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どっかの誰かさん。
154
ℝ𝕒𝕟
79
蘇枋視点
家に帰ってからも、ずっと眠れなかった。布団に入って目を閉じる。
それでも、頭の中にはあの日の光景が浮かんでくる。
赤い光。
煙。
熱。
そして――
遠ざかっていく背中。
蘇枋「……」
俺は目を開けた。
暗い天井を見つめる。
もう、分かってしまった。
俺がどうして「大丈夫」と言うようになったのか。
どうして人に頼るのが苦手なのか。
どうして、右目を隠しているのか。
全部、あの日から始まった。
蘇枋「……あの日から、か」
小さく呟く。
俺は昔から、誰かに頼ることが苦手だったわけじゃない。
あの日までは。
怖かったら、助けを求めた。
困ったら、誰かを呼んだ。
だって。
家族なら、助けに来てくれると思っていたから。
それが当たり前だと思っていた。
蘇枋「……来なかったけどね」
自嘲するように笑う。
あの日。
俺は何度も呼んだ。
何度も手を伸ばした。
それでも、誰も来なかった。
だから――
いつからか、俺は思うようになった。
助けを求めても、意味がない。
だったら。
最初から「大丈夫」と言っておけばいい。
そうすれば、誰かを待たなくて済む。
期待しなくて済む。
置いていかれることもない。
蘇枋「……馬鹿みたいだな」
そう言いながら、目を閉じる。
でも。
今の俺は、風鈴にいる。
あの日とは違う。
分かっている。
それでも、身体に染みついたものは簡単には消えない。
翌朝。
蘇枋「おはよう」
教室に入る。
いつも通りの笑顔。
桜「蘇枋、おはよ」
楡井「蘇枋さん、おはようございます」
蘇枋「うん。おはよう」
何も変わらない。
……そう思っていた。
桜「なあ」
蘇枋「ん?」
桜「昨日、大丈夫だったか?」
一瞬。
言葉が詰まった。
蘇枋「……大丈夫だよ」
いつものように答える。
でも。
言った直後に気づいた。
まただ。
桜「……」
桜君は何も言わない。
ただ、俺の顔を見ている。
蘇枋「どうしたの?」
桜「いや」
少しだけ間を置いて。
桜「なんでもない」
そう言った。
僕は笑う。
でも。
昨日までとは少し違う。
自分が「大丈夫」と言うたびに、その言葉の意味を考えるようになっていた。
本当に大丈夫なのか。
それとも――
ただ、怖いだけなのか。
なんか今回話短いですね。
最後まで読んで下さいありがとうございましたm(*_ _)m
では안녕!!
コメント
1件
蘇枋視点のこの話、めっちゃ刺さった…😢💔 あの日から「大丈夫」って言い続けるようになった理由、胸がぎゅーってなったよ。 桜くんの「昨日、大丈夫だったか?」って一言だけで蘇枋の心が揺れるの、エモすぎるし、二人の距離がちょっと縮まってる感じがしてドキドキした…! まだ8話だけど、これからの関係性がもっと見たいな〜!💕