テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ピピピッ…ピピピッ…
静かな部屋に木霊するアラーム音。
それは何回鳴ったか分からないが、舜太は布団もかけずに眠っていた。
ピピピッ…ピピピッ…
「……じゅうちゃ……!」
舜太は勢いよくスマホに手をかけアラームを止める。
はっきりと見える時刻昼12:20分。
舜太はすぐに覚醒し飛び起きた
「………これ、夢、じゃない」
同じ日、同じ時刻。
確かに手に残る鉄柱を支えた時の痛み。
目の前で起きた出来事。
「…………もしかして」
舜太は違和感に気づいた。
「俺、繰り返してる」
舜太はゆっくりと、一つ一つ確かめるように着替え、家を出た。
______________________
「……しゅんちゃん、遅かったね」
待ち合わせ場所にやはり柔太朗はいた。
着いたのは12:50分。
舜太は何か言いたげの柔太朗の手を強引に引き、歩き出した。
「えっ、そんなに急いでないけどちょっと、」
「ええから着いてきて!」
もうカフェなんてどうでもいい。
とにかく今は柔太朗を助けるのが最優先。
必死に安全なルートを探っては、人をかき分け歩いていく。
「……ねぇしゅんちゃん。どうしたの?」
舜太には柔太朗の声は届いていないようだった。
2人の歩く先には歩道橋がかけられていて、交通面が普及しているからか、人通りは少なかった。
舜太は後ろを見向きもせずただただ前へ、階段に足を踏み入れた。
そして、もうすぐ通路に差し掛かる手前の事だった。
ニャー
目の前から黒猫が現れた。
「うわっ」
舜太は、それに驚き後ろによろける。
その刹那、繋いでいたはずの手は振りほどかれた。
「……!」
舜太は握り返そうと振り向くも手遅れで、伸ばした手はただ空気を掴むばかり。
柔太朗は遠く下へと階段を転げ落ちていった。
「じゅうちゃん!!」
階段を必死にかけおりる。
何度か転びそうになるが、何とか持ちこたえる。
歩道橋の階段入口付近で、倒れて動くことのない柔太朗は頭から血を流していた。
「ごめん……っじゅう、ちゃ」
舜太は悔しくてたまらなかった。
『まだ、助かるから、早く救急車……!』
電話をかけようとポケットに手を伸ばした時、そっと柔太朗の手が舜太に触れた。
「……れで、、いいか、、、ら」
また薄れていく意識の中、微かに柔太朗の声は舜太に聞こえていた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
98