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松五郎がドアを開けようとしたその時

ドガン

松五郎「はぁ!?」


開けるよりも先に無理やりこじ開けられてドアを留める上側のネジが壊れた。

そしてブラブラ状態のドアと共に流れ込んできたのは「怪盗ビショップ」。クローバーが真っ先に駆けつける。

クローバー「ビショップさん!血が、、!」

脇腹に血が滲んでいる。監視映像で弾が当たったところであろう。顔が青白い。

クローバー「どうしましょう、、」

焦りすぎて涙が滲み始めた時、横からつんざくような鋭い声がした。

オセロ「ほら!起きな、バカビショップ!甘えんじゃないよ!!」

目の前の重傷者に目がいきがちだが、オセロの手には救急箱が。ドアが破られた時点で取りにいっていたのだろう。

オセロ「松五郎。運んでくれよ、さすがにあたしでもこいつは運べないよ。クローバーはその救急箱と、水で濡らした雑巾かなにか布持ってきて。」

オセロも松五郎もなにか察するようにサラサラと事が進んでいく。箱入り娘の令嬢は言われるがままに清潔な水でタオルを湿らし、部屋へ駆けていった。渡すとすぐさま部屋を追い出されたため、ふたり用のコーヒーを入れひたすら待機していた。

3時間後、2人が部屋から出てきた。松五郎の持つ袋には血が見えたため、手当をしてくれたのだろう。

オセロ「クローバー。待っててくれたの?長かったでしょう。」

クローバー「大丈夫です。それよりもお2人も疲れているでしょうに、、」

松五郎「俺は武器作ってただけだしいーよ。むしろ、あいつの手当のほうが楽だったよぉ」

クローバー「え?」

オセロ「あーっとね、うちら独自で手術するって技を身につけてんのよね。師匠が、、だいぶ有名でさ。他の商業施設にいけなかったから全部自分でしてきた人で。」

松五郎「そんな人が師匠なわけよ。だから3人とも医療従事者的な?」オセロ「違うでしょ」

怪盗という、普通の人生を歩まない人にとっては普通のことはせずに人が考えつかないようなことをする。なんて、孤独なんだろう。

クローバー「中に入っててもいいですか?」

オセロ「いいよ。多分しばらくは起きないだろうからまぁ話せないけど。コーヒー頂くね。」

部屋に入ると怪我だらけで包帯でグルグル巻きにされた人がスヤスヤと眠っていた。

帰ってきた時よりも顔は温かみを持ったし、呼吸も安定していて安心した。

みんな大事でみんながいないと私は生きていくことができなかった。だから、3人がいなくなってしまうのはとても恐れてしまうことで

特に救ってくれたビショップさんには尊敬という概念すらも湧き出てくる。それくらい大事で大切な人。

額に冷たい水で冷やしたタオルを当てる。

少しでも早く、元気になって欲しい。だからこの人が起きた時はたくさんの温かいご飯を食べてもらおう。



衝撃が走る。油断をした。

きっと師匠さんに見られたらど突かれるんだろうなぁとか思いながら視線を部屋の隅々に通す。オセロと松五郎が手当してくれたのか。オセロは縫合が上手で松五郎は包帯を巻くのが上手い。本当にこの2人とともに怪盗ができて良かったと心の底から思う。

体を起こし、打たれた部位を抑えながらリモコンをとった。どんなニュースになっているのか気になる。だいぶ暴れたしめんどくさい人のを盗ったからきっと報道もめちゃくちゃであろう。

【ニュース速報】

昨晩コーラム氏の所有物が怪盗ビショップに対してまたしても盗まれたことに対し、明朝アメリカ合衆国が《怪盗ビショップを世界特別指名手配とし、懸賞金を1億円としました。》この世界特別指名手配と懸賞金が億超は怪盗ルパン二世以来の事例だと言われます。


ビショップ「、、、え?」

世界特別指名手配。師匠さん以来の事例。

これは、《大怪盗》になったと言っても過言ではないだろう。思わず怪我をしているのを忘れて部屋を飛び出た。

オセロと松五郎もそのニュースを見ていた。

オセロ「お前っっ!まじで!?」

松五郎「かぁー、、、っお前が師匠と同じ位置に立つとは思ってなかったし師匠も思ってなかっただろうな笑」

2人は一斉に貶すような声ながらも祝ってくれた。思わずあの人を探そうとした。

松五郎「クローバーちゃんなら台所だよ。たぶんニュース聞いてないけど。」

ビショップ「あぁ。ありがt、、え?」

ニヤニヤした2人に恥ずかしめを感じながら台所へ行った。

1人でトントンと包丁の音を立てて料理の準備をしていた。その背中はいつもと変わらない。

隣へ立った。

クローバー「、、、、え?ビショップさん!?松五郎さんかと思ってました、、お身体は?」

ビショップ「大丈夫。俺タフだし。」

クローバー「良かったです。今お料理の準備をしているのでお待ちください。お茶でも入れましょうか?白湯のほうがいいでしょうか。」

ビショップ「やっ、俺手伝うよ」

クローバー「病み上がりに手伝うことはないですよ。大丈夫です。私も持病は落ち着いていますし。とにかくご無事で良かったです」

ビショップ「、、、、」

________________________結婚しない?

クローバー「、、、へ?えっ、、え?」

ビショップ「あっ」

昨日からどうした。心の声すら制御できずに相手を困らせてしまった。

初告白で振られるのは勘弁すぎるぞ。

我に返って顔を背けた時ギュッと手を握られた。決して強くはないけれど会った時よりかは暖かい優しい手。

クローバー「よろこんで。これからどうぞよろしくお願い致します。」

ビショップ「、、、え、ほんと?」

クローバー「はい。」

指輪もなにも無計画だったものだから気まずい空気が流れる。

松五郎「なぁんかイチャイチャしろよー!」

ビショップ「えっなんでいんだよ!」

オセロ「怪盗の地獄耳なめんなよ!!」

ガシガシと頭を撫でくりまわしたあと、オセロはクローバーのもとへ向かっていった。

オセロ「ほんとによかったの?あーんなすぐ怪我するダメ怪盗で!!」

クローバー「大怪盗になられた方です。きっと大丈夫ですよ。」

気まづい空間がキョトンとした空間になって

ドッと笑いがおきた。

このクローバーの「大丈夫」は心強いのかもしれないな。


真っ白なウェディングドレス

神聖な教会

大きなケーキ

輝く指輪、、、は用意できるかもしれないけど。それでも彼女は喜んでくれた。


この幸せをずっと、感じ続けたい。


そう願う。


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