テラーノベル
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rb「おはよー」
ゾムの肩に手を置く。
急なことに驚いたのか肩を少し跳ねさせる。
zm「………。ん、はよ。」
胸に手を当ててロボロに挨拶を返した。
ぐっ
rb(……お?)
ゾムの横に薄っすら見えていた好感度のゲージがぐっと上がった。
この世界に放り込まれた時に攻略対象全てに見えるゲージだ、と謎の声に教えられたやつだ。
他の人にも似たように挨拶をしてもこんなに軽く上がらなかった。……なるほど。
rb(ほかの人よりチョロいなこいつ……はよクリアしたいし攻略対象ゾムでええか)
▶ロボロ√
……数日過ごして分かった。こいつはスキンシップに弱い。本当に弱い。
試しにほっぺに手を当てて目線を合わせる。
zm「ど、どうしたんやろぼろ……」
ぐぐっ
rb(チョロいなぁ。ゲームの影響なんか、元の世界でもそうなんか……元の世界に戻れたら試して見よかな)
Sha「お前クラス違うのに昼休み毎回来よって。なんやねん……」
ut「言ったらアカンてシャオちゃん。ほら彼にはお友達が……」
Sha「あぁ……(察)」
rb「ちゃうわ!ゾムに会いに来てるんや!」
Sha「……。(攻略しにくくなるやん。なんやこの妨害。)」
ゾムが顔をほんのり赤らめるが嫌がってはなさそうだった。それを見てシャオロンがおホモ達やもんなぁ?とつつく。
rb(さて、どうやって攻略すっか。)
にんまりと笑った顔は、鬱先生に恐る恐る指摘されたのだった。
▶
ドスッ
リングもまわらず、ゴールネットにボールが一直線に入った。綺麗にネットを揺らす。
rb「ゾム、ナイッシュ!」
zm「くふふ、まぁ余裕っすわ」
ぱちんとハイタッチをする。ピーッと休憩の合図がなり、マネージャーの女の子からタオルを渡してもらった。
肌にぺったりとくっつく体操服。汗がしたたる二の腕。汗で張り付いた前髪。
思わず視線を向けてしまう。
しっかりと見つめている自分に気づいて思わず目をそらす。
rb(……っ、なんやねん)
動揺を誤魔化すようにタオルで顔を拭う。ゲージの進捗具合を確認しようとして、……そういえばここ最近あんまり意識しとらんかったな。
rb(攻略、するつもりやったんやけどなぁ)
zm「ロボロ〜!ディフェンスやってーや!」
rb「はいよー」
zmがバスケットボールを持ってこちらを待つ。小さな手にはかなり大きなバスケットボール。
自分もかなり小柄でチビと言われる部類だがそんな自分よりも小さな手。
zm「ロボロ、今身長のこと考えてたやろ。」
rb「え、はぁっ!?」
zm「いやー、なんかこれだけはわかるんよ」
rb「……すごいな」
zm「っえ、あ、んへへ……」
まさか褒められるとは思っていなかったのか、珍しく分かりやすく照れる。
rb「照れてるんかー?」
zm「い、いいから!はよ練習するで!」
rb「はいはーい」
ドム ドム ドム ドム
ドリブルの音が体育館に響く。
ゾムのリズムに合わせてディフェンスに入るが、視線がどうしてもゾムの動きを追いかけてしまう。
ドリブルのたびに揺れる前髪。集中した時だけ見せる真剣な目つき。薄い口呼吸。
rb(……かわええな)
一瞬だけ注意が逸れた。
zm「もらったー!」
そんな声が聞こえたかと思えばするりと抜かれて、ゴールへと駆けていく後ろ姿。ドスッ、とまたネットが揺れた。
zm「ふーーーーん!ロボロ抜いたで!どーや!」
振り返ってにやにやするゾムに、ため息をついて見せる。
rb「……ぼーっとしてたわ」
zm「それは負け犬の大声って言うんやで!言い訳や言い訳」
rb「ほんまやって」
ほんまやって。お前のせいで。
口には出さずに、もう一度ディフェンスの構えをとった。
▶
部活終わりの帰り道。家が同じ集合住宅にあるため二人並んで歩いてるが、特に会話はなかった。
ゾムは鞄のストラップをいじりながら、たまにぽつぽつと喋る。
zm「今日の練習きつかったなぁ」
rb「お前が急にメニュー増やせ言うたんやろ」
zm「体力つけたいんやもん」
