第6話

父）学校はどうだ？楽しいか？

あ、そうだった。

父さんは知らないんだ。

俺が虐められてること。

tg）うん、楽しいよ

あぁあ、またくだらない嘘をついた。

俺はいつからこんな嘘つきになったんだろ。

父）なら良かった！父さんは味方だぞ！ﾆｺｯ

tg）うん！

こんな優しい人を欺くことって、こんなに心が痛むんだね。

父）帰ったら風呂入りな、多分湧いてるから

tg）うん、ありがとう！

なんでこんなに優しくしてもらってるのに、心が痛むんだろｯ……

3時間後

父）よし、ちぐさ、おやすみ

tg）うん、おやすみなさい

トントントントン

一定のリズムで階段を上がる。

ガチャ

部屋に入ると俺の荷物が入ったダンボールが置いてあった。

今日も書くか、手紙。

10年後。

俺は25歳か。

少しくらい、マシになってるのかな。

〜拝啓10年後の俺へ〜

拝啓、10年後の俺へ

一体俺は何をしていますか？

今日、転校生が来て、俺に優しくしてくれました。

久しぶりに父さん以外の人で心が暖かくなって気がしました。

父さんが俺を母さんの家から連れ出してくれました。

これで俺の人生が変わることを願うのは可笑しいのでしょうか。

俺は今日、少し幸せというものについて勉強できたかもしれません。

25歳の俺は幸せとは何か知っていますか？

俺は優しくしてくれたら5人を自分で突き放しました。

もう、関わってくれないと思います。

出来れば一緒に居たかった。

でも、門限をすぎていたので早く帰らなければ行けなかったんです。

10年後の俺は幸せですか？