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檻のなかのアイドル

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檻のなかのアイドル

25 - episode25-選ばれなかった日-

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2025年07月25日

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控室のソファに、ひとり腰かけるこさめ。目を閉じていても、なつくんの冷たい視線がまだ胸を突く。


――“俺のもの”って、なつくんは言った。

でも、それって“好き”とは違う。


🎼☔️「……こさめ、選ばれなかっただけなんだ」


呟いた声が小さく消える。

けれど、そこに現れたのは――


🎼🍵「こさめちゃん?」


🎼☔️「あ……すちくん」


🎼🍵「どうしたのぉ? 顔色、悪いよぉ」


🎼☔️「ううん、だいじょうぶ。ちょっとだけ、考え事してた」


🎼🍵「うん。じゃあ、俺のひざ、貸してあげるねぇ」


🎼☔️「……えっ」


🎼🍵「いっぱい考えて、疲れちゃったでしょぉ? ほら」


すちはにこにこしながら、自分のひざをぽんぽんと叩いた。

こさめは驚きつつも、なぜか逆らえず、そっとそこに頭を預ける。


🎼☔️「……ありがと、すちくん。すちくんって、やさしいね」


🎼🍵「俺は、好きな人には優しくしたいんだよぉ」


🎼☔️「……こさめのこと、“好き”?」


🎼🍵「ん〜、それは、ひみつぅ」


ふわりと笑うすちの声に、こさめは小さく笑った。


そのころ、らんはいるまの部屋にいた。


🎼🌸「……お風呂、借りていい?」


🎼📢「ああ。タオルはそっちの棚。シャンプーは俺のだけど……まぁ、許す」


🎼🌸「ありがとう、いるま。……ほんとに、優しいね」


🎼📢「うるせ。俺が優しいのはお前限定だ」


🎼🌸「えっ」


🎼📢「……なんでもねぇ。風邪ひく前に入れよ」


いるまの背中を見送りながら、らんはふっと表情を緩めた。


――優しさは、押し付けられるものじゃないんだ。


どこかで、こさめも同じことを思っていた。


彼が起き上がると、すちが少しだけ寂しそうに言った。


🎼🍵「……こさめちゃん、やっぱりなつくんのこと、好きなの?」


🎼☔️「うん……でも、好きってだけじゃ、だめな気がするの」


🎼🍵「……そっかぁ。

それでも、俺はこさめちゃんのこと、ちゃんと見てるからねぇ」


🎼☔️「すちくん……ありがと」


扉の向こう、それぞれが小さな決意を抱えていた。

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