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その後わたしはお腹が空いている事に気づいて、あおばに聞いた。「私、お腹空いちゃったんだけど、ご飯とか無いかな?」その女の子はわたしの目を見て、小さな手でわたしの指3本を掴んで走った。それにつられてわたしも走ると、別の女の子が居た。その子は料理をしていた。「はわっ…おねーちゃん、そのひと、だぁれ?」あおばがわたしの方を向いてから、「このひとはまいごさん!」「まいごさん?」わたしが聞き返すと大きく頷いた。あおばはその別の女の子に「このこにおりょーりふるまってあげて!」と言った。舌足らずなのか、平仮名が多い気がする。そんな事を考えていると、あおばがわたしを案内して、切り株の椅子のような物に座らしてくれた。あおばはどこかに行ってしまった。
別の女の子がわたしに言った。「まいごさん、“ぺれーかー”はすき?」わたしは聞いた事のない物に、思わず黙った。「ぺれーかーだよ?ここのごはんさん。」「ペレーカーってなに?」その子は料理の手を少し緩めて言った。「ぺれーかーは、ここのおいしいおいしいごはんさんなのです!」笑顔で言うその子の顔は、さっきも見たような顔だった。
料理をしてもらっている最中、その子はわたしに聞いてきた。「ねぇねぇ、おなまえある?」「あるけど。ななって言うよ。」「なな…いいおなまえだね!わたしはこのえ!さっきのあおばおねーちゃんのいもうとだよ!…はぁ。」急にため息を吐くので、ちょっと気にかかって聞いた。「どうしたの?」「いや…わたし、ひととおはなしするのにがてで…」わたしも確かに学校ではポツーンだけど、ここまで話せているのは凄いと思う。その間に、そのペレーカーというものが完成した。