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2B視点

レジスタンスキャンプに到着した私達はリリィに事情を話ししばらく駐留地として利用させてもらうこととなった

9S「へぇー…ここがレジスタンスキャンプですか」

9S「結構ゆったりしてますね、ね?2B」

2B「そうだね」

私達が中央部で話していると声をかけられた

?「おぉ、これはヨルハ部隊じゃないか!」

声に反応し9Sが振り向く

9S「あなたは…?」

武器屋「おっとすまねぇ自己紹介が遅れたな、武器屋だ」

武器屋「ここで話したのも何かの縁ってことで武器見ていくかい?」

武器屋「ここならアンタらのその持ってる武器を強化したり、新しい武器を購入したりも出来るから一石二鳥だぜ?よければ是非見ていってくれ」

?「ほーらまた、そうやってお前はいっつも商売に持っていくんだから」

9S「…!」

9Sが振り向く

道具屋「おぉっとすまないね、道具屋だ」

道具屋「ここならなんでも売ってるぜ?回復薬から日常的な用品までここでなんでも揃う」

道具屋「よければ見ていってくれよ?」

武器屋「お前もそうじゃねぇか!」

道具屋「お前さんにだけは言われたくねぇなぁ?」

言い争うをする武器屋と道具屋を見て苦笑いする9S

9S「あ…はは……」

すると急に静かになった

と思った途端武器屋と道具屋は9Sを指差して言った

道具屋、武器屋「そのバック…何が入ってるんだ……?」

9S「?」

9Sがくるりと反転しバッグを見せる

9S「これですか?」

道具屋「あぁ…あまり物は入らなそうな形状だが……」

武器屋「大きな武器や物も入らなそうだし…なんなんだ?」

2B「そういえば…それ何が入ってるの?」

私が素朴な疑問で質問すると9Sは悪戯に笑い口に人差し指を当てる

9S「秘密です」

道具屋「えー?」

武器屋「えぇー…」

9Sのバッグの中身の秘密は暴かれないままリリィから呼び出しを受けた

リリィ「すまないな急に呼び出して」

9S「いえ、こちらとしてもここで滞在させていただくわけですし」

2B「それで…要件はなに?」

リリィ「砂漠地帯での機械生命体の調査を行ってほしくてな」

9S「砂漠地帯ですか…」

リリィ「現地に行ってる奴らからの報告だと特殊個体が出現してるとかなんとかで…」

9S「特殊個体…」

その言葉に私は思い出した

アダム、イヴ

彼らは互いのために生きていた機械生命体だった

そしてエイリアンの絶滅をさせた張本人だ…

敵基幹ユニットとして討伐対象に含まれたあの悪夢の敵を忘れるわけがない

次は…9Sを鹵獲されないように立ち回ろう……

そう考えていると話は進んでいたようで

9S「じゃあ僕と2Bで調査に行ってきますよ」

リリィ「本当か!?」

9S「はい!現地での調査は僕たちS型モデルの本職といっても過言ではないですからね」

9S「任せてください!」

リリィ「助かる…こちらも人手が足らなくてな……」

リリィ「砂漠は補給が困難だからしっかりと準備をしてから行ってきてくれ」

9S「心遣いありがとうございます」

9Sが私を見て微笑みかけてくる

9S「2B、準備して調査に行きましょう」

2B「あぁ」

私と9Sはすぐさま準備を始めものの数分で調査任務へと赴いた

レジスタンスキャンプを出るとバンカーから通信が来た

ポッド042「通信開始」

6O「こちら6O、2Bさん定期連絡の時間です」

2B「こちら2B問題なし」

6O「2Bさ〜んちょっと聞いてくださいよぉ……」

2B「…なに」

6O「ちょっと好きだった先輩を食事に誘ったら断られちゃったんです…」

6O「もう…これから先私どうしたらいいんでしょう……」

私は少し間を空けてから口を開いた

2B「…私がいる」

6O「…え?」

2B「6O、私がいる」

2B「だから…あまり落ち込まないで」

2B「あなたは気遣いができていい人…だから」

6O「…!2Bさん……!!」

6O「はい!ありがとうございます!」

6O「そうですよね!2Bさんがいる限り私はずーっと2Bさんの専属オペレーターになります!!」

2B「そう…」

6O「今度2Bさんを食事誘いますね!」

2B「あぁ…楽しみにしてる」

6O「はい!!」

2B「ポッド…」

ポッド042「了解、通信終了」

私は通信を切った事を確認するとビルとビルの隙間を走る

走っていると9Sが横に来て並走し始めた

9S「2Bって案外お人好しですよね」

2B「そんな事ない」

9S「いーえー?」

