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☀️「はれたー!!」
🦐「サラッと流してましたけど、秦中先生、クラスはどうしたんです?」
🧣「凛太郎が見てくれてる 」
☀️「なんか、ごめんね」
🧣「ま、お前がキャンプできる気もしねーし…そもそもソッチ要因だからな、俺は」
妖術を知るということは妖術を使うということなのである。教師にもかなり危険である。そのため、毎年学園長が必ず監督として同行していたが、フィジカル特化教師として飯綱と凛太郎が雇われてからは2人のうちどちらかが同行していた。しかし、凛太郎は一回しか同行していない。なぜか。虫は嫌いだし、キャンプもできない。止められはするが周りもヤバい。そんなわけで毎回飯綱にお鉢が回ってくるのだ。晴明には退魔の力があるが、晴明自ら佐野くんとか尾形くん兄弟は対応できないし何より生徒に向けるのに抵抗が…。一瞬の迷いで病院送りになることもあるのだ。実際、前飯綱が同行した際、飯綱を呼ぶよりも早く止めに入ったがために大怪我をして2週間入院した。その教師は崖から落ちたのだ。その教師は攻撃手段が乏しかったが、止めねば周りまで危険に晒すということで小さな身体を張ってしまったのだ。…教師に。そう、暴れたのは酒に酔った凛太郎で、入院したのは我らが担任ねずみ先生その人(そのねずみ?)であった。迷いだけでなく、判断が遅れれば大惨事になりかねない
☀️「飯綱くんは、よくキャンプするの?」
🧣「家族とな。…お前は?」
☀️「ん〜お母さんとお父さんが、セーラー追いかけてどこまでもいっちゃうからって理由でいってないかな…」
🧣「お前の親御さんが正しい」
セーラーを追って京都まで来た男だ。恐らくセーラーが目の前にあるのなら火星へでも行く。それが安倍晴明という男だ
☀️「えーっと、今日は自分の妖術と向き合おうってことでキャンプになります」
🧣「ちなみに、旅館じゃないのは俺…がぶっ壊したんでなるべく人様に迷惑かけねーようにってキャンプになってる。マジでごめん」
🐾「おいおい、責任取れよクソメガネ!!」
🐈「そうだぞ!!」
🧣「ごめんて…まあ、お詫びじゃねーけど1日目の夕食は俺が作るから…」
👀「…」
🧣「大丈夫。俺、料理できるからそんな顔しないでくれ、入道」
黒板も平仮名ばかりで正直大変見にくい。文字なんて読めたのか。そもそも、なぜ料理ができるのか。そのまま顔に出たらしい。飯綱が若干ダメージを負った顔で言ってきたので慌てて表情を明るく戻した
🐈「大丈夫だぞ、連々。秦中のカレーめっちゃ美味いぞ!」
🐾「家族多いから家事分担してたからできるようになったって!!」
🧤「やけに詳しいな〜」
🐈🐾「俺ら毎年秦中んちにお年玉巻き上げにいってるから」
🧣「一銭もやってないがな」
☀️「えっと、…あ、い…秦中、先生…」
🧣「何やった?」
☀️「やらかした前提?!…まあ、やらかしちゃったんですけど…」
🧣「あ?」
☀️「て、テント置いてきました…」
🧣「よりにもよって…」
🦐「1番大事でしょ…」
☀️「うえーーん!どーしよーーーーー!!!!!」
🧣「学校においてきたのか」
☀️「多分…」
🧣「なら狼狽えんな」
☀️「え?」
🧣「こういう時のためのタクシーだろ」
🧪「よんだ?」
🧣☀️参組「よんでねえ!!」
🎭「おいコラクソガキ…相変わらずタクシー扱いしやがって…」
🧣「タクシーみたいなもんじゃないですか…!しょしゃしんにゅう?っていうじゃねーか!!」
参組「書写…侵入…?」
☀️「なんのことだろう…」
🦐「侵入って…?」
🎭「四捨五入だバカっっっ!!てかな、四捨五入しても俺はタクシーじゃねえぞ!!!」
🧣「ぐえっっっ…」
電話をかけたかと思えば、瞬間、学園長が空間からぬらりと現れ、テントを持ってきてくれた。しかし、晴明達にテントを渡すと、飯綱にチョークスリーパーをかけた。それもそうだろう。晴明達は、確かに飯綱が開口1番に『へいタクシー』と言ったのを聞いていたからだ。怒られないわけがない。そして、やはり学園長の地雷を踏み抜き続ける飯綱を、学園長はおとしにかかった。が、飯綱の意識が飛ぶ寸前で飯綱を解放した
🧣「がはっっっ…はあはあ…」
🎭「へばんのはええな」
🧣「絞め技は…慣れてねーんでね…!」
🎭「お前テントで寝るなよ」
🧣「え」
🎭「寝たら8割減給だからな」
🧣「悪魔が…」
🎭「俺ぁ妖怪だ。鬼じゃねーぞ?」
挑発的に笑うと、学園長は帰っていった
☀️「大丈夫?」
🧣「まあな…ん〜」
🦐「どこで寝泊まりするんです?」
🧣「しゃーね。ツリーハウス作るかぁ」
☀️🦐参組「ツリーハウス?!」
🧣「ああ。ま、俺かまいたちだし。すぐ作れるだろ」