rb「……ほんまガリガリくんのくせに無茶するな」
zm「チビのくせに〜!」
ぱしっと肩を叩かれる。全然痛くない。
rb(……ゲームやったな、これ)
ふと思い出す。この世界はゲームで、ゾムは攻略対象で、クリアしたら終わる。
夕日に照らされたゾムの横顔を見る。
rb(……なんか、嫌やな)
zm「でもやっぱロボロ、うまいな!」
にかっと笑う。
あーーー………好き。多分、好きだ。きっと好きになってしまったんだ。ゲームの世界だと分かっていても、ゲームの中の話だと分かっていても。好きになってしまったんだろうな。
部活中のしたたる汗と、水筒をごくごくと飲むたびに上下する喉仏と、点取った喜びでジャンプしたときに見えるヘソと。
全部が欲しい。
鼻歌を歌いながら、用水路の蓋の上だけを歩く黄緑色のパーカー。
エンドに到達したらゲームが終了してしまう。
でもゾムとずっと一緒に居たい。好きだと伝え合える関係になりたい。
あ、せや。
元の世界でも、落とせばええんや。
そうと決めればもう遠慮はせぇへんで。しっかりと墜としたるわ。そしてさっさと元の世界でも落とさなアカンな。
rb「………明日土曜やん、家に遊びに来てな」
zm「……明日?ええの?行く!ゲームとお菓子持ってくな!」
▶
zm「邪魔するでー」
rb「邪魔すんなら帰ってー」
zm「あいよー」
そういいながらもゾムはロボロの家に入る。
zm「おー……ロボロの匂いする」
rb「それは匂いなんか臭いなんか……」
zm「んー、後者やね笑」
階段を上がりながら話す。
ゲームソフトとお菓子の袋をぱんぱんに詰めた鞄を持ってロボロの部屋に入る。
rb「ほい、海水ジュース塩分マシマシ」
zm「ん、どーも」
缶ジュースを渡されて、床に座る。ローテーブルにはもうすでにお菓子が広げられていた。
zm「ロボロんちいつ来ても片付いてるな」
rb「お前んちが汚いんちゃう?」
zm「俺の潔癖症を舐めんなや」
コントローラーを二つ手に取って、一つをゾムに渡す。
rb「何やる?」
zm「俺が持ってきたやつで対戦しようや」
rb「ええよ」
ぴっ、とゲームが起動する。
zm「絶対負けへんからな」
rb「ほーん?言うやん」
対戦が始まる。ゾムは口で言うだけあって確かに強い。ロボロも負けじと画面に食らいつく。
しばらくコントローラーを操作する音だけが響いた。
rb「お菓子食べや」
zm「じゃああーんして」
rb「……ほい」
視線を画面から外さないまま、ロボロがポテチをゾムの口元に持っていく。
zm「……ぱくっ」
もぐもぐと咀嚼する。
rb「ガキやん」
zm「がきちゃうあ。ろおろのが、むぐっ、……これうまいな」
rb「やろ?とんかつソース味。」
zm「まいうー棒にあった気がする」
rb「あるな……ってあぁっ!?」
zm「ロボロさんざーこざーこ」
rb「クッソ……ちょっとジュース取ってくるな」
ロボロがドアを開け階段降りる。
部屋にはゾムだけが残された。ロボロの声もなく、静かな空気だけが広がる。
……さみしい。ロボロがすぐ戻ってくると分かっていても。
しばらく机に顔を乗っけて待っていたが、いくらなんでも遅すぎるのでは。
それでも待っていたら、階段を登る音が聞こえた。物音が聞こえた猫のようにガバリと起き上がり、扉の方を向く。
zm「遅い!」
rb「すまんって」
zm「じゃあかまってーや!」
rb「ゾムにもデレ期があるんやな……」
zm「寂しかったんやぞ!」
rb「ほーか」(チャンスやな)
ロボロがドサリとゾムの隣に座る。
rb「じゃあかまったる。」
ロボロがすっとゾムの頭の上に手を伸ばし、ゆっくりと頭を撫でる。
zm「……へぁ」
撫でられると思っておらず固まる。しかし抵抗しない。むしろ手に頭を少しぐっと寄せる。
そのままなでなでしながら新しく買った缶ジュースを片手で開け、片手で飲む。
rb「……ぷはっ、うっま。ゾムも飲む?」
zm「……なでなでがなんやって」
rb「そんな話はしとらんて。飲むかって」
zm「ええの?」
rb「ほい」
ロボロがそのまま飲んでいた缶ジュースを渡す。再びゾムがフリーズをする。
zm(間接キスやん……!)
