは亡者のように這い寄り、透たちの体力と精神を徐々に削り取っていく。
「全員やられる……!」白川が歯を食いしばり、霧の中で見えない敵に斬りかかる。しかし、その刃は影を貫くことなく、虚しく空を切るばかりだった。
「無駄だ」と、琥珀は冷たく笑う。「『黄泉の門』は、死の世界への入り口だ。生者が触れれば、その魂は削り取られ、やがて死へと誘われる。」
その瞬間、暗黒の霧の中から巨大な姿が現れた。全身を黒い鎧に包んだ者、黄泉の王であるかのような威容を放つ存在だった。彼はその巨大な剣を引き抜き、目の前に立つ神風たちを見下ろした。
「これが……黄泉の王……」神風が苦々しく呟いた。「こいつを倒さない限り、この術式は終わらないってことか。」
琥珀は冷笑を浮かべたまま、さらに言葉を重ねた。「そうだ。黄泉の王は、術式の中心にして守護者。お前たちの力では、決して勝つことはできない。」
「ふざけるな!」透が叫び、全力で黄泉の王に向かって突進する。「俺たちはここで終わらせない!」
透の攻撃は鋭く、正確だった。しかし、黄泉の王はその巨大な剣を振り下ろし、一撃で彼の攻撃を受け流す。衝撃で透は後方に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
「ぐっ……!」透が苦痛に顔を歪めながらも立ち上がろうとする。
「透!」白川が駆け寄ろうとするが、黄泉の王のもう一撃が迫る。瞬時に反応し、白川は斬撃を繰り出して王の剣に対抗するも、衝撃で両者は動きを止めた。
「お前たちじゃ、世界のルールを覆すことはできない!」琥珀が高らかに笑う。「黄泉の王がいる限り、この戦場では死のみが支配する!」
その時、神風が一歩前に出た。彼の目は鋭く、何か決意を固めたように見えた。「琥珀、あんたの言う通りかもしれない。この黄泉の世界は、死に支配された場所だ。」
「ならば?」琥珀が挑発するように笑みを浮かべる。
神風は深く息を吸い込んだ。「だが、生きてる限り、俺たちは戦える。そして……生を賭けて、この死の世界を打ち破る!」
神風は全身に力を込め、彼の持つ風の術式を最大限に解放した。強烈な風が吹き荒れ、黄泉の霧を切り裂く勢いを生み出した。
「行くぞ!これが最後の切り札だ!」神風は透や白川、十二神将たちを鼓舞し、一斉に黄泉の王に向かって突撃した。
果たして、彼らは黄泉の王を打ち倒し、琥珀の術式「黄泉の門」を破ることができるのか。全ての力を賭けた戦いは、ついに最終局面へと突入する――。
第二部
黄泉の門を前に激闘を繰り広げる神風たち。しかし、彼らが圧倒的な力に対抗しようと必死に戦っている最中、琥珀は静かに微笑んでいた。彼の術式「黄泉の門」は、強大な力を持っていたが、それは彼の真の力のほんの一部に過ぎなかった。
「まだ気づいていないのか?」琥珀が静かに呟く。「黄泉の門だけではない。私には、さらに強大な術式が存在する。」
その言葉に、戦場は凍りついた。黄泉の門の恐ろしさは彼らにとって明白であったが、それ以上の力があるなど誰も想像していなかった。
「何だと……?」透が苦しそうに立ち上がり、琥珀の方を睨みつけた。
琥珀は腕を広げ、淡々と語り始めた。「この世には、死よりも恐ろしいものがある。『黄泉の門』は、入口に過ぎない。しかし、その先には……苦痛と絶望が待っているのだ。」
琥珀の周りに闇のエネルギーが渦巻き始めた。その力は黄泉の門を凌駕するもので、周囲の空間が一瞬で歪んだように感じられた。
「これが私の真の力だ。『無尽の黄泉』。この術式に囚われた者は、永遠に終わることのない地獄の中で生き続けることになる。」
琥珀の手がかざされると、暗黒のエネルギーが神風たちに襲いかかる。それは無限に広がり続ける黄泉の世界そのものであり、どれだけ逃げようとも、その果てを見つけることはできない。
「くそ……こんな術があるなんて……」透が歯を食いしばり、どうにかそのエネルギーに抗おうとするが、次第に力を奪われていく。
その時、神風が前に出て、彼らを庇うように立った。「お前たちは下がれ。ここからは俺がやる。」
「何を言ってるんだ!一人で勝てるわけがない!」白川が叫ぶが、神風は振り返らず、ただ静かに前を見据えていた。
「……俺は一度死んだ。だが今、再び生きているのは、この瞬間のためだ。」
彼の体に再び風が集まり始める。その風はこれまでのものとは異なり、かつてないほど強力で、全てを切り裂くような鋭さを持っていた。
「黄泉の門も、無尽の黄泉も関係ない。俺たちはここで終わらせる!」
神風は全力で琥珀に突進し、その手に集めた風の刃で一撃を放つ。その一撃は黄泉の闇を切り裂き、琥珀に迫った。
しかし、琥珀はその一撃を軽々と受け流し、不敵な笑みを浮かべる。「悪くない。だが、まだ足りない。」
その瞬間、琥珀の背後からさらに強大なエネルギーが放出され、戦場全体を覆い尽くした。
「黄泉の門だけではない。私の力は、まだまだこんなものではないぞ。」
戦いの行方は予測不可能なまま、新たな局面を迎えた。琥珀の真の力「無尽の黄泉」と対峙する神風たちは、果たしてこの絶望的な状況から抜け出すことができるのか?
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!