🖤side
💚「もう、信じられない!」
阿部ちゃんが家に来た途端、怒っている。
岩本くんの煮え切らない態度に腹を立てているのだ。
巻き込まれた阿部ちゃんが可哀想だし、さらに八つ当たりされている今の俺も可哀想。
🖤「まあまあ」
💚「めめは悔しくないの!?翔太、可哀想」
🖤「でもしょっぴーはまだ何も聞いてないんでしょ。さっさと断って、後は黙っていればいいんじゃないの?」
阿部ちゃんは信じられない、というような顔をした。まずい。これじゃ飛び火でこっちが喧嘩になってしまう。
💚「めめは、同じことがあったら俺に黙ってるんだ?」
🖤「岩本くんの気持ちもわかるしさ」
💚「全然わかんない!」
阿部ちゃんは恋愛に対しては至極潔癖なようだ。スレてない阿部ちゃんは可愛いけど、このままじゃ本当につまらないことになってしまう。俺は阿部ちゃんを落ち着かせることに全力を尽くした。
💛side
直接伝えないのは気が引けたが、俺は佐久間に電話をかけた。
💛「佐久間、この間のことだけど」
佐久間は電話口で泣いていた。
今から自分に会いに来いとも言った。納得いっていない様子なのも重々承知で、俺はひたすら謝り続けた。
重い気分で家に帰り着くと、翔太の車を見つけて、急いで家に入る。
翔太は笑ってテレビを見ていた。
💙「おかえりー」
💛「ただいま」
俺の様子から何かに気付いたのか、見ていたテレビを消した。
俺は全てを白状した。
翔太は何も言わずに寝室に消えた。
慌てて俺も追いかける。
💛「翔太?」
布団を被った翔太のそばに腰を下ろす。身体を撫でながら何度も謝った。よく分からないが、翔太を撫でているうちに泣けてきた。
💛「ごめん。ごめんな」
どれくらいそうしていただろうか。
翔太が、布団から出て来て、思いっきり、抱きついて来た。
息ができなくなるほど、強く。
💙「だから、言ったろ」
涙でぐちゃぐちゃの翔太の顔を見て、ますます泣けた。
💙「お前、モテんだよ」
💛「翔太、ごめん」
💙「佐久間の方がよかった?」
💛「ううん、翔太がいい」
💙「本当に?」
💛「うん、本当だ」
翔太はじっと俺を見つめた。
試されているような眼差しに、胸が痛むが、目を逸らさない。ややあって、翔太が呟いた。
💙「信じる……今回だけ…」
💛「ごめん、黙ってて」
💙「今度、こんなことあったら、別れる」
💛「絶対ない」
翔太が泣きながら、もう一度抱きついて来た。服を脱がそうとしたら、手を叩かれた。
💙「エッチでごまかすな」
💛「違うよ。可愛い翔太が欲しくなっただけ」
お前、最低だと言いながらも、翔太は身体を開いてくれた。
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