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ある日、夢を見た。
もし、君の声が聞けるなら……。
翔¦……
ネットの書き込みをじっと見つめる。
〝歌下手〟
〝同じ日本人として恥ずかしい〟
〝カラオケの達人〟
〝ブサイク笑〟
〝売れない理由がわかる〟
〝ウザイ〟
〝アイドル向いてない笑〟
〝調子乗んな〟
〝マジSnowManいらねぇだろ笑笑〟
翔¦……くそ、
何も知らない奴ほど、偉そうに口を叩く。
亮¦お疲れ~
翔¦あ、お疲れ。俺 先に帰るわ。涼太どこにいるか知らない?
隠すのは、
〝みんなに傷ついてほしくない〟から。
綺麗事かもしれないけど、
〝大切な存在〟だから。
なんといっても…涼太を守りたい。
涼太といれば、常に楽しい。
もしかしたら、俺の生きる意味なのかもな。
亮¦まだ舘様と帰ってたの?ジャスティスだけど、いい加減 一人で帰る練習でもしたら?笑
翔¦はいはい
阿部ちゃんからは飽きられている。
それもそうだ。
俺はデビュー前から涼太と帰っていた。
家が近いということもあったし、何より…一緒にいて落ち着くからだ。
でも、涼太からも飽きられてたらどうしよう。
なんて、考えるようになった。
同時刻のスタジオにて。
蓮¦舘さん!
涼¦どうした?
蓮¦今日、俺と一緒に帰らない?
涼¦いいけど、翔太が……
蓮¦しょっぴーはいい加減、一人で帰るべきだと思う笑
涼¦ん~そうかもね笑。いいよ、帰ろう!
外にて。
蓮¦タクシーつかまえるね
涼¦ありがとう
一台のタクシーが停まる。
蓮¦先にどうぞ
涼¦さすが目黒。できる男だね笑
蓮¦舘さんにそう言われると すごく嬉しい笑
それと同時刻。
翔¦なんで涼太 先に帰ったの!!
亮¦知らないよ笑
翔¦む~、、
やっぱり、涼太にとって…俺って〝邪魔〟なのかな……。
亮¦あまり舘様に負担かけないようにね?
翔¦わかってる
それくらい、俺が一番わかってんだよ。
わかってる、のに……。
亮¦タクシー乗る?
翔¦乗る
亮¦タクシーつかまれ!
阿部ちゃんが、タクシーをつかまえようと手を挙げようとしたその時、向かい側の道路にめめと涼太の姿が見えた。
二人で楽しそうに話しながら、タクシーへ乗っていった。
俺は、〝追いかけなきゃ〟と思った。
翔¦ごめん、阿部ちゃん。俺 走って帰るわ!それじゃっ、!
亮¦えぇ!?しょ、翔太…ちょっと……。行っちゃった
俺は涼太たちが乗ったタクシーを見失わないように、必死になって走った。
でも、必死になりすぎた。
交差点を渡っていた時、信号を無視した車が俺の方へ突っ込んできた。
涼太──────。
───あ、俺生きてた。
重い瞼を開け、そっと息をした。
亮¦もう、翔太!心配したんだよ…
一瞬、涼太の声かと思った。
翔¦ごめん、
亮¦翔太は悪くないよ。信号無視した運転手さんの責任なんだから……
翔¦いや、俺…なんかバカみたいだわ。涼太のこと、追いかけるのに必死で……。周りを見てなかった
そう呟いて、俺は目を閉じた。
翔¦少し、寝させて
亮¦わかった。舘様やみんなにも連絡しておくね
翔¦涼太が来たら起こして
亮¦任せて(ジャスティス☆)
次第に意識が遠のいていく。
音も小さくなって……
ポツリ。
俺はまた目を覚ました。
さっきよりもやけに静かだった。
あまりにも静かすぎて、ちょっと不気味だわ。
ひょこっと俺の顔を覗き込んだのは、涼太だった。
物音一つもしなかったから、すごくビックリした。
〝探してた〟の一言を言いたかったのに……
翔¦ぁ……へぇあ……
俺は自分の言葉を理解できなかった。
涼¦┈┈┈┈┈?
