※本作品はご本人様達とは一切関係ありません。
※検索避けのため伏せ字を使用しています。ご理解、よろしくお願いします。
※本作品は時代パロとなっていますが、作者の個人解釈が含まれています。
 「 ci 」 『 syp 』
● syp side
 
 あの手紙以来 、
 
 なんとかバレずにやりとりができ 、
 
 会う約束までできた 。
 
 唯一 、
 
 父と母がいない平日の昼 。
 
 仕事は休む事になっちゃうけど 、
 
 ciに会えるならいい 。
 
 何を話そうか 。
 
 どうやって接しようか 。
 
 何もわからないけど 、
 
 ciなら大丈夫 。
 
 直感がそう言っていた 。
 
 大丈夫 、 ciなら 。
 
 そう頭で繰り返し 、
 
 家を出る準備を終えた 。
 
 『 いってきます 。 』
 
 珍しく家にいる父にそう告げて 、
 
 家を出ようとした時 、
 
 父 『 おい 、 待て 。
 
 金 、 金はどこにある 。
 
 酒が飲みたいんだ 。 』
 
 『 … 酒に使うお金はないんよ 。 』
 
 父 『 あ ? なんでだよ 。 』
 
 『 あのな 、 父さん 。
 
 生活費もギリギリなんだよ ? 俺ら 。
 
 そんなに飲みたいなら
 
 自分で働いてや 。 』
 
 父 『 お前は父さんに仕事させる気か !?
 
 病人だぞ !?
 
 そんな息子に育てた覚えはない !! 』
 
 父の病気はもう治っている 。
 
 治っていないのは酒癖だけ 。
 
 『 はぁ … もう勝手にしてーや 。 』
 
 父 『 何だと !? 』
 
 
 父が拳を振り上げてくる 。
 
 それを間一髪で避ける 。
 
 『 父 、 さん 、 !? 』
 
 父 『 はやく 、 金 、 金よこせ … 。
 
 昨日から飲んでないんだ 。
 
 分かってくれるだろ … ?? 』
 
 ゆらゆらと俺に近づき
 
 胸ぐらを掴んでくる 。
 
 それに反抗するため 、
 
 拳に力を入れて
 
 振りかぶろうとした時に見えた父の顔 。
 
 久しぶりに見たな 。
 
 あの頃のような笑顔はなくとも 、
 
 少しこけていても 、
 
 ヒゲの生えた顔にも 、
 
 面影はあった 。
 
 頭の中にもういないはずの
 
 優しい父の姿が見える 。
 
 … やっぱり 、 俺にはできない 。
 
 『 … ごめん 、 父さん … 。
 
 … はい 、 これ 。
 
 これで我慢してな 。 』
 
 父 『 …  』
 
 父はそのお金を少し見てから 、
 
 俺の手から奪う 。
 
 そして家を出ていく 。
 
 『…ッ…』″ ポロポロ ″
 
 まだ信じてしまう自分が憎い 。
 
 もう 、 戻ってなんてこないのに … 。
 
 『 あ 、 時間 … 。 』
 
 ciとの約束の時間のギリギリになってしまった 。
 
 行かなきゃ 。
 
 俺は涙を拭き 、
 
 歩き始めた 。
 
 
 
 約束の場所は
 
 前一緒に食べた団子屋 。
 
 父さんと揉めたせいで
 
 少し遅れてしまった 。
 
 『 ごめ ー ん ! 遅れた … 』
 
 「 !! syp ! 久しぶり ! 」
 
 そう言って立ち上がったci 。
 
 ciが着ている着物と羽織 、
 
 絶対いいやつだ 。
 
 家紋ついてるし 。
 
 『 ci 、 それ脱いだ方がええで 。 』
 
 「 え ? 」
 
 『 前も言ったやろ 。
 
 治安そんな良くないって 。 』
 
 「 あぁ 、 そっか … 。 」
 
 ciは羽織を脱いで 、
 
 手に持つ 。
 
 「 な 、 なぁsyp 。
 
 あの話のことなんやけどね … 。 」
 
 『 … 俺は嫌やけど 。 』
 
 「 … え ? 」
 
 『 [ 村の安泰 ] なんかよりも 、
 
 [ ciと一緒にいたい ] 。 』
 
 これが 、
 
 俺の答え 。
 
 慰めとか 、
 
 同情なんかじゃない 。
 
 俺の気持ちを正直に伝える 。
 
 そっちの方がciにも伝わる気がして 。
 
 
 
 ● ci side
 
 『[村の安泰]なんかよりも、
 
 [ ciと一緒にいたい ] 。  』
 
 真っ直ぐな目で俺を見るsyp 。
 
 [ 村の安泰なんか ] か 。
 
 小さい頃から 、
 
 親からも村の人達からも言われてきた言葉が 、
 
 sypがいうと俺に真っ直ぐと刺さってくる 。
 
 「 そ 、 そんなこと思ってたんや … 」
 
 『 当たり前やろ 。
 
 ciじゃなきゃ駄目やもん 、 俺 。 』
 
 [ ciじゃなきゃ駄目 ] 。
 
 嬉しい 。
 
 もっと 、 素直に 、
 
 喜びたい 。
 
 …でも 、 俺はもう決めたんや 。
 
 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ って 。
 
 「 姉ちゃん 、 神様のとこで幸せかな … 。 」
 
 『 え 、 ?  』
 
 「 神様ってなんでも見てるらしいで 。 」
 
 『 c 、 ci ? 』
 
 「 ん ? 」
 
 『 だ 、 だいじょ 』
 
 ″ ガンッ!! ″
 
 「『 !? 』」
 
 頭に衝撃が走るのと同時に 、
 
 目の前が真っ暗になる 。
 
 前の前が真っ暗になる直前に見た
 
 sypの顔は 、
 
 目を見開いてて
 
 見たことない顔だった 。
 
 『 ci !! 』
 
 周りは何も見えないのに 、
 
 sypの声は聞こえる 。
 
 そこで俺は理解した 。
 
 あ 、 攫われたんやな って 。
 
 激しく動いてる俺の体は宙に浮いていた 。
 
 頭はガンガン痛くて 、
 
 ふわふわする 。
 
 殴られた 、 ?
 
 頭と足を持たれてて 、 動けない 。
 
 sypがずっと名前を呼んでいる 。
 
 あいつを1人になんてしたくない 。
 
 駄目なんだ 、 まだ 。
 
 警官 「 止まれ !! 」
 
 そう聞こえた瞬間 、
 
 体が投げ出される 。
 
 ″ ドンッ!! ″
 
 「ッ!?」
 
 いって〜…これ、床 ? 地面 ?
 
 俺 、 助かった 、 ?
 
 目を開けてみるとそこには
 
 真っ暗闇ではなく 、
 
 警官が男2人を抑えている光景だった 。
 
 『 ciッ !! 大丈夫か !? 』
 
 「 ぇ … ぁ … ?  」
 
 『 お前ッ 、頭から血ッ … 』
 
 あぁ 、 助かったんか 。
 
 そう思うと 、
 
 体の力が抜けていき 、
 
 意識が途絶えた 。
父また暴走。
ciまた負傷。
これ上手く着地できるのかな…🤔
 
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コメント
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通知気づかなかった〜!! 続き楽しみすぎます✨️