テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第一話
〇〇side
「大介ー!起きろー!起きないと朝ごはんないぞー!そして遅刻するぞー!」
私は同級生で、大親友でもある幼馴染を起こす。私は今彼と同じ家に住んでいて、現役小学5年生。なんで小学5年生で幼馴染と住んでるかって?両親は…………私が、そう、4歳の時に、自動車事故で死んじゃった。もともと身内が両親しかいなかったんだよね、私。だから、家族ぐるみで仲が良かった佐久間一家に引き取られた。両親のことは、そんなに覚えてない。あー、大介はまだむにゃむにゃ言ってる。
「起こすなんてひどい。〇〇の意地悪。」
こんなこと言うのはいつものこと。
「はいはい、その意地悪な〇〇が起こしてあげないと遅刻しちゃうのはどこのどなたさん?」
そういうと大介は降参。
「はい、俺です。」
「わかったらさっさと起きる!」
「…はい」
今日も一緒に登校する。もちろんクラスも同じ。
「〇〇ちゃーん!おはよー!」
あーあ。うるさい。黙れよメスども。私はメスに興味はない。
ていうか大介にも挨拶しろよ。
いつもいつも、大介はいないかのように扱われるのが我慢ならない。
私は大体男女問わずみんなに好かれる。大介はどっちかっていうとクラスで浮いちゃうネガティブな子。でも私は大介を大親友だと思ってる。で、メスはいう。
「なんで〇〇ちゃん運動もできるし勉強もできるしかわいいのにそんなヲタク陰キャとつるむのー?わけわかんなーいwうちらといる方が楽しいって!」
は?私の拳が無意識にメキメキ言う。だいすけはオロオロ。
「いいよ、〇〇、本当のことなんだから…」
「いんきゃ?ってものが何かはわからないけど、2度と私と大介の前で使うな。それとヲタクで何が悪い。私もヲタクだ。とっとと失せろ。」
メスどもはキャッキャ言いながら逃げてった。私元からケンカっぱやいんだよね。私は男子としか仲良くならない。女子はうるさいから苦手。
「………………」
大介は目をうるうるさせて黙り込んじゃった。
「おいで」
私は大介を抱き寄せる。大介は私の胸の中ですすり泣く。もちろん人目につかないとこだよ。
「やっぱり俺はダメだなぁ泣」
はぁ…私はため息をつく。
「なんでも悪い方に考えるの、本当やめた方がいいよ。大介はかっこいいよ。ダンス得意だし。一緒にいて楽しいし。あいつらは大介の魅力がわからない可哀想な人たちなんだよ。自信持ちなよ。ほら、笑って、前を向いて。」
大介side
〇〇は抱きしめてくれる。やっぱり〇〇はかっこいい。そして俺のことも、「かっこいい」って言ってくれる。だけどどこが?俺のどこが取り柄なんだ?どんどん自分が嫌になっていく。そうしたらもう涙が止まらなくなる。__________________
「落ち着いた?」
〇〇は俺を無邪気な笑顔で見つめて聞く。
「うん」
でもさ、おかしくない!?幼馴染だけど、もうそろそろ俺ら思春期!ティーンエイジャー!なのに、〇〇普通にハグしたりするの!俺ら異性だよ?そろそろドキドキするよ!でも〇〇って、自分では気づいてないけど、鈍感なんだよね。「恋」とか、「流行語」とかが、わからないんだよ。〇〇は必ず流行語って言われると、「ちょべりぐのこと?」ってなる。何時代で時止まってんの?昭和?おっと、話がそれちゃったね。とにかく、恋人がやる、間接キスとか、手繋いで歩くとか、2人でくっつきながらアニメ見るとかそう言うのを平然とやってくる。理由は、俺が〇〇にとって大事な幼馴染だからなんだって。て言うか〇〇普通にモテるんだよ。なのに、ずっと俺と居てくれる。全てが俺と正反対。俺は運動も勉強もできない。〇〇はできる。俺はなんでも悪い方に考えがいく。〇〇はなんでもいい方に考える。だから、〇〇は俺にとって憧れの存在だ。俺のドキドキをよそに、〇〇は、本当になんの曇りもない笑顔で「行こっか」って言う。はぁ。心臓もたないな…