皐月side
アレから1週間が経って、その間も遥や梅宮が毎日のように来て今日はこんな事があった、あんな事があった、野菜がこんなに育った…とか嬉しそうに報告してくれた…。
俺はその話を聞くのが大好きで、今日はどんな話を聞かせてくれるんだろうとウキウキしていた毎日だった。
遥「また楡井の奴無茶してさ…、本当落ち着かねぇわ。」
皐月『それ位遥が楡くんのこと心配してるって証拠でしょ!良い事じゃん!』
桜「だ!誰が心配なんかッ///」
梅宮「なぁなぁ!俺の話も聞いてくれよ〜!」
桜「今皐月は俺と話してんだろ!!」
The猫と犬だなぁ、微笑ましくなる!
神崎「皐月くん、失礼するよ。」
皐月『あ、先生!ちわ!』
神崎「お2人も来てくれてたんですね、ありがとうございます。」
先生は2人に対してぺこりとお辞儀をした。
皐月『それで先生、どうしたんだ?熱とか血圧測ったけど……なんか悪かったのか?』
俺のこの言葉に2人はピリッとした雰囲気になった。
神崎「あー、違う、そろそろ包帯を剥がしてもいい頃だと思ってね、だから剥がしに来たんだ。」
皐月『そっか!なら先生お願いします!』
先生の手が頬に触れて優しく剥がしていく……。
神崎「ゆっくりと目を開けてごらん。」
俺は静かに目をゆっくり開けては閉じてを繰り返して目の前にいるであろう先生の顔を見る。
神崎「…、どうだ?私の顔…見えるか?」
そこには先生の顔が……、見えた。
皐月『……ッ、うん。見える、見えるよ、先生の顔!』
桜「ほ!本当か!?」
梅宮「俺の顔も見えるか!?」
2人はズイっと俺と先生の間に入って来て……。
皐月『うん、見えるよ……、お前らのカッコイイ顔が…。』
見えた瞬間涙が止まらなくて…。
2人は俺をぎゅっと抱きしめては、良かった、先生ありがとうなど言って俺はただ静かに泣いて2人を抱きしめた。
先生は少し距離をとって嬉しそうに眺めていた。
神崎「皐月君、手術で目が見えるようになったけど、まだ神経は戻ってないからな?神経はドナーが見付からないと手術が出来ないし、また同じ様に喧嘩して脳にダメージがいったら次は視力が本当に無くなるかもしれない、だから…分かるな?」
皐月『わ、わかってるって!大丈夫だから!』
梅宮「そうですよ!俺らが着いてるんで!無理しようとしても絶対させませんから。」
先生はフッと笑って
神崎「こんだけ立派な2人が着いてるなら安心ですね。」
皐月『……俺も梅宮と同い年なんですけど!?』
神崎「でも梅宮君のが頭が切れてますよ?どっかの誰かさんと違って…。」
ぐ、ぐぅのねも出ねぇ〜!!
梅宮「約束、したからな。俺ら、皐月絶対無理はするな、巻き込まれそうならすぐ俺らを呼べ、絶対だ、分かってるよな?」
2人の圧が凄い……。
皐月『ハイ、ワカリマシタ……。』
神崎「暫くは誰かと過した方が良いでしょう、お2人のどちらかで皐月くんを見てくれませんか?」
梅宮、桜「なら俺が……。」
急にバチるな!!
皐月『はぁ、取り敢えず半々にしたらいいじゃねえか、最後は俺の家で2人泊まればいいし…。』
神崎side
3人が帰った後椅子に座り直して一息着いた。
皐月の事を昔から知ってる俺は皐月が事故にあった時は親父が手術を担当した、俺はたまに病室に居る皐月の相手をして…、気付いたら弟みたいな存在になっていた。
あんな素直で優しい子なのに…どうして皐月ばかりが痛い思いをしなきゃならないんだ…。
神様…、お願いだから、これ以上あの子から奪わないで欲しい。
あの子は生きて行かなきゃいけないんだ……。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!