Cの家にA子の父親の神主
Bの父親と村長が駆け込んできた。ただならぬ雰囲気でCの家の周辺も人だかりができていた。
「A子から禁足地に行った事は聞いた。。」神主が話しだした。
「重要なのはあの場所に行ったかではなくあの面に触れたのはCだけで間違いないな」
神主は厳しい表情で二人の回答を待つ。
「はい、A子も自分も触れていません」
「Cを神殿に運びだすぞ、村長は県の風土担当に連絡し、神官と僧をできるだけ呼び寄せてくれ」
バシッ‼️
Bの父親は涙ぐみながら息子を平手打ちした。そして布団ごとCを抱え込み言われたとおり新田へ運び出した。
日も沈み夜になる頃タクシーが村の入り口に仕切りなく訪れ、各寺院、神社の神主が集まり出した。
Cを神殿に一人残し、お経や祈祷を数十人の僧や神官がはじめ出した。深夜だというのにタクシーはしきりなく村にやってくる。
日付が変わる頃には総勢100人近くにもなっていた。A子とBはこの騒ぎはCの為にしている事ではないと感じ始めていた。
神殿の中からはCの苦しむ声が聞こえる。
何の影響か、咳き込んだり、嘔吐したり血を吐く、失神する。神官達もでてきた。
いつの間にか、県の救急隊まで派遣され仮設の救護所まで出来ていた。
村人たちは訳もわからなく不安そうな顔をしている。
1番鳥が鳴き、朝日が登り始めた頃。神主様が大きな壺を村人に用意させていた。
神主と村人はその壺を持ち神殿に入っていく。やがて、額に汗を浮かべながら、壺を神殿から出してきた。
「神主様、Cは?どうなったんですか?」
「やれることはやった、それよりこれをどうにかしないといかん。話はその後だ」
大きな壺は村人の手により井戸の中へと沈められた。
村の前には観光バスが数台待機されていてA子とB 村の住民を乗せて近くの町の公民館や体育館へと連れて行かれた。
それから1ヶ月近く町で避難生活をしていたが、どこかに家族諸共離れていくものいれば親戚に連れ行かれるものもでてきた。
川のせせらぎを眺めながら、言葉少ないBとA子は一緒にいた。
「そろそろ体育館に戻ろう」Bを励ますような口調でA子はBを先導する。
体育館の入り口でCの母親が神主に何度も何度も頭を下げていた。そして母親の片隅にはCの姿が
「Cィィ!」二人はCの元へ駆け出す。
「C、なんだよ、死んだかと思ったぞ」
Cは左目に眼帯とジャージにカーディガンを羽織っていた。
BとA子はCに抱きついたが何か違和感を感じ、抱いた腕を解いた。
「あの面に左腕と左目を持っていかれちまったよ」Cはいつもの口調で気丈に振る舞う。
「神主様、どういうことですか?」
神主の話によると、禁足地の泉はあの面の力を封じる聖なる力が宿っていた。
神主は一年一度、面があるかの確認を数百年代々してきたらしい。
しかしその面をCが触れてしまい何故かCから離れようとしなかった。
Cを神殿に運び出すとに手元になかったはずなのにCはその面を握っていたようだ。
相手が霊や怨念なのか、神や悪魔、正体すら分からないので神主達はあらゆる信仰で祓いを試みたが結果祓えず神主はCに選択させたようだ。
このまま死ぬかもしれない状態でいるか面を握った腕を切り落としてどんな結果になるか究極の選択を与えた。
Cは潔く切り落とす方を選び、切り落とした腕に正気がある状態で泉の水をいれた壺の中にCの腕と面を封じ込め、泉までは距離が遠すぎる為、源泉である唯一の村の井戸に沈めたようだ。
結果、村の井戸は使えなくり、村人達は村を離れる選択しかなかったようだ。
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