お前のその革ジャンにそのシャツはねーよ。
反応が渋いと言える眉間の寄せたマロンブラウンの青年は銀髪の赤眼の青年に低い声で1フレーズもらし、腕をぐいっと引っ張る。
『俺がお前を俺好みに見立ててやるよ』
〔俺好み〕と強調するその言葉にドキッと思わず目を丸くしながら目が泳ぐ。
『どうしたんだよジリー?』
フッと目を細めて笑いかけ顎に指が滑る。
「ずりぃよお兄さま、お兄さまに好かれる格好なんて言われたら期待せざるねえじゃねーか。」
「当たり前だろこの野郎、俺の恋人がダサくてたまるかよ、俺が見立てて俺が脱がせたくなる顔させるんだよ」
「なっっ」
フフンとしてやったぜと言いたげに自信満々になるロヴィーノ・ヴァルガス。
「普段からそれだけ超かっこいいと俺様もたねぇですはい。」
「なんだよその敬語」
「いや、だって普段は俺様にしどろもどろなのになぁって」
「うっせぇよ、強過ぎるのがわりーんだよ」
ピンっとデコピンかましながら掴んでた腕を離すと手と手を重ね絡めて握る。
重なり合う指と指からの熱がまるで一気に発火したみたいに全身もまた熱くなる。
「お前の余裕の反応が急にしおらしくなる瞬間も唐突過ぎて分かんねぇな」
「うるせぇよお兄さま」
照れ隠しみたいに視線をふいっと逸らすと頬に唇が触れる。
溶けるくらい顔が熱くなるとニヤニヤ笑いながら『ショッピングデートすんぞほら』と絡められた手を引かれるのであった。







