「なるほど、その井戸でLIVE配信していた、凛子ちゃんに井戸の何かが取り憑いてしまったんだね」
ジレンマはコーヒーを啜りながら、誠の話に割って入った。
「ジレンマさん、最後まで話を聞いてください、ここからが肝心で理解不能なんですよ」
必死に語る誠を横目に凛子は爪をかじりながら落ち着きのない様子だ。
誠が話を続ける。
「凛子ちゃんが定点カメラにして井戸の周りで踊ってる最中でした。
いきなり画面がブラックアウトして1分くらいだったと思います。チャット欄も不安なコメントが殺到してました。
画面がまたLIVE状態になり、フォーカスが整ってきたと思ったら、凛子ちゃんが井戸の蓋の上に胡座かいていて、鬼のような面をつけていたんです。
それからまたしばらくの間、無言で。コメント欄も荒れ出して。。。
「私、帰る」と一言言ってLIVE配信中止になったんです。
「凛子ちゃん、その面は持ち帰ったのかい?」ジレンマは凛子に尋ねた。
「わかんないんだょ、踊ってたとこまで覚えてるんだけど、気づいたら泥だらけで部屋に帰って眠っていたんだ」
「面は自宅にあるのかい?」
「コイツにも聞かれたけどそんなものはどこにもない」誠を睨みながらそういい吐き捨てた。
(ガシャン!)
凛子は左足をテーブルに叩きつけた。
「この足首のアザ、消えないんだよ、あんたなんだかわかねぇか?」
凛子の左足首に巻き付くような黒いアザがある。
「はぁはぁ~、似たようなアザを見たことありますがどうでしょうかね。。」
「ジレンマさん、わかるんですか?」誠がジレンマに問いかける。
「明確ではないのですが、呪縛に似たものかもしれません」
「呪縛?」二人は言葉を重ねた。
「誠さんにもあるんですか?その、、、アザのようなものは」
「いえ、僕はアザはないんです。ただ凛子さんとどれくらいでしょうか、とにかく近くにいないと頭が割れるような頭痛がするんです。凛子さんも同じような痛みを感じてると思います。」
「その頭痛のせいでコイツと一緒にいなくちゃいけないんだょ!あぁめんどくせぇ」凛子はテーブル乗せた足を下ろしそういった。
「そう言えば聞いていて思ったんだけど誠くんの近くにいると具合が悪くなったり体に異変が起きるんだよね。。。」ジレンマは疑問点を誠に伝えた。
「それは後ほどお伝えしようと思ってたんですが、凛子さんと出会ってから誰も影響受けなくなったんです、原因は不明です」
話を整理すると凛子は廃村に行ってから足首に不明なアザできた。
誠は凛子に出合ってから、周囲に悪影響を及ぼす何かが起きなくなった。
「これから話すのは、凛子さんと僕が出会った時から現在までの話です、それとジレンマさん貴方を頼りにきた理由です。」
いつもと変わらなぬ秋葉原の小さなカフェ中この物語の真相に触れていくのであった。