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続き楽しみ!ᵔᢦᵔ
部屋の中は静かだった。
こさめはベッドの端に座り、うつむいて、無意識に首輪の金具を指でなぞっていた。
重くもないはずなのに、妙に存在感がある。
ふと、扉の向こうから足音が近づいてくる。
🎼🍍「待たせた」
なつが入ってきた。
黒いシャツの第一ボタンを外し、手には細い革の紐を持っている。
それが何か、見ただけでこさめにはわかってしまった。
🎼☔️「……リード、なの……?」
🎼🍍「ああ。番には首輪だけじゃ足りないだろ。
ちゃんと、俺に繋がれてるって自覚しないと」
ゆっくりと、こさめの前にしゃがみこんだなつは、慎重に首輪の金具にそのリードを繋げた。
カチリという音がした瞬間、こさめは肩をびくりと揺らす。
🎼🍍「……いやなら、外すけど」
🎼☔️「……いやじゃない……」
口に出した自分の声に、自分自身が驚いた。
でも、嘘じゃなかった。
だって――
🎼☔️(こさめ、もう……この人から逃げられないって、知ってるから)
なつは無言でリードを引いた。
こさめの身体が自然と前に倒れ、ベッドの上に横たわる形になる。
手は優しいのに、引き方は容赦がない。
🎼🍍「声、出すなよ。壁薄いから」
🎼☔️「……っ」
なつの手が首に添えられ、ぐっと上を向かされる。
視界のすべてがなつで埋まる。
🎼🍍「目をそらすな。
番がαを見るときは、ちゃんと服従の目で見るもんだよ。
――教えてやるよ。どうやって“飼われるか”ってやつを」
こさめの喉が、きゅっと鳴った。
⸻
手が、首筋に触れる。
昨日噛まれた痕を、なぞるように。
🎼🍍「ちゃんと残ってる。お前、もう完全に“俺の匂い”だな」
🎼☔️「……なつくんの、におい……こさめ、わかる……」
🎼🍍「そう。お前の身体も脳も、もう俺しか受け付けない。
ちゃんと“俺仕様”に作ってやったからな」
🎼☔️「……あんまり、言わないで……」
🎼🍍「なんで? 嬉しいくせに」
くすくすと笑いながら、なつはこさめの耳元に息を吹きかけた。
鼓膜をくすぐる声。
熱がじわりと背中を這っていく。
🎼🍍「もっと気持ちよくなる方法、たくさんあるよ。
教えてやるから、覚えろ。な?」
🎼☔️「……うん……」
こさめは目を閉じた。
リードが引かれるたびに、身体が跳ねる。
αの匂いに包まれて、身体がじんわりと熱を帯びていく。
快楽ではなく、もっと深くて抜けられないなにか。
それが自分の中に染みついていくのを、はっきり感じていた。
⸻
しばらくして。
ベッドの端、こさめはなつの膝のあいだに座っていた。
リードを手に持たれたまま、
ゆっくり、喉を撫でられている。
🎼🍍「こさめ、お利口だったな。今日はちゃんと従ってた」
🎼☔️「……うん。がんばった……」
🎼🍍「かわいいな。
これからも、ちゃんとこうして、俺の言うこと聞ける?」
🎼☔️「……きける。こさめ、なつくんの番だから……」
🎼🍍「うん。よくできました」
ぽん、と頭を撫でられた。
なつの手はいつも冷たくて、でも、どこか安心する。
🎼☔️(なつくんに褒められるの、すき……
きもちいいことより、ずっと、気持ちよくなっちゃう……)
自分が“快楽”よりも“支配”に満たされていくことに、
こさめはもう気づいていた。