テラーノベル
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『はい、お好み焼き屋 みっさんです!』
久しぶりに聞く、父 光洋の声だった。
「俺だけど…」
『おお、元気でやってるか? おまえ、結婚式から全然音沙汰無しじゃねぇか。嫁さんも連れて来ねぇし。1度くらい嫁さん連れて、うちのお好み焼き食べに来いよ。ああ、何ならそちらの家族も一緒に来てもらって、わしの自慢の腕を振るってもいいんだぞ。
…仕事、忙しいのか?』
「話が早くて助かった。そのことだけど、向こうの家族が親父に会いたがってんだよ。近々俺の休みの日に行こうと思ってんだけど。あんまり長居はしねえけどな。多分、盆休みくらいになると思うけど その頃って、店忙しいのかな」
『ああ、店のことなら何とでもなるさ。自分とこでやってんだ。いくらでも融通効かすさ』
「あのな、親父。向こうの家族には、母さんの話は自分からしないでほしいんだ。で、もし聞かれても 病気で亡くなったってことにしてもらえないか?
それ言っときたくて、電話した」
『おまえが中学生の時に男つくって家を出た、ってんじゃ、流石にかっこ悪いか。大変だな、おまえも。あんな立派な家のお嬢さんと結婚したともなると、うちの恥はさらせねぇってわけだな』
そう言って 光洋は太い声で笑った。
「とにかく! 言った通りにしてくれればいいから… ところで、徹はいる?」
『あいつは今、配達に行ってるよ。わしも58にもなると、最近は思うように体が動かんでな。徹は20代の若さだから、何かとわしの代わりによくやってくれてるんで 助かるよ』
「…そうか。 じゃ、まぁそういうことで。
あ、行く日がはっきりしたら また連絡するよ。じゃあな」
陸斗はそれだけ言うと、電話を切った。
これでどうにか示しはつきそうだ。
今度は瀬里香に電話をし、盆休みに父と会えるように予定が組めたと伝えた。
そして、緑に電話をした。
青井家の婿としての役目を果たす傍ら、陸斗は隙を見ては 緑との逢瀬を重ねていった。
#狂愛
柏木さくら
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臣桜
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コメント
1件
第21話、読み終えたよ〜!😭💕 陸斗くんが実家の父親に電話するシーン、めっちゃ切なかった…。明るく笑う親父さんに「母さんは病気で亡くなったことにして」って頼むとこ、陸斗くんの複雑な事情がヒシヒシ伝わってきて胸がぎゅっとなった。それでいて最後は緑さんとの逢瀬を重ねてるっていう二面性、もうドキドキが止まらないよ…! 次が気になりすぎる🌸