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GIFT(青春篇)【完結済】

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GIFT(青春篇)【完結済】

51 - 第4章 友の想い

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2022年02月27日

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松下は後ろに振り返ると、肩を震わせながら目じりを押さえていた。

「先生…」

「すまない…仲村は本当にいい娘だった。誰にでも笑顔で接し、誰にでも優しかった。それに…こんな口が悪く、怒ると直ぐに手が出るような男勝りな私に、アイツは何の迷いも抵抗もなく飛び込んできた。挙げ句の果てに“先生大好き”とまで言いやがった。そんなアイツを誰よりも可愛くない訳がないだろう…うぅぅぅ…‥」

松下は、ポケットから取り出したハンカチを目にあてて、少しの間泣き続けていた。

「通夜と葬儀は、お前が入院している間に執り行われて、仲村は荼毘に付された」

松下は僕の方に向き直り、時々涙を拭いながら話をしていた。

「僕が悪いんです。僕のせいで…」

「ふざけた事を言ってんじゃねえよ! お前のそんな言葉を聞く為に、仲村は命を投げ出した訳じゃねえんだよ」

「でも…」

「アイツはお前だったから助けたんだ!」

「僕だったから? 僕と仲村さんの関係って何だったんですか?」

「お前は友達としか思ってなかったようだけど、仲村にとってお前は…特別な存在だったんだ」

松下は、さっきまでの荒々しい話し方とは打って変わって、穏やかな口調に変わった。

「特別?」

「そうだ…。これを見れば、どういう事か直ぐにわかる」

すると松下から赤い表紙の日記らしき物を手渡された。

これってもしかして、仲村さんの日記…。

「どうして僕に?」

「お前には、この日記を読む義務がある?」

「僕に、これを読む資格なんてありません…」

「いいから読んでみろ! “特別な存在”の意味がわかるはずだ」

「はい…」

僕は緊張で震える手を必死に抑えながら、日記を開いて読み始めた。

【紺野くん…‥

あなたは気付いていないけど、私はいつもあなたを見ていたの。

中学の時からずっとだよ。

聞いたらビックリするかな?

それに私がS高に入学したのは、紺野くんと一緒の高校に入りたかったから。

S高は、私の学力では無理だと先生に反対されていたけど、紺野くんの傍にいたいから、死ぬほど勉強して合格したんだよ。

えらいでしょ!?

えらいって言って欲しいけど、この事は絶対に内緒。

だって、紺野くんと一緒にいたくて、こんなに頑張ってたって知られたら恥ずかしいもん。

だから、この事は私の胸の中に一生しまっておくの…】

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