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番外編15 『みんなでかくれんぼ!?』前編
6月のある日のこと。
『かくれんぼ?』
『はい!最近雨で外で運動できてないみたいなので、かくれんぼを通して体力育成するみたいですよ!』
『へぇ…楽しそうだね。』
『みなさん今庭に集まってるみたいです!』
『私もやりたいな。ムー、行こう。』
『はい!』
私は動きやすい服に着替えて庭へ向かう。
『じゃあ鬼は俺と…。』
『ハウレスー!みんなー!』
『!主様?どうしましたか?』
『ムーから聞いたの。かくれんぼするんだって?私もやりたい!』
『え、ですが主様を執事の体力育成に煩わせる訳には…。』
『ふふ、いいんじゃないかな?最近あるじ様も運動不足だろうし。』
『やったぁ!』
『それにみんなもやる気出るんじゃない?』
『それならご褒美もあった方がいいな。』
『ハナマルさん?(^^(圧))』
『うーん、じゃあこういうのはどうかな?』
『??』
『かくれんぼで勝った人に主様がご褒美をあげるって言うのは。』
『(`・ω・´)ピクッ』
『え、あの、ルカス?』
『へぇ、それなら負ける気しねぇな。』
『俺もっす!絶対負けないっすよ!』
『またルカスさんは…。すみません主様。』
『ううん、大丈夫だよ、その方が面白そうだし。』
『主様……。』
(ご褒美ってなんなんだろう。)
『じゃあ逆に負けた人は…。』
『え?』
『みんなが持ってる私専用ノートを見せてもらいます。』
『なっ!』
(絶対に見せられません。あれは主様のことを書かれた大切なものです。)
(主様のあんなことやこんなことが書かれたもので見られたら幻滅される…っ。)
絶対に負けられない――!
『ふふっ。みんなやる気出たね。それで鬼はどうするの?』
『はい。鬼は俺とルカスさんです。かくれんぼで見つかったら見つかった奴はトレーニングだ。腹筋腕立て伏せ、素振りetc…』
『げっ!』
『だから体力育成なんすね…。かくれんぼで体力育成するって言うから何かとは思ったんすけど…っ。』
『せいぜい隠れて見せろ。俺とルカスさんは甘くないぞ。』
『全員見つけたらご褒美くださいね♪主様。』
『僕は主様と隠れますね!』
『頑張ろうね!ムー!』
こうしてかくれんぼが始まった。
『…よし。いきましょう。ルカスさん。』
『うん♪主様どこに隠れたのかなぁ♪』
『ルカスさん楽しんでますね…。』
『ふふっ♪』
『いいか、ルカスさんに見つかったらもう終わりだと思え。あの人は隙がない。気配を消して近付いてくるからな。』
『見つかったら強制トレーニングっすか…。心折れそうっす。』
『ハウレス足速いからね…。でもこれってかくれんぼだよね、見つけたら負けなんだっけ?』
『いや、体力育成だからタッチされたら負けだろ。』
『つまり見つかってもまだ希望が――。』
ガサッ!
『フフ、楽しそうですね。みなさん密談ですか?』
『うわぁぁぁぁ!!』
『ラト、お前いつから…!』
ラトが木の上から飛び出してきた。
『最初からです。フフ、皆さんと本気の戦いができるなんて。』
『ラトさんはやる気満々っすね。まぁ俺も負けないっすけど…。』
『はい、お前ら見つけたぞ。』
『うわっ!』
後からハウレスさんに声をかけられる。
『では皆さんまた。』
ガサッ!
ラトは再び木の上へ行ってしまう。
『あ、お前!ラト!』
『2人とも逃げるよ!』
『お、おう!』
『はいっす!』
『逃がすか!』
ダッダッダッ…!
