この作品はいかがでしたか?
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💚サイド
💚「ん…。」
目を開けると見慣れた白い天井があった。
💚「はぁ…。」
そうか、僕倒れたんだっけ。
これじゃ花火大会は無理そうだな…。
ちょっと、いや結構残念。
🖤「あ、亮平くん!」
💚「あ…。」
たまたま通りかかったであろう蓮くんがやってきた。
🖤「大丈夫?苦しいとことかない?しんどくない?」
💚「うん、大丈夫。」
心配かけちゃったな…。
💚「あ、ごめんね。花火大会行けそうにないや…。」
🖤「全然気にしないで。ほ、ほら来年…来年もあるし!」
蓮くんの様子がおかしいように見えるのは気のせい…?
💚「…うん。ニコ」
ちゃんと笑えてるだろうか。
たぶん、顔がひきつってる。
🖤「…。」
やっぱり、おかしい。
たぶん辰兄から聞いたんだろうな。
僕のこと。
💚「…もしかして辰兄から聞いた?」
🖤「…ごめん。」
💚「…っ。」
🖤「あ…亮平くんっ!」
その場の空気感に耐えられなくて僕は病室から飛び出した。
病室から離れてその場にしゃがみ込む。
💚「はぁ…グスッ」
蓮くんに気使わせちゃったな。
蓮くんだけには知られたくなかった。
蓮くんの前だけでは“普通の人 ”でいたかった。
🖤サイド
翌日。
やっぱり心配で亮平くんの病室の前を通る。
昨日から数えて何回通ったかわからない。
🖤「あ、亮平くん!」
💚「あ…。」
🖤「大丈夫?苦しいとことかない?しんどくない?」
つい心配で質問攻めをしてしまう。
💚「うん、大丈夫。」
すぐ大丈夫って言うんだから。
💚「あ、ごめんね。花火大会行けそうにないや…。」
そう言って申し訳なさそうに言う。
🖤「全然気にしないで。ほ、ほら来年…来年もあるし!」
俺は今、なんてことを言ってしまったんだろう。
たぶん亮平くんにとってはすごく辛いこと。
しかも言葉が詰まってしまった。
💚「…うん。ニコ」
寂しそうに笑う。
自分の胸がチクっと痛む。
🖤「…。」
💚「…もしかして辰兄から聞いた?」
バレてしまった。
ごめん、深澤先生。
🖤「…ごめん。」
💚「…っ。」
そのまま亮平くんは病室を飛び出して行った。
🖤「あ…亮平くんっ!」
追いかけるべきだろうか。
でも今は1人の方がいいのかもしれない。
ひとつ気がかりだったのは亮平くんが今にも泣きそうな顔をしていたこと。
気がついた時には俺の足は動き出していた。
コメント
1件
奇跡を、、