テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
未亜さんの指示にあわせて、長い長い網を持って移動する。
未亜さんが指示担当。僕が網を持って移動係。美洋さんと彩香さんで網をしっかり下の浜に固定。
そんな感じで作業だ。
「上手く行くとですね。岩沿いに泳いできた魚が網沿いに泳いで、一番奥に滞留する筈なのです」
そう上手く行くといいけれど。
全長30メートルもある網を持って水中を歩くのは結構大変。
今の時点で僕の膝より深いあたりから仕掛けているし。
ただ仕掛けは、結構良く出来てると思う。
支えになる竹も4本に1本はしっかりしたのを使っているし。
頑張って移動させて、固定して確認してを繰り返して。
「良し、これで明日の朝6時が楽しみなのです」
未亜さんが完成を宣言した時には、既に日没寸前という状態だった。
夕方になる前に始めたので、相当時間がかかったようだ。
「これで運が良ければ、この直径4メートル位の場所に魚が溜まると」
「こういうのって何か楽しいですよね」
なおこの網の中心近く、ちょっと高い処には魚のアラが入った網がある。
つまりそこまで潮が満ちた時、匂いを振りまくという仕掛けだ。
「アカエイとかウツボとかサメとか、危ないモノばかり入っていたりして」
「本場でも結構エイやサメは入るらしいのですよ。実際入っていたら透里先輩に電撃攻撃をして貰うしか無いのです」
確かにあれで死滅させれば問題無い。
しかし微妙に風情と言うものが足りない気がする。
「もし何でしたら私がしましょうか。電撃では無く冷却になりますけれど」
そう言えば彩香さん、魔法使いだったな。
全く忘れていたけれど。
「もし冷却できるなら、0度近くまで一気に冷やせば魚もダウンすると思うのです。その方が魚も傷まないし万々歳なのです」
「なら今日の夜の漁で使えるか試してみます」
というところで。
「おーい、そろそろ何か作らないと保存食とみそ汁御飯になるぞ」
川俣先輩の声が聞こえた。
「まずい」
僕らは慌てて家へと帰る。