9S「2Bは優しくてお人好しです」

2B「優しくもないしお人好しでもない」

9S「えー?」

2B「9S、今は任務に集中するべき」

私はそう言って少しだけ走る速度を上げた

9S「話を逸らさないでくださいよもぅー!」

9Sは不貞腐れながらも私の後をついてくる

しばらく廃墟都市を走り砂漠地帯へと到着した私たちは現地にいるレジスタンスと合流していた

?「おぉ!君たちが噂にヨルハ部隊かい?」

声をかけられて声の方向へ振り向くと

そこにはジャッカスがいた

ジャッカス「ほほー?黒の軍服に目隠し…正真正銘のヨルハ部隊だぁぁー!!」

9S「えぇっと…あの……」

ジャッカス「初めて見たが…すごいな!」

ジャッカス「身体の隅々まで調べてみたいな……」

そう言い両手を蠢かせるジャッカスに9Sがやや引きながらも私は話を進めることにした

2B「あなたがジャッカス?」

ジャッカス「あぁ…なんだ名前知ってるのか?」

9S「え…えぇ…リリィさんからジャッカスさんというレジスタンスが現地にいるから合流して調査をしてと…頼まれていまして……」

ジャッカス「あぁその件か」

ジャッカス「いいよ、是非私としても特殊個体のデータが欲しいからね」

ジャッカス「あと…ちょっとでいいから身体を調べさせてくれないか…?」

息を荒げながら9Sににじりよるジャッカス

危険を察知したのか9Sはいつもとは違い引き攣った顔でジャッカスを回避しようとしている

9S「ちょ…ちょっと!近づいて来ないでください!!」

私はジャッカスと9Sの間に挟まり牽制した

2B「ジャッカス、早く調査を」

ジャッカス「…ちぇ」

9S「あ…ありがとうございます2B」

2B「9Sもしっかりと断るべき」

9S「…はい……」

私達3人は砂漠地帯の中央へと進んでいった


砂漠地帯中央部では大きな瓦礫で塞がれた通路があった

9S「あの…これってどうやって通るんですか…?」

ジャッカス「まぁまぁ見てなよ」

ジャッカスの手には何かのボタンがある

この後の展開は瓦礫の爆破、砂漠地帯の地下区画に私と9Sが引き込まれ特殊個体と遭遇…だったはず

なら……

2B「9S」

私が9Sを呼ぶと9Sはくるりと私の方へ振り返り頭を傾げこう言った

9S「はい?どうしました?」

2B「この先何が待っているかわからないから…私から離れないで」

9S「はい、そうですね」

9S「僕たちS型モデルも砂漠地帯の調査はあまりしませんし…どんな危険があるかわからないから警戒するに越したことはないですね」

そう言い9Sは私の側に立つ

ジャッカス「じゃあいくよ?」

ジャッカスがボタンを押す

すると目の前の瓦礫が想像よりも数十倍の爆発に巻き込まれて木っ端微塵となった

9S「…これ…火薬の量間違えてません……?」

ジャッカス「爆薬はあればあるだけいいからね」

ジャッカスが背中で語る

ジャッカス「じゃあここから先は2人とも気をつけて行ってこいよ」

9S「はい、ありがとうございますジャッカスさん」

2B「ありがとう」

ジャッカス「礼には及ばないさ、まぁ…礼というなら今度身体を少しだけ分解させて……」

9S「2Bいきましょうか」

2B「あぁ」

私たちはジャッカスを置いて砂漠地帯調査を始めた


しばらく歩いていたら9Sが声をかけてきた

9S「ねぇ2B?」

2B「なに」

9S「どうして2BみたいなB型モデルが現地調査を担当するんでしょうか?」

9S「現地調査だけなら僕たちS型で十分なのに…」

2B「命令に文句を言わない」

9S「はいはいわかってますよー」

2B「はいは一回」

9S「はーい」

いつもと変わらない内容の会話

これは9Sがまだ機密情報にアクセスしていないことを物語っている

情報を覗き全てを知り、真実に気づいてしまった君はいつも私に殺されてきた

ある時は寝ている時に首を絞めて

ある時はハッキング中に君の背中を貫いて

ある時は君に全てを明かし首を刎ねて

またある時は私が苦しまないよう君が自身の命を捨てて……

そうやって今まで私に殺されてきた

君はいつも最期にこう言うんだ

「次はちゃんと殺してくださいね」

私は君との約束を守れそうにないよ

もう2度と君を失いたくないから

君と生きていたいから

9S「2B!」

9Sが私を呼ぶ

私は君に呼ばれる資格なんてない、一緒に行きたいなんて願う権利もない

それでも私は

君と生きていたいとそう願う

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