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2話⟡̨.·☾໋꙳𖤐̖́-
《玲於side》
夕星:玲於は好きな人とか居ないの?
一瞬、心臓がドキッとしたのを感じた。しかし何でもないフリをして普段通り無気力な声で答える。
玲於:…いねーよ。
夕星:そっかー楽しいのに、
俺の本心を悟られないよう、注意深く言葉を選ぶ。
玲於:俺もいつかは、そういうの経験してみたいかもな。
夕星:好きな人出来たら一番に俺に教えてよ!親友だから!
その言葉に、俺は胸の奥がズキッとするのを感じる。「一番に俺に教えてよ!」って…?つまり、それまではお前の特別な位置にはいられないってことか。
玲於:…分かった。
夕星:はぁ〜、早く付き合いたいなぁ、
心の中で苦い考えが浮かぶ。付き合いたい?お前は今のままでも充分幸せそうに見えるけど。いや、実際幸せなんだろう。好きな人を好きなだけ見て、俺まで応援なんてして、幸せになって欲しいなんて思ってしまう。告白は…するかもしれないけど、あのバカが受け入れてくれるとは限らないし。
玲於:…付き合えたらいいな。
夕星:うん!
時間は流れ、下校時間になった。生徒たちがそれぞれ家に帰ったり部活に向かったりしている。そんな中、夕星はアイツを待っている。俺はそんな夕星を離れた所で見守ることにした。
夕星:あの、大輝くん!一緒に帰らない?
夕星が声を掛けた河上大輝。アイツこそが、夕星の好きな人だ。
俺は夕星が勇気を出して大輝に話しかける様子を俺は緊張した面持ちで見つめる。
ダメだと言ってくれ、アイツじゃなくて俺と帰ればいいじゃん。
俺は無意識にそんな事を願う。しかし俺のそんな願いは届かず大輝は夕星の誘いに頷く
大輝:お、夕星。いいよ一緒に帰ろーぜ
夕星:やったぁ!
2人は一緒に下校する。楽しそうに話している後ろ姿を見ながら俺はズキズキする胸を必死に押さえつける。
分かってる。これが俺が望んだ展開だってことを。なのに何でこんなに痛いんだ。
2話𝒇𝒊𝒏✧*̣̩⋆̩☽⋆