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#ヒューマンドラマ
澪
134
#相談女
澪
218
八話 無様な決着
「悩みが解決して良かったわね」
コウジが振り返ると本来いるはずのない妻の広子がそこに立っていた
「ドレスを選びに行ったんじゃ…」
コウジは今にも逃げ出しそうな素振りを見せたじろぐ
サユリは眉を顰め広子を冷たく見上げる
(うわ、キモ もしかしてホテルの前でずっと待ってたの?)
「私もサユリさんのことが心配になって来てあげたの ホテルでどんな話をしていたのかしらね」
広子の言葉にサユリは半ば引き攣ったような…だがどこか侮蔑を込めた笑みを浮かべ
「もう〜 そんな怖い顔しないでください〜 私は相談してただけで…」
と白々しくもはや言い訳にすらなっていない言葉を並べようとしたが隣に立つコウジのただならぬ様子に気付いていなかった
そして
「広子!!すまなかった!!」
コウジは突如ついさっきまでのサユリへの愛と男としてのプライドをドブに捨てるかのように無様に土下座をした
サユリは目を見開きコウジの頭を見下ろす
「これは気の迷いなんだ!!愛してるのはお前だけだ広子!!」
その言葉にサユリは声を震わせた
「は…?嫌だ…何言ってるの…?さっき大事にしたいのは君だって言ってたよね…?」
サユリの必死に保っていた砂上の楼閣のような自尊心が底からパラパラと音を立てて崩れかける
「そんなのノリに決まってるだろ!!」
コウジは今までに見た事ないほど声を荒らげた
サユリもここで理性が切れ本性を現し コウジを指さした
「意味わかんないんだけど!?私がこの粘着ババアより劣ってるってこと!?」
「そうみたいね 粘着ババアより格下の小娘さんには弁護士から連絡がいくはずだからよろしくね 慰謝料を貰うわ」
「はぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
サユリの理性はここで音を立てて切れ鬼のような形相で広子を睨みつけ怒声を上げる
「私は相談に乗って貰ってただけ!!私を選んだのはこの男!!それなのになんで私まで慰謝料払わないといけないわけ!?」
食い下がるどころかまだ見苦しい言い訳を捲し立てるサユリに心底軽蔑を覚えた広子は自分より背の低いサユリを見下ろした
「不倫女が何言ってるの」
「だーかーらー!!相談したらそこに漬け入れられた可哀想な子なの!責めるならその男だけにしてよ!」
サユリの脳内で怒りと保身と錯乱が爆発し支離滅裂なまでの罵声吐き散らしながらコウジを指さした
「全部俺のせいにするのかよ!?」
あまりのサユリの責任転嫁ぶりにコウジでさえ驚愕する
しかし広子からすれば目の前で繰り広げられるのは目を見張るような光景ではなく、バカップルの痴話喧嘩程度までに格下げされていた。
「あなたは黙ってて」
とピシャリと会話を断つ
「サユリさん 納得いかないなら裁判でハッキリさせる?」
「お好きなようにどーぞ!!あーあ!ババアのヒステリーに巻き込まれて最ッ悪!」
サユリは小学生レベルにまで落ちた捨て台詞を吐き捨て立ち去っていった
コメント
1件
うわっ…めっちゃ泥沼ですねこれ。コウジの土下座、一気に格好悪くなったなあ…。笑っちゃいけないけど「ノリに決まってるだろ!!」にはびっくり。サユリも崩れるの早すぎて、可哀想だけど最初から砂の城だった感じがしたよ。ラストの捨て台詞、完全に負け惜しみって感じで逆に切なかった…。澪さん、不倫の末路を容赦なく描くの上手すぎる🥀