rb(間接キスやなぁ……)
そのまま数秒間フリーズしていたのでせっかくだしゾムの顔を見つめていると動き出し、そろそろと口をつけ、ジュースを飲んだ。
缶で飲むことに慣れていないのか、口の端からジュースがこぼれ、慌てる。
rb「……」
ゾムの顔にすっと顔を近づけ──
ペロッ
ジュースを舐め取った。
zm「……!?っ、んぐっ、ゲホッゲホッ、コホッ、ケホッ」
rb「おー、大丈夫か?」
zm「なっ、舐め取っ、えっ」
rb「ゾム、俺のこと好き?」
zm「いや、それよりも──」
rb「好きかどうかを聞いてんねん」
実はずっと、とっくにゲージはMAXなのに、一向にエンドらしき物に辿り着かない。
ゾムは顔を赤らめ、手の甲で口元を隠しながらボソリと言う。
zm「……すきやけど」
rb「……そうか」
またもやゾムの顔に自分の顔を近づけるがゾムは後ずさりも、顔を逸らしもしない。
rb「ええねんな?」
zm「……ん」
ほっぺに優しく口づけをした。
▶
▶
ゾム「ロボロ、すき、すきー、かまって、かまってーやー!」
ロボロ「んは、そんなに言わんでも」
ゾム「やってこないだの部活でゾムほかの人と練習やってたんやもん。我慢したんやで。」
ロボロ「ゾムは偉いなぁ」
頭を撫でてあげると嬉しそうに口元を緩ませる。
ロボロ(あー可愛い。)
あの日キスをした日の夢には『ゲームを終了するか』『ゲームを続けるか』の選択肢が出てきた。
実はまだ選択をしていない。
謎の声は言っていた。『ここで過ごした時間は現実の一瞬だと』。死ぬ直前に終了してしまえば良いのだ。
ゾム「今度は俺の家に来てな!」
ロボロ「おん」
▶ロボロ√:忠犬エンド
コメント
2件

コメント失礼 します … ‼️‼️ ロボさんらしい 攻略方 … 好きです 💕💕💕 しかも 独占欲強めなのが 好きすぎます、、、はい大好きです😩💕💕 他の方も待ってます ー ‼️‼️
うわぁ…!人望さん、今回の第5話も神回すぎた…😭💕 最初は「攻略しよ」ってゲーム感覚だったロボロが、バスケの汗とか喉仏とか帰り道の横顔とか、知らん間にゾムの全てを好きになってしまってるのがもう…エモすぎる…!「全部が欲しい」って心の声に胸がギュッなったよ…!忠犬エンドってタイトルもぴったりすぎるし、元の世界でも落とすって決意したロボロがカッコよすぎる…!💖 続きすごく気になるけど、二人のラブラブをもっと見たい…!毎回キュンが止まらん…ありがとうございます…!✨
㎎
#Mrs. GREEN APPLE🍏
こんぶ@ミセス推し
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エキゾチックモンスター
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