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「俺のせいだな…」
サークルのレッスンのあと、帰路につきながら、
俺…猫宮蒼は深く後悔をしていた。
4月になって、初めてのレッスンのとき、俺が思い切りぶつかってしまった人がいる
その人は…黄はしどろもどろな対応をしながらも、
俺のことをちゃんと心配してくれていることがわかったし
ちょっと興味を持った
だから名前だって覚えたし(自己紹介はちょっと意味わからなかったけど)
食堂で話すことにも成功した
「えと…蒼さんは…よく…食堂で食べるんですか?」
「…まぁね」
俺の名前ちゃんと覚えてるんだ…
でもさん付けか…
こっちはもっとなかよくなりたいのに
なにか話題…あ、ちょっと気になってたことがあるんだ
「お前本当に演劇できるのか?」
「………え?」
自己紹介から…いいや、ぶつかってしまったときからずっと
黄は人と話すのが苦手なんだな…って思っていた
だから…なにか力になりたいって思って…
「あと、さん呼び嫌いだから」
ちゃんと思っていたことが言えた
でも…これで黄の事を傷つけてしまった
それが分かってしまったから、俺はレッスンにいけなくなった
黄と会うのが怖いから
このままだと裏方になってしまうけど…こんな俺の姿をお客さんに見せるわけにもいかないから
そんな中、美姫さんからメールが来た
「◯◯劇場ホールに来いやボケ」
いつもはお嬢様かのようにキラキラしてるけど、何故か俺に対しては冷たいんだよな…
だからいつも差し入れ無いんだけどね
仕方なく行ったらそこに黄がいた
さっきまでなら逃げ出しそうだったのに、今は仲直りがしたくて
頑張って話しかけた
「サークルはどう?」
「僕…最近レッスン行ってないです」
俺があんなこと言わなければ…
俺が黄の事を否定してしまったから…
だからレッスンにも来なくなってしまった…
完全に俺のせいだ
気がついたら黄は目の前からいなくなっていて、
美姫さんに話かけたら「今日はもう帰った」だとさ
俺…もう黄と仲直りすらできないのか…