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私は生まれつき、耳が聞こえずらい。
耳が聞こえない訳じゃないから、
少し声を大きくしてくれれば人との会話は
可能だ。
だから補聴器などは買っていない。
小学生の時、
「おばあちゃんみたい」
って言われたことがある。
何度も聞き返したり『もっと大きい声で言って』と言ったからだろうか。
そんなことを言われた子供の頃の私は、
それを真に受けてしまった。
そして、
自分をダメな人間だと思い込んでしまった。
それから、私は高校生になった。
友達も出来たし、
耳のことを言われることも少なくなった。
そんなある日の朝のこと。
今日は久しぶりの三連休で、
ゲームやら読書やらを楽しんでいると
遠くで何かの音が聞こえた。
なんだか動物の鳴き声のような音。
だけど切なそうにも聞こえ、
不気味に聞こえる。
そんな音が聞こえた。