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それから私は、先生が居なくたって平気みたいな顔して仕事したり、 友達と遊んだり
たまにって先生にお願いされた先生の家にも行った。
先生の部屋に1人でいる事が謎なのに少し嬉しく感じた。
それでも
先生の部屋に行っても、最近は先生の匂いも煙草のちょっとキツイ匂いもしない。
余計に辛くなってしまった。
早く 会いたい。
あと 1ヶ月なのに。
なんでそれくらいも待てないの
送る時は あんだけ気持ちが大丈夫だったのに
『⋯会いたいって⋯先生。』
ピンポーン
先生の家のベルがなった。
⋯もしかして先生!?
『先生⋯!!』
「やっほ」
『深澤先生⋯』
渡辺先生じゃなくて深澤先生だった。
ほら、ガッカリしちゃう
『どーしたんですか。』
「家行ってもいないからさ、来ちゃった」
『⋯用ありましたか?』
「いや?特には」
『そうですか』
「入ってもいい?」
『⋯へ、?あ、どーぞ』
なぜか、先生に会えないこの寂しさで深澤先生に強く当たってしまう。
「ねぇ、何かあったでしょ。」
『⋯寂しくなっただけなんです』
「この後暇?」
『まぁ、暇です。』
「ご飯食べに行こ」
『⋯わかりました』
深澤先生のちょっとキツい香水が効いている車に乗って、先生おすすめのご飯屋さんへ向かう
車の中でも何も話さない私に対して、深澤先生は喋りかけてくれる。
いただきます。
「美味しい?」
『はい⋯美味しいです。』
それでも 渡辺先生と食べる何気ないご飯の方が美味しい。
「ごめんね」
『え…?』
「楽しくないよね 俺とじゃ。」
『そんなことっ⋯』
「なべの代わり、なれなかった。」
『⋯違う。先生は何も悪くないんです』
私のこの、ちょっとした気持ちのせいで先生まで困らせてしまった。
申し訳ない。
『ただ 会いたくなっただけです』
「⋯」
『大丈夫ですから。ありがとうございます』
「気にしてやって、ってアイツ言ってた。」
『⋯』
「愛されてるね 〇〇ちゃん。」
愛されてる。
そうだ
私は、先生にあいされてるんだ。
たとえ、離れていたとしても。
「電話してみる?笑」
『翔太くん出るかなぁー?笑』
「じゃあ俺、御手洗行ってるから。」
『ありがとうございます』
深澤先生のスマホで先生に電話をかける。
この一つ一つの着信音が胸の鼓動と合う
「どーしたよ深澤。」
『⋯あの』
「え⋯〇〇?」
『すいません』
「なんかあった?」
『あのっ』
「うん」
『いや⋯何でもないです』
先生に会いたくて電話したとか言えない。
だって、送る時はあんだけ自信満々で平気って顔して見送ったのに。
今更寂しいなんていったら笑われる。
「寂しかった」
『⋯え?』
「あと1ヶ月なんて待てない」
『⋯ふふっ』
「なに」
『いや、私も同じこと思ってました』
「相思相愛だな、俺ら」
『ですね』
「わりぃ呼ばれた またな」
『はい!仕事頑張ってください』
電話してよかった。
きっと、この電話がなかったら私
北海道までいってたかもしれない。
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