tg)ハァハァ
息が荒い。
早く帰らなければまた、痛い目に会う。
もう外は真っ暗だ。
家が見えてきた。
リビングに明かりがついている。
ガチャン
俺は慌ててドアを開けた。
母)あんた、何したか分かってる?
tg)ぁへぇぅ…
母)そろそろ限界だわ
tg)へッ?
限界?一体なんのことだろう。
母)もう面倒見きれないって言ってんの!
tg)ビクッ 母、さ…?
母さんがいきなり大声を出すのでびっくりしてしまった。
母)そろそろ死んでも大丈夫でしょ?
母)もう15年も生きたんだから
tg)あ、…
死ぬ…
まぁ、俺を大切に思ってる人はいないし…
別に死んだって構いはしないか…?
逆に楽になるんだったら願ってもないが……
父)ちぐさッ!
tg)父さん!?なんでここに…?
離婚して家を出ていったんじゃないのか?
引っ越して、住所も変わってるのに…?
父)ハァハァ 間に合った…
父)ちぐさはうちで引き取らせてもらう!
tg)え、ちょ、何言ってッ
母)あんたらの顔を見ないで済むんだったらなんでもいいわ
どういうことだ?
なんで父さんがここに居るんだ?
まぁ、父さんは好きだしいいけどさ…?
父)じゃあ、行くかちぐさ!ニコッ
あぁ、やっぱ父さんは大好きだなぁ…
優しくて、俺を包み込んでくれる笑顔。
持ち前の明るさが俺の心を綺麗にしていく。
父さんしか俺に優しくしてくれない…
いや、あの髪色が派手な人達もか…?
なんか………
あそこ、暖かかったな。
また、戻りたいなんて、生意気だよね…
俺が、逃げて来たのに。
ブウゥウ(車が走る
tg )父さん……?
父)なんだ?
tg )なんで…なんで俺を助けてくれたの?
俺は、生きなくても別に平気だったのに。
幾ら息子だからってここまでしなくてもいいよね……?
父)そんな、なんでってお前が好きだからに決まってるだろぉ?
tg )そっか……
俺が、好き……
父)なんかあったのか?
tg )いや、ないよ、大丈夫
父)なんかあったら頼れよ!
tg )うん
もう、愛され方なんて忘れたよ…
頼る方法なんて、覚えてないよ…
こんな出来損ないな息子でごめん、父さん。
コメント
6件
この作品好きなんよなウチ🫶🩵 本当に空知の作品は全部最高なんよ... てか、ちぐちゃんはやっぱり愛されず存在なんだな、さすがっす! 続きも楽しみにしてるよ🩵🫶✨