何かを伝えようとする涼太の声も、聞こえない。
そっか、鼓膜が破れたのか。
その後、検査で突発性難聴と診断された。
お医者さんが俺に、
〝今までよく頑張ったね〟
と書いた紙をくれた。
頑張りすぎた結果がこれかよ。
もう一生、涼太の声が聞こえないかもしれない。
そう思うと、先の見えない未来よりも、遥かにずっっと恐ろしく思えた。
見てないフリ、気づかないフリをしていたのは、〝翔太を守りたかった〟から。
涼¦……っ、
〝歌下手〟
〝同じ日本人として恥ずかしい〟
〝カラオケの達人〟
〝ブサイク笑〟
〝売れない理由がわかる〟
〝ウザイ〟
〝アイドル向いてない笑〟
〝調子乗んな〟
〝マジSnowManいらねぇだろ笑笑〟
何も知らないくせに……。
これは言い訳にしかすぎないのだろうか。
悔しくてたまらなかった。
蓮¦舘さん、
涼¦何?
蓮¦俺…舘さんのこと好きです
帰りのタクシーの中。
隣に座っている目黒に、いきなり告白された。
目の前に運転手さんがいるというのに。
涼¦ごめんね。俺は目黒のこと、メンバーとしてしか見れないし、他に好きな人がいるから……
蓮¦そう、だよね……。じゃあ、舘さんの好きな人って…、?
涼¦そ、れは、、
その途端、俺のスマホが鳴った。
涼¦阿部から電話だ。すみません、運転手さん。ここで電話に出てもいいですか?
運¦構わないよ
涼¦ありがとうございます。はい、もしもし?
亮<大変、今すぐ中央病院に来て!翔太が───!!
〝翔太が〟……。
その三文字で、不安が込み上げてくる。
涼¦運転手さん、度々すみません。行き先変更で、中央病院に向かってもらえませんか?
運¦はいよ
蓮¦え、どうして病院に、?
涼¦翔太が……
泣きそうな目で、目黒に訴えかけた。
涼¦どうしようっ、翔太に何かあったら…
もしものことがあったら……
そう思うと、震えが止まらない。
蓮¦落ち着いて、舘さん!
俺は冷静を失い、パニックに陥ってしまった。
病院にて。
急いで翔太の病室まで行った。
涼¦阿部っ、!翔太は!?
亮¦寝ちゃった、
涼¦よかったぁ……っ、
安心しきって、膝から崩れるように、椅子に座った。
亮¦あれ、めめも来たの?
蓮¦舘さんと帰ってて……
亮¦へ、へぇ、、(翔太お怒りの原因だ)
涼¦翔太……
俺よりも小さな手をそっと握る。
まだ子どものように大切に思っているなんて、恥ずかしくて言えないな。
翔太が目を覚ましたら、
俺の気持ちを伝えよう。
でも、それは叶わなかった。
〝突発性難聴〟……。
翔太の声を聞くことは、もう二度とできないかもしれない。
そう思うと、もっと早く伝えていれば良かったと、悔いてしまった。
SnowManの声である翔太の、突然の発症により、ファンの人たちを多く悲しませてしまった。
来年には、ドームツアーが控えていた。
このままだと、9人でステージに立てるのかも、わからない。
また、翔太の声が聞きたいな。
〝歌下手だからよかったじゃん笑〟
〝当然の結果だろ笑〟
〝歌声聞かなくて済むし、ラッキー!〟
〝笑える〟
〝マイク二度と持つな!〟
〝難聴になって、むしろ正解〟
〝これを機に、アイドル辞めなよ〟
〝調子乗ったからじゃん笑〟
〝マジSnowManに渡辺いない方がいいじゃん笑〟
本人は苦しんでいるのに、未だに誹謗中傷が絶えない。
どうして、ここまで言われるようになったのか。
アイドルって、顔や歌だけしか求められていないのか。
なら、もう辞めた方がいいのか。
ライブの打ち合わせ終わり。
病院に寄っていった。
翔太の病室前に立つ。
扉を開けようとした時、
翔<…あえ〜っう…うぅ〜……♪
翔太の歌声が聞こえてきた。
耳が聞こえていないはずなのに、安定していて芯のある声が響いていた。
俺はその場にしゃがみこみ、泣き声を我慢しながらも、翔太の歌声を聞いた。
涼¦また…歌ってよ……っ、
それから数年の月日が経った。
翔太は無期限の活動休止を発表して、かれこれ会っていない。
そして、俺はというと……
レトロな喫茶店に、目黒と来ていた。
蓮¦舘さん、俺はやっぱり諦めきれない。一度だけでいいので、付き合ってください!
涼¦よく懲りないね。49回目だよ
蓮¦本当に好きなんです。絶対に悲しませないし、何があっても幸せにするから……。俺を信じてついて来てほしい
涼¦50回目。そうだな、……いいよ
自分でも驚くほどに、嫌な気はしなかった。
そっか。俺はもう…翔太のことを好きじゃないんだ。
蓮¦ありがとうっ、!
目黒の家にて。
蓮¦チュッ…はぁっ、…挿れてもいい?
涼¦うん……ッ、
暗い寝室で、俺は目黒に抱かれた。
汗や吐息が絡みついて離そうとしてくれなかった。
俺はなぜか、涙が止まらなかった。
翔太───。
もう何年経っただろうか。
渡辺翔太という存在は、完全に忘れ去られていた。
俺たちはいつしか、〝8人でSnowMan〟と言われるようになった。
そんな状況で口を切り出したのは、康二だった。
康¦なぁ、しょっぴーに会いに行かへん?
みんなは迷うことなく、行くと言った。
辰¦でも、どこにいるんだろう?
大¦確かに、、
ラ¦会いたい…
亮¦……みんなで手分けして探してみない?
照¦そうだね。じゃあ、俺とふっかとラウールはこっち側 探すわ
亮¦俺と佐久間は向こう行くね!
蓮¦俺と舘さんはあっち側だね
涼¦みんな、気をつけてね
全¦うん!
みんなと別れ、脇道に入っていく。
翔太とよく通っていた道だ。
懐かしいなぁ。
会いたいという気持ちが、強くなってくる。
蓮¦ねぇ、涼太
涼¦な、何?
蓮¦探すの、やめない?
涼¦え?
蓮¦そうだ、久々にシよ?溜まってたんだよね…
涼¦え、ちょっ、んむッ、///
目黒のペースに飲まれていく。
舌が激しく絡み合って、腰が抜ける。
目黒のアソコが押し付けられて、変な感じがする。
涼¦ちょっ、めぐ……
俺が話そうと試みるも、すぐ口を塞ぐように舌を入れられる。
なんだか、必死のようだった。
蓮¦解かさなくていいね?
涼¦やだっ、ま……!
俺の言葉を無視して、絶頂に達した。
頭が真っ白になる。
目黒って、こんなに〝鬱陶しかったっけ〟?
蓮¦ごめんっ、
涼¦へ……ッ、??
目黒は、泣きながら去っていった。
決して振り返ることなく、別れを告げるかのように……。
俺はその場に座り込んだ。
無理やり抱かれたせいか、腰が痛い。
胸がチクチクする。
好きじゃなくても、こんな想いするんだ……。
そう思っていたら、足音が近づいてきた。
?¦〜〜〜♪
懐かしい声がした。
振り向くと、そこには翔太が立っていた。
翔¦何 泣いてんの笑
涼¦……迎えに来てくれたのッ、?
そういえば、俺が泣いてる時に いつも翔太が隣にいた。
俺の隣には、翔太しかいないんだ。
翔¦迎えに来たの、そっちでしょ…笑?
涼¦…翔太ッ、好き……っ、!!
勢いよく、抱きしめた。
たった数年、されど数年。
会わない間に、翔太はこんなにも成長していた。
両耳には補聴器を付けているけど、しっかりと言葉を発していた。
ついでに、身長も5センチほど伸びたという。
涼¦……大好きだよっ、愛してる。小さい頃からずっと…そして今も、これからも……
翔¦俺も
深く口付けを交わし、翔太の家へ向かった。
翔太の家にて。
翔太の舌は、目黒の時よりもかなりしつこかったけど、〝鬱陶しくはなかった〟。
やらしい音が響く。
その日は一晩中、腰を振って互いの熱を味わった。
行為が終わって、二人で横になった。
翔¦ねぇ、聞いてよ。俺あの日、涼太のことを追いかけて───
それから、翔太が難聴になった日から今日までのことを朝まで話してくれた。
もう…見ないフリも、気づかないフリもしたくない。
この気持ちを隠さずに、愛し合っていきたい。
───でも、全部 夢だった。
涼太のことも、難聴が治った…なんてことも。
結局、涼太は今夜もめめの隣で寝てるのかな。
もし、君の声が聞けるなら……
俺のことを〝愛してる〟のか知りたい。
でも、知ってしまったら、
俺が苦しくなるだけだろうから…
最後に一つだけ。
ただ幸せになってほしい。
あ~、俺だっせぇ笑。
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