コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
気がつくと自分の家の床に転がっていた。窓から差し込む光が眩しい。もう朝のようだ。
頭がガンガンと痛む。けれども昨日の記憶は鮮明に思い出せた。
あの後、元貴は気絶するように眠りこけてしまった。
俺はしばらく呆然としていた。好きって?いつから?元貴とセフレ?色んな疑問が頭の中をぐるぐると駆け巡った。
けれども酔いの回った頭ではろくに考えがまとまらずとりあえず片付けをしてタクシーで帰ってきたのだった。
思い出すとギリギリ頭が痛んだ。とりあえず風呂に入ろう…
シャワーを浴びていると段々と頭が冴えていく。でも脳内はこれからどうしようという不安の感情でいっぱいだった。
元貴のことは嫌いじゃない。むしろ大好きだ。でもそれはあくまで友人として。しかし昨日の元貴の口ぶりからするときっと元貴は違うのだろう。多分…恋愛的に…。
でも自分は男とそういうことをするシュミはないしストレートだ。
元貴はゲイ?かバイ?なのだろうか。
元貴が女の子と付き合っている話など聞いたことがない。元貴は普段からそういう話はあまりしない。
ということは元貴は今まで男とそういう行為も重ねてきたということ…?
戸惑いのあまり色んな考えがドバドバと流れ込んでくる。
俺はシャワーを止めてとりあえず思考をやめた。今日も大学の授業がある。
俺は回りくどいことは好きじゃない。
元貴もいるかもしれないから手っ取り早く直接話をしよう。
━━━━━━━━━━━━━━━
大学につくと元貴を探しながら教室に急ぐ。
今日の講義はあいつはとっていないはず。でも他の教室にいるかもしれないし、よく大学の隅で課題をちまちま消化しているから、よく観察しないと…。
……結局夕方になってしまった。今日はバイトがあるからこれ以上長居はできない。
連絡してみてはいるが、まだ返事がない。
元貴も忙しいだろうし事情があるのかもしれないと思いスマホの電源を落とした。
そしてあれから3日ほど経った。
元貴とは以前連絡が取れないままだ。
そろそろ痺れが切れてきた。四六時中何をしていても元貴のことが頭に浮かぶし、段々と思考が違う方向にシフトチェンジしようとしてきていて困っている。
元貴は…してるときどんななのかな…。
もう、……あいつがセフレになろうとか言うから…。つい、男同士のアレコレが気になってこっそり調べてしまった。
大体の仕組みは理解した。…けど。あんな、元々挿れるためにある訳じゃない穴に入るのか疑問だし、……元貴は、そういうの行為をしたことがあるのかも気になる。
してたとしたらどっちなんだろう。元貴が男にガツガツ攻めてるのが想像できない。
というかしたくない…。なぜか胸がザワザワした。
その時、
ピコン
ポッケから電子音が響いた。取り出して通知を確認するとバンド仲間で元貴との共通の友人の涼ちゃんからだった。
『若井、今大丈夫?』
『元貴が風邪ひいたみたいで動けないみたい』
『今、俺は忙しくて…お見舞いに行ってあげてくれない?💦』
元貴が風邪をひくなんて珍しい。
俺は少し考えたのち、返信文を入力し送信ボタンを押した。