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#異世界ファンタジー
99
ギローンゴローン ギローンガラーン
どんよりと曇った空の下。暗い音色の鐘が鳴り響くのを合図に、黒装飾を纏った生徒たちは遊びをやめ、次々に校舎へ駆け込んで行った。
ここは死神学校。生徒たちは皆一人前の死神を目指して、毎日毎日勉強に励んでいる。
ところが午後の授業が始まるというのに、屋上にまだ一人残っている生徒がいた。コイツの名はクロ。まるで慌てる様子もなく、カマを器用に使って大好物のドクロスナックを口に放り込み、漫画を読み続けている。
「あ〜あ。勉強なんか、堅苦しくってやってられないよ。どうせなら一日中寝てても頭が良くなる裏技とか、女の子にモテちゃう呪文とか、楽して儲かる術なんか教えてくれればなぁ……」と呑気に呟いていた。彼は人一倍苦労するのが嫌いらしい。とその時だ。
「そんなにラクをしたければ来るがよい」
突然天から何者かの声が響き渡ったかと思うと、凄まじい稲光がクロ目掛けて襲いかかってくる。
「うわぁ!な、な……ん……だ…………」
稲光の直撃を受け、彼は気を失ってしまった。
「イテテテテ……」
しばらくして、クロは体をさすりながら起き上がった。
「ここは……一体どこなんだ!?」
彼は薄暗い洞窟のような場所に倒れていた。足元にある蝋燭の薄明かりを頼りに見回してみると、奇妙な十二枚の扉にぐるりと囲まれているのが分かる。
「君、大丈夫?」
突然声をかけられて、クロの肩が震えた。気を沈めて声のする方に目を凝らすと、暗闇にギラリと光る目玉が二つ。
「わっ、野良犬!」
思わず後退りすると、そいつは甲高い声で言う。
「犬じゃないよ!僕は狼!狼男のウルフだい!」
相手があまり強そうでないと分かって、クロは内心ほっとした。
「ひょっとしてお前か!?俺をこんなところに連れた来たのは」
「違うよ。僕だってどうやってここへ来たのか分からないんだ。学校をサボってぶらぶらしてたら、落とし穴に落ちて……」
ウルフも気を失い、気がついたらここにいたという。
「俺と似たパターンだな。こんなところ、早く出ようぜ」
二人は手当たり次第に扉を開けようとしたが、ドアの鍵がかかっているらしくびくともしない。
クロは途方に暮れてしゃがみ込んでしまった。すると足元のレンガに暗号のようなものが掘られているのを見つける。
「なんだこれ?」
ウルフもそばに来て、それを眺めた。クロはハッとした。
「きっと俺たちを誘拐した犯人からのメッセージだ!」
「でもどうやって読むの?文字に見えるような見えないような……」
「ウルフ、分かったぞ!え〜と『ラクを求める者よ!お前たちは挑戦する資格を得た!秘められた扉が開かれる時、一生ラクして暮らせる『楽ダ』を手に入れることができるだろう』だ」
「一生ラクして暮らせるなんて僕大賛成!ねえ、こっちにも何か書いてあるよ」
「なになに……『扉のどれかを開き、出発するがよい!』だってさ」
「てことは、扉の向こうに『楽ダ』があるってわけだね」
「でもこの扉、全部鍵がかかってたけどな……」
そう言いながらクロが一つの扉の取っ手を引くと、さっきまでびくともしなかった扉が簡単に開いたではないか。
「わっ、開いちゃったよ〜!」
ウルフは嬉しさと恐怖の交じった顔で、手足をバタバタさせている。クロは彼の肩をポンと叩いて言う。
「このままじゃ元の場所にすぐ帰れそうにないし、とにかく行ってみない?『楽ダ』を手に入れようぜ!」
コメント
1件
おー、読み終わったわ!これはいい始まり方だね。 死神学校のサボり魔クロが、「ラクしたい」って願ったら雷に打たれて異空間に飛ばされるって、既に主人公の性格がバッチリ出てて好感持てるわ。 狼男のウルフも適度にヘタレで、二人の掛け合いが軽快で読みやすい。 「楽ダ」ってネーミングも笑った。とりあえず最初の一歩を踏み出すとこで終わったから、次がめっちゃ気になる!続き待ってる🔥