第21話 王都の実情
理世が犯人らしき影を追った際に見たこと、感じたことが――ジェイドの中で何かのヒントになったのかもしれない。
「……」
だが険しい顔つきのジェイドを見て、理世は咄嗟にそのことを尋ねることができなかった。
(いやでも、「小さなことでも、何かヒントになってるかもしれない」って言ったのは、ジェイドだし)
直前に言われたことを思い出し、理世は口を開いた。
「何か、心当たりがあるの?」
「……いや」
重い口を開いたジェイドから出たのは、否定の言葉だった。
「今、何か考えてたよね」
「……確信が持てるほどのことじゃないから」
「……」
「今は王都の他のところも見ておいた方がいい。もし例の事件絡みなら、他のところから犯人を追えるかもしれない」
「……わかった」
(「小さなことでも何かヒントになるかも」って言ってたのに)
不満を飲み込み、理世は頷いた。****************************
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