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◻︎遥那のストーカー?
雪平さんとの食事から数日後、晩ご飯も終わって片付けていたら、遥那から電話があった。
「もしもし?遥那?」
『ね、お母さん、つけられてると思う、どうしよう?』
「え?なに?いきなり」
『スーパーで買い物してる時からずっと、誰かに見られてる気がしてて。買い物して急いで車に乗って駐車場を出たんだけど、同じように急いで出てきた車がピッタリとついてきてる』
「あんた、運転しながら?」
『大丈夫、ハンズフリーだから』
「そか。誰かわからないの?」
『さすがに夜だから見えないよ、ミラーごしには。とにかく家に帰るね』
_____ストーカー?
「ダメ、絶対帰ってきちゃダメ」
『どうして?気味が悪いんだけど』
「そのまま、近くの警察署に入って。中までは行かなくてもいいから、とにかく警察署の駐車場に」
『えっと、あ、わかった、田辺西署がある』
「そこへ入ってしばらくそこにいなさい。万が一それでもつけてきたら、警察の中へ、わかった?電話はそのままで」
『うん』
5分ほどしてから、車が駐車する音がした。
「どう?つけてきた?」
『ギリギリまでいたけど、ここに入ったらそのまま真っ直ぐに行っちゃったみたい』
「戻ってくるかもしれないから、しばらくはそこにいなさい」
『わかった。でもなんで?』
「知らない人だったら、安易に家に帰ると家の場所を特定されちゃうでしょ。それよりも警察に行けば、通報されたかも?と思って深追いしないと思ったから」
『なるほど、わかった』
しばらくして、もう大丈夫だと思うから帰るねとLINEが届いた。
念のため、周りを確認しなさいと返事をした。
そういえば、一昨年も娘にはストーカーのような男がいたなぁと思い出した。
浮気をしたのは彼なのに、それを理由に別れたら、しつこく付け回されていたらしい。
その元彼の仕事が美容室の店長だったから、こっちから何回もお客として出かけて、その元彼を指名してやってもらった。
娘のことは一切口に出さず、でもカラーとカットを交互に何回も。
いうなれば逆ストーカー?みたいな。
そのおかげか、ピタリと娘をつけ回すことはなくなったみたいだけど。
《どちらかというと男の方がそういうストーカーになりやすい気がしますね》
雪平さんとのLINEの話題にしてみた。
《気をつけてくださいね、逆上すると何をするかわからないですから。必要ならば知り合いの生活安全課の人間を紹介しますよ》
〈はーい〉
こういう時も頼りになる人なんだなぁ…とうれしくなった。