☀️「そういう問題かな?!」
🧣「ほら、安倍先生。授業始めますよ」
☀️「…はーーい!!!」
🧤「しんど…」
👀「俺なんてなんもやる必要ねーだろ…」
👿「っっ…」
🐾「大丈夫?佐野くん」
👿「豆…うん大丈夫だよ」
🐈「なあ、豆」
🐾「ん?」
🐈「味見、しにいこーぜ?」
🐾「あ、忘れてた!!」
👀「玉?」 👿「豆?」
🐈「一緒に行くぞ!」
🐾「ほら、佐野くんも早く!!!!!」
わけも分からず連れて行かれる入道と佐野。を後から追いかける泥田…
🐾「つい…ってあれ?」
👀「歌川さん?これなんの集まりなの?」
☠️「にゅ、入道くん!えっと…みんなで、秦中先生の料理してるとこ見にいこうって話してて来たんだけど…」
👀「…あれ、秦中か?」
☠️「うん… 」
参組の生徒の前には、野菜を手際良く切り、具材を鍋に入れていく飯綱の姿があった。その手際は主婦歴10年の婦人のようだった
☀️「あれ、みんな何してるの?」
👿「晴明…って、お前それなんだ」
☀️「いづ…秦中先生が、小腹空いたんだったらこれ食べてろって」
晴明の手には、ベーコンをスティック状に切り、その上からチーズをかけたものだった。チーズベーコンスティックとここではよんでおこう
☀️「みんなもいる?」
参組「いる!」
👀「けど、待て!そんな簡単に…」
☀️「おーい飯綱くーん!!」
入道の話も聞かず、あまつさえ生徒の前で下の名前で同僚を呼ぶダメな担任に、最早なんの感情も湧かない参組の面々だった
🧣「なん…なんだ、あれ」
☀️「みんなもこれ欲しいって!」
🧣「あぁ…?…ま、あとでウーバーしてもらうかぁ」
そういうと飯綱は、残りの(こっそり飯綱が持ってきたビールのつまみようの)ベーコンをカバンから出すと、鎌で一閃した。しかし、そこには綺麗にスティック状に切られたベーコンがあった
🧣「焼くから待ってろ。すぐできると思うけど」
飯綱の言う通り、ものの数分で完成したそれは、それはそれは美味かった。誰でもできそうだが、焼き加減などがプロの技だ。そうそう身につくものではない
🧣「って…そんながっつかなくても、もうカレーできんぞ…」
そんな飯綱の言葉は星のひかる空に儚く消えた
🐦⬛「さて…って、ビールしかないじゃん。しかも安っぽいの〜…。ま、5、6本もらって…」
🎭「テメェもこりねえなぁ…?」
🐦⬛「おかえり、あっちゃん」
🎭「堂々してんじゃねーよ…」
🐦⬛「いや〜…どこいってたの?」
🎭「、あ?あぁ…あのクソガキ、タクシーの次はウーバーだと…?ふざけやがって…」
今の今まで道満は、飯綱にベーコンを届けにいっていた。しかしどうやら生徒達が美味しくいただいたらしく、経費でおとした。ついでに、飯綱のツリーハウスも見てきたが、そっち本業にしたら今の数倍は稼げそうな完成度だった
🐦⬛「…秦中、飯綱くん?」
🎭「なんで知ってんだよ」
🐦⬛「あっちゃん酔っ払うと僕のこと飯綱って呼ぶんだもん」
🎭「…嘘だろ?」
🐦⬛「『飯綱〜吐きそう…部屋かたし、といてぇ…』っていってたよ?1ヶ月前」
🎭「…」
1番見られたくない相手に醜態を晒した。まさかこんな奴と飯綱の見分けもつかなくなるなんて。かなりの衝撃だったが、それよりも、飯綱を誰と間違えているのかが気がかりだった。恐らく目の前の男だろう。しかし、そんなことを聞かれた覚えがない。飯綱なりに気を使ってくれているのだろう
🐦⬛「それに、僕彼のこと拐ったし」
🎭「…」
🐦⬛「…前話してたイタチくんでしょ?」
🎭「…ああ」
🐦⬛「大丈夫なの?恵比寿と一緒で」
🎭「手ェだしたらぶっ殺すって忠告はしといてやったがな」
🐦⬛「気に入ってんね〜彼のこと」
🎭「…そういう、契約だしな」
🐦⬛「?」
🎭「晴明が使役したのが四神なら…俺が使役すんのは飯綱だって話だ」
🐦⬛「…そりゃ恐ろしい話で」
🎭「あ?」
🐦⬛「だって、君の使い魔くんは青龍に勝ったんでしょ?」
🎭「…そうだったな」
恐ろしい話だ。共闘したとはいえ、神が、妖怪に負けたのだ。しかも妖怪の中でも弱いとされる動物妖怪に。鬼妖怪と互角以上に渡り合うだけでもすごいのだが、まさか神にまで勝つとは。誰が予想しただろうか。そして、飯綱は青龍と戦った時以上の力を秘めていることも。天気は神が操る。そう考えれば、『自然現象』…そういう天候とされているかまいたち。かまいたちとは、突然皮膚が裂けるような切り傷ができる異常気象の一種とされる。その原因と考えられたのが妖怪・かまいたち。では、本当にかまいたちの仕業なら…どうだろう。かまいたちが人を切りつける理由。妖怪は神が罰を下した人間を見分けるためという口伝。妖怪堕ち。堕ちるなら…逆もあるかもしれない。道満が思っている以上のものを背負わせている気がした