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蓮Side
岩本くんを探すため街を歩いていたら、いつの間にか俺以外のメンバーと連絡がつかなくなっていた。
🖤「もしかして、みんな悪魔に……」
そんな嫌な予感を覚えた時、スマホに振動を感じた。しょっぴーからの連絡だった。
🖤「もしもししょっぴー?良かった、生きてたんだ」
💙「俺も目黒が生きててくれて安心したわ。あー今目黒どこいる?できれば同じ場所にいたいなって思うんだけど」
たしかに、仲間で1箇所に集まっておく方が今後のことも考えると安全かも。
🖤「わかった。今しょっぴーどこにいる?俺外でてるから行くよ」
💙「ほんと?助かるわ。じゃあ、」
そう言ってしょっぴーが指定したのは街の中心にある大聖堂の頂上。なんでよりによってそんな場所に、と思ったけど、俺は二つ返事で承諾して走り出した。
🖤「……困ったなぁ」
大聖堂に来てみたはいいものの、どういう訳か入り口の鍵が閉まっている。ゾンビ対策かと思ったけど、しょっぴーと連絡がまたつかなくなっていて分からない。開けてもらうこともできない。
近くをウロウロしていると、俺は巨大なハシゴを発見した。
🖤「これで、頂上まで行けそうかな」
長すぎて先が見えないけど、無理だったら近くにある窓から強引に中に入ればいい話。俺はハシゴの安定性を確認すると、黙々と登り始めた。
🖤「……結構高いな」
登り始めて数分。かなり頂上に近いところまで登ることができている。これなら、ちゃんと上まで行けるんじゃないかな。気合いを入れ直しながら登り進めていると、
🖤「あ、しょっぴー!」
頂上の窓から俺を見下ろすしょっぴーが見えた。
💙「……目黒、ちゃんと来てくれてんだな」
🖤「当たり前でしょ、約束したもん」
💙「そうだな、約束したもんな……」
なんか、しょっぴーの歯切れが悪い。
🖤「しょっぴーどうしたの?なんか、歯切れ悪い気が……」
しょっぴーは目を伏せて言った。
💙「……これで目黒と話すのが最後かと思うと、悲しくなってさ」
🖤「……え?」
言っている意味が分からなかった。俺と話すのが、これで最後……?
🖤「しょっぴー、何言って……」
💙「でもな目黒、怖がることなんてないからな。……もう、逃げても無駄だから」
そう言ったしょっぴーの目は赤く光っていて――いつものしょっぴーはそこにいなかった。
さらに悪寒がして下を向くと、ギラギラと目を光らせた巨大な闇が、建物ごと俺を呑み込もうとしていた。
🖤「な、何これ……」
💙「もう逃さないから、目黒」
ハッと視線を上に戻すと、しょっぴーは赤く染まった目で俺を冷たく見下ろして笑っていた。
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