『あっちは騒がしいですね…。』
『きっと今、ハウレスくんが追いかけてるのかな?』
『ラトはどこいったんだろ。』
『おやおや、2人とも見つけたよ。』
『ルカス…。』
『ミヤジ先生逃げましょう!』
『…フルーレくん。ここは私が時間を稼ぐから先に逃げるんだ。』
『え、でも、ミヤジ先生は!』
『ルカスの足止めは私がしよう。』
『ふふ、かっこいいねミヤジ。』
『ミヤジ先生…すみません!』
俺はミヤジ先生を置いて走る。
『簡単に私も負けないよ♪』
『あぁ。私もだ。』
ジャキッ
『おやおや、この体力育成に武器は禁止のはずなんだけどな…』
※これはただの体力育成です。武器の使用はダメです。
『みんな本気だね。』
『それくらい主様のご褒美が欲しいってことですね!』
『勝った人にご褒美か…。』
『主様何するんですか?』
『そうだね…まだ悩み中かな。』
『僕にしてるみたいに頭を撫でるとかどうですか?』
『それもいいかもね…ん?あ、ムー。静かに。』
『え?』
私とムーは木の後ろに隠れる。
『ハウレスがこっちに来てる。隠れてやり過ごそう。』
『は、はいっ。』
一方その頃――。
『フェネスさんとボスキさん絶対許さないっす…。』
俺は腹筋していた。
数分前。
ハウレスさんに見つかった俺達3人は同時に下駄。だけど――。
『あ!2人とも置いてかないでくださいっす!』
『あぁ?お前が遅いんだろ。』
『ごめんねアモン、主様からのご褒美ってなったらやっぱ負けられないかも…』
『そんなー!』
『はい。アモン。確保だ。』
『2人の裏切り者ー!』
俺を置いてってそのまま逃げた。
『2人が捕まったら嘲笑ってやるっす。あーもう疲れたっすー!』
『まだ捕まってる人は少ないみたいですね。』
『でもさっきアモン君が捕まってるの見ました。』
『ハウレスには見つかりたくねぇな。あいつ足はえぇし。』
『貴方は逃げ足だけは早いですからね。』
『それ褒めてるの?』
『まぁ捕まりたくないのは事実ですが…主様のご褒美もありますし。』
『そうだねェ。いやー、主様に何してもらおうかな〜。』
『…。』
この時ユーハンの脳裏では。
(ハナマルさんが生き残れば…ご褒美を主様から貰うことになる。不埒なハナマルさんのことです。…きっと、如何わしいことをさせる気です。その為にはこの人には捕まってもらうしか――。もし、ハナマルさんが勝てば――。)
『いや、やめて、ハナマル…っ。』
『俺にご褒美くれるんだろ?主様。』
『助けて、ユーハン……!』
(私が主様を助けなければ――!)
※彼は今とても失礼なことを考えています。
『…すみません。ハナマルさん。』
『へ?』
『貴方にはここで敗退してもらいます。』
『え、あの、ユーハンちゃん?武器なんで持ってんの?てかどこから出した?』
『ユーハンさん?』
『主様の身を守るのが私の役目…。不埒なご褒美を貰おうとするあなたにはここで成敗します。』
『はぁ!?うおっ!』
俺はユーハンから逃げる。
『待ちなさい!』
『助けててでぃちゃーん!!』
ダッダッダッ……!
『( ゚д゚)ポカーンが、頑張ってください!ハナマルさん!それにしてもご褒美か……主様のご褒美楽しみだなぁ……。』
ポンッ。
『あ。』
『残念だったな。テディ。』
『…見つかっちゃいました。』
『ふん…。手応えがない。体力育成と称してのかくれんぼか。まぁ負けないがな。あやつからのご褒美なんて別に期待してないが…まぁ。悪くないな。』
『独り言デカいよ〜。』
『勝手に聞くな。というか着いてくるな。』
『えぇ?いいじゃん。』
『はぁ…。』
『ハウレスさんやっぱ凄いなぁ。音もなく近づいてきてびっくりしたよ。』
『怖いの間違いじゃないっすか?』
『テディ、アモンがサボってないか見張っててくれ。』
『はい!』
『テディさん俺の味方してくださいっすよ!』
※ハウレス過激派強火担
『さて、あと残ってるのは…。』
『私の勝ちだね。足止めには充分だったよ。』
『意地を張るな。これ以上疲れたくなかったからだろ。』
『ふふ、捕まったのはミヤジだよ。まさか武器で戦うことになるとは思わなかったけど。』
『フルーレくんを逃がせたならそれでいい。』
『相変わらず後輩思いだね。』
『ルカス様かっこいいー!』
『ラムリ静かにしなさい、見つかってしまいますよ。』
『はぁ?ナックがどっかいけば?』
『私が隠れてたのに来たのはそっちでしょう。』
『僕はルカス様見に来ただけだし!』
『あなた逃げる気あるんですか?』
『静かにしててよ!見つかるでしょ!』
『貴方が1番うるさいです!』
(`・ω´・) ・・・バチバチ・・・ (・`ω・´)
ギャイギャイ
『はい。2人とも捕まえた。』
『『あ。』』
現在見つかってトレーニングをしているのは
アモン、テディ、ミヤジ、ナック、ラムリ。
かくれんぼは後半戦へ。
後編へ続く⬇️
コメント
2件
まじ最高、腕叩きすぎた痛い。あと、続き待ってる!