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控室のソファに、ひとり腰かけるこさめ。目を閉じていても、なつくんの冷たい視線がまだ胸を突く。
――“俺のもの”って、なつくんは言った。
でも、それって“好き”とは違う。
🎼☔️「……こさめ、選ばれなかっただけなんだ」
呟いた声が小さく消える。
けれど、そこに現れたのは――
🎼🍵「こさめちゃん?」
🎼☔️「あ……すちくん」
🎼🍵「どうしたのぉ? 顔色、悪いよぉ」
🎼☔️「ううん、だいじょうぶ。ちょっとだけ、考え事してた」
🎼🍵「うん。じゃあ、俺のひざ、貸してあげるねぇ」
🎼☔️「……えっ」
🎼🍵「いっぱい考えて、疲れちゃったでしょぉ? ほら」
すちはにこにこしながら、自分のひざをぽんぽんと叩いた。
こさめは驚きつつも、なぜか逆らえず、そっとそこに頭を預ける。
🎼☔️「……ありがと、すちくん。すちくんって、やさしいね」
🎼🍵「俺は、好きな人には優しくしたいんだよぉ」
🎼☔️「……こさめのこと、“好き”?」
🎼🍵「ん〜、それは、ひみつぅ」
ふわりと笑うすちの声に、こさめは小さく笑った。
そのころ、らんはいるまの部屋にいた。
🎼🌸「……お風呂、借りていい?」
🎼📢「ああ。タオルはそっちの棚。シャンプーは俺のだけど……まぁ、許す」
🎼🌸「ありがとう、いるま。……ほんとに、優しいね」
🎼📢「うるせ。俺が優しいのはお前限定だ」
🎼🌸「えっ」
🎼📢「……なんでもねぇ。風邪ひく前に入れよ」
いるまの背中を見送りながら、らんはふっと表情を緩めた。
――優しさは、押し付けられるものじゃないんだ。
どこかで、こさめも同じことを思っていた。
彼が起き上がると、すちが少しだけ寂しそうに言った。
🎼🍵「……こさめちゃん、やっぱりなつくんのこと、好きなの?」
🎼☔️「うん……でも、好きってだけじゃ、だめな気がするの」
🎼🍵「……そっかぁ。
それでも、俺はこさめちゃんのこと、ちゃんと見てるからねぇ」
🎼☔️「すちくん……ありがと」
扉の向こう、それぞれが小さな決意を抱えていた。