皐月side
とても長く眠ってた感覚だ。
身体のあちこちが痛む…。
目を開けても真っ暗で……、あぁ、そっか、手術したんだし包帯巻いてるから何も見えねぇ…。
手当り次第で何かを掴もうとしたら
「!!起きたのか!?」
この声は……。
皐月『…、は、遥…か?』
桜「……!やっと、目覚めたんだな……。」
皐月『まだ見えねぇけど…、ただいま!』
「感動の再会の時に悪いが、皐月…、俺も待ってたんだ。」
この声……何で居るんだ…。
桜「……ご、ごめん、昨日の帰り道に……捕まって……、その、色々話しちまった。」
声的にしょんぼりしてる遥…、今絶対可愛い顔してるのに…!見えない俺クズだろ!?
(最早親バカ過ぎてるよ皐月君)
皐月『遥が謝ることじゃない、俺の我儘なんだから…、梅宮も遥の事悪く思わないでくれ、俺が悪いんだから。』
梅宮「何で…黙ってたんだ?」
皐月『そりゃ心配掛けたくなかったし、風鈴と仲良くなったわけだ、弱くなった俺は弱点にもなり得る、目が見えなくなったと知れば相手さんは俺をやりに来るだろ、だから言わなかった…、静かに身を隠してまた戻ろうと思ったんだ…。』
沈黙が訪れた後
梅宮「……、はぁ。」
梅宮の溜息に俺は布団を握り締めて…。
皐月『……今回の件は俺が悪いんだ、だから風鈴は関係無い、ちゃんと町の外で喧嘩したし、俺が……これから風鈴と関わらなきゃ良いだけだ。』
桜「それは違うd皐月『違くなんかない!』ッ!」
皐月『俺は、これ以上お前らに迷惑かけたくない、こんな弱くなった俺を風鈴を嫌ってるヤツらが目につけるに決まってる、だから俺は風鈴と関わっちゃいけねぇんだよ……、分かってくれよ。』
俺が言い終えると同時にガッと胸ぐらを掴まれた。
梅宮「…それ、本気で言ってんのか?」
皐月『本気だったらなんだ、俺はこれ以上迷惑かけたくない。』
梅宮「何度言えばわかる?俺たちは皐月を迷惑だと思ったことない、寧ろ感謝してるんだ。この町を、人を愛してくれてる、なのに何でそんなこと言うんだ、俺らは皐月を家族と思ってるのに。」
梅宮は俺の事を沢山心配してくれていた、だから知られたくなかった。
きっと梅宮は傷付くし、俺に会いに来るために時間を、見回りもきっと止めて来るだろうから……。
皐月『…、何でここまですんだよ…、俺は風鈴じゃないのに……。』
梅宮「俺たちの町で助けて貰って、俺たちの町のために戦ってくれてる、理由なんているか?」
桜「…そーだよ、お前はココで必要とされてるんだ、胸張れよ。」
2人の声が心に沁みる、2人の手を何とか掴んで…。
梅宮「さ、皐月?どうした?」
桜「皐月?」
皐月『2人共、ありがとう、お前らに逢えて嬉しいッ!』
俺がそう話すと梅宮は笑い出して遥は恥ずかしそうに「お、お礼なんて…」と呟いてる。
皐月『早くお前らの顔見てーな!』
梅宮「これから毎日会いに来るからな!」
桜「ばっ!俺が毎日来るんだよ!!」
梅宮「なら2人でこりゃいいじゃん?」
桜「あー!そう言うんじゃ!」
コントみたーい!面白いなぁ!