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『さて、行こうか。』島田さんが歩き出す。

『琥珀、茜、行こ…』

僕は、後ろを向いた。

そこに、琥珀さんがいた。

でも、

『え、』

茜さんの姿がなかった。

『茜?どこだ?琥珀、茜を知らない?』

見回す。

でも見当たらない。

『琥珀も、わからないよ…』

『ぁ………』

スマホが、落ちていた。

間違いなく、茜さんのだ。

でも、

少し目を離していた隙に、姿を消してしまった。

『どうかしたか?』

島田さんがくる。

『茜はどこだ?』

如月さんが訊いてきた。

『それが、わからないんです…』

柴田さんと話す前まではいたはず。

なのに、今は…

『とにかく、探しに行こう。』

そうするしかない。

手分けして探しに行く。

『僕は、あっちを見てきます。』

僕は走った。

茜さんの姿なら、遠くでもわかるはず。

でも、見つからない。

『茜、を探しているのかな?』

声をかけられた。

そちらを向く。

と、

『レイン、』

そこに、レインがいた。

『僕は、君のことをずっと見ていた。茜が誰に、どこに連れて行かれたのかはわかるよ。』

『何かしたのか?レイン。』

レインは、怪しい笑みを浮かべる。

『僕を疑っているのかい?今回のは、僕とは関係ないね。ただ、あの人やその団体が何なのかは知ってるよ。』

嘘、ではなさそうだ。

『知りたいなら教える。でもタダでは教えられないな。条件を出そう。』

条件…

『そうだなぁ、まずは、剣士を辞めてもらおう。』

『それはできない。』

『なら教えられない。』

レインを、信じることはできない。

『必要ない。』

誰かに連れてかれたことがわかった。

でも、それだけでは場所まではわからない。

『・・・』

『そうか、残念だ。君なら、あの子のために辞めるものだと思っていたのになぁ…』

本当に、絶対そうだと言うのなら辞めてでも聞いただろう。

でも、余計に犠牲が増える気がする。

殺し屋なんてしているんだもの、

やっぱり、信じられない。

『なら、自力で頑張るしかないね。』

言われなくてもわかっている。

僕は走った。

『柴田さん!』

僕は、柴田さんのところまで走った。

『何かあったかの?』

柴田さんが振り返る。

『その、紫色の髪をした子を知りませんか?』

『うーむ、知らんのぅ。あ、そういえば昔、紫色の髪にしたことがあったなぁ。』

『すみません、ありがとうございました。』

走る。

けど、あてはない。

『・・・』

前から、わかっていたんだろう。

なのに、なんで…

『なんで、教えてくれなかったんだよ‼︎』

走って、

走り回って、

でも、見つけられなくて、

頭を抱えて、崩れ落ちるようにしゃがんだ。

『甘ちゃん…』

琥珀さんも、悲しそうだった。

鬼塚さんに電話をしよう。

スマホを取り出して、電話をかける。

『銅か、どうした。』

鬼塚さんが、電話に出る。

『茜さんが、誰かに連れてかれたみたいで、いなくなってしまったんです…』

『スマホは、持ってないのか?』

スマホは…

僕の、手元にある。

電源を入れると、

『・・・』

茜さんと琥珀さんと僕が映った写真が、壁紙として出てきた。

『落ちてありました。今は僕が持っています…』

『なら、時間がかかるが、防犯カメラを見ていくなどするしかないな。』

『・・・』

それまで、無事でいてくれるだろうか。

『お願いします…』

電話が切れる。

とにかく、戻ろう。

僕は、来た道を戻る。

防犯カメラ…

こっちでも、見ていくか。

防犯カメラがないか確認する。

あった。

小さな薬局の出入り口に、防犯カメラがあった。

『申し訳ございませんが、そこの防犯カメラの映像を見せてもらえませんか?

訊いてみる。

『あぁ、構わんぞ。』

パソコンで、映像を見る。

映ってはなさそうだ。

他のところも見てみよう。

しかし、

『人狼は出て行け!』

追い払われることも多くあった。

結局、近くの防犯カメラに手掛かりになりそうなものは映っていなかった。

『銅さん、ここにいたのですね。』

振り返ると、

岡野さんがいた。

『あぁ…』

『大丈夫…ですか?』

岡野さんは、心配してくれた。

『あちらは、どうでしたか?』

『…見つかってないそうです。』

遠くまで逃げられたのだろう。

もう、ここら辺を見て探しても無駄だろう。

『もう、仕事は終わりの時間なので、先に戻っててください。』

『銅さんは…』

僕は、首を横に振った。

『もう少し、探してみます。』

僕は、他の場所を探す。

でも、手掛かり1つ見つからない。

嘘をつかない人狼 (狼は寂し くならないように、夜空を見上げる)第3章

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