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1-5
🐦side
茯と出会ってから数日が経った。
少女は、家族の話をしてからどことなく暗い表情をしている。
恐らく俺たちに捨てられないか、不安なのだろう。
2回も大切な人に見捨てられれば、トラウマにもなる。
それに、忘れそうになるがまだ子供だ。
幼い頃の記憶とは、深く心に刻まれる。
俺達も皆、そうだから。
1-6
🎳side
『家族の暖かさを』
家族とは所詮、”他人”
誰かが言ってたな。
茯にとっては、本当にそうかもしれない。
でも、茯には家族の暖かみを知って欲しかった。
幼い頃の自分がそうして欲しかったから。
誰も助けてくれない、暗闇の中でただ
蹲る(ウズクマル)ことしか出来ない。
もう誰にも、同じ想いをして欲しくないから。
🕶side
『傍にいる人の大切さを』
人は無力だ。
ひとりじゃ何も出来ない。
自分はひとりだった。
孤独の檻に囚われて、毎日意味もなく自分を嗜めた。
悪いのは、俺じゃないのに。
だから出来るだけ、茯の傍に居てあげたいし、居て欲しい。
この寂しさはいつ生まれたものなのだろうか。
⚾side
『言葉の重さを』
“異常者だ”
何度も叩きつけられた非情な言葉。
誰にも見えないところで弱音を吐き出す毎日。
見えない言葉の針が毒を纏い、心に突き刺さる。
生まれ持った性質を否定され続けた。
「悪気はなかった」
そんなもので許されるのなら
俺はきっと、本物の”異常者”になるだろうな。
👓side
『欲の罪深さを』
“七つの大罪”
それは、欲の塊
欲は人の心を容赦なく壊す。
傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、色欲、暴食、怠惰。
全てを失った私は、永遠の暗闇を彷徨っている。
私を地獄に突き落とした彼らを、道連れにしてやりたい。
そんな”欲”もいつしか消えて無くなっていた。
🍄side
『当たり前のありがたさを』
「よく食べるね」
何十回と聞いた言葉だ。
俺は食べることが好きだった。
家でも、学校でも、ご飯の時間が大好きで、ご飯を食べられることが当たり前のことと思っていた。
中東戦争が起こる、あの日まで。
世界が焼け焦げていき、食糧も尽きた
あの時の困惑と絶望は、今でもはっきりと思いだせる。
茯には、当たり前の大切さを知って欲しい。
いつか当たり前が、当たり前でなくなる前に。
1-5 1-6 𝐹𝑖